FXでは水平線を極めるだけで勝ち続けることができるという人もいるほど、多くのトレーダーが重要視しているのが水平線です。
また、MA(Moving Average)と水平線があればチャート上で必要な情報のほとんどが分かってしまいます。
しかし、FX初心者の中には水平線の引き方が分からない、正しい引き方を知りたいという方も多いです。
水平線の引き方、どこに引くのが正しいのか、そして、どんな特徴があってどんなときに有効なのかを解説していきたいと思います。
目次
FXで水平線は重要なのか?
水平線はチャートに引くまっすぐな横のラインです。最初からチャート上には引かれていませんから自分で引く必要があります。
水平線はどこのFX会社のチャートを使っていても必ずある機能ですし、実際に水平線を引いている方も多いと思います。
元々が自分勝手に引くラインですから、誰でも同じように1pipsのずれもなく正確に引くような定義は決まっていません。
そのため、引く位置が変わってくることで機能する水平線、まったく役に立たない水平線が出てきてしまいますし、私の水平線とあなたの水平線がずれているなんてこともよくあります。
水平線には以下のような特徴があります。
- 現在価格より上にある水平線はレジスタンスになりやすい
- 現在価格より下にある水平線ではサポートされやすい
- 水平線をブレイクするとブレイク方向に大きな値動きが出やすい
- 水平線上でレンジになりやすいパターンもある
水平線が機能する理由は、世界中のトレーダーの多くがその水平線の価格を意識しているからです。
1本の水平線を見たとしても、その水平線で損切りする人、その水平線で逆張りする人、その水平線まで利益を伸ばす人、水平線のブレイクを待っている人など様々なトレーダーがいます。
そして、意識されている水平線で逆張りしているトレーダーは思った以上に多くいますから、その水平線付近で値が止まりやすくなるのです。
また、意識されている水平線を利確目標にしているトレーダーも思った以上に多いため、その水平線付近で利確するから更に値が止まりやすくなります
こういった理由から、みんなが意識している水平線には優位性があり、機能することになります。
「水平線をひく意味なんてない」「水平線なんて必要ない」
こういった人もいますが、多くのトレーダーが見ている、意識しているラインがあるのであれば、意識しておいた方がいいのは間違いありません。
水平線は闇雲にたくさん引く必要はありませんが、有効なものだけは引いておくようにするとトレード成績も向上するはずです。
水平線の正しい引き方とは?
水平線の正しい引き方は明確に決まっていません。
自分がメインで見ているチャートで、自分のトレードに有効なラインを見つけて水平線を引いておくことが有効です。
そのため、自分が使っている手法に無関係なラインは引く必要がありませんし、むやみやたらに水平線を引きすぎればチャートが見にくくなってしまうので、トレードに関係あるラインだけを引くことが重要です。
余裕があれば別モニターや別チャートを準備してたくさんの水平線を引いて、一番重要なラインにアラートを設定しておくのも良いと思います。
私の場合は1分足トレードがメインですので、MT4に重要で見るべき水平線を複数引いています。そして、少し大きな目線で大事なライン、忘れそうなラインにはライオンFXのチャートに水平線を引いてアラートを設定しています。
ローソク足を大きく表示させていると上下の水平線が隠れていて、突然出てきてビックリ・・・なんてこともありますから、時々は時間軸を変えたり、チャート表示を大きくしたりして確認しておくことをお勧めします。
水平線の引き方としては大きい時間軸から引いていくとわかりやすいです。例えば5分足メインでトレードしている場合には、日足⇒4時間足⇒1時間足⇒15分足と引いていって最後に5分足に引きます。
そして、1pipsとかコンマ数pipsの誤差は気にする必要がありません。水平線は細いラインではなく少し厚めのゾーン的に見た方がうまくいくことが多いですから難しく考える必要はありません。
価格さえ大きくずれなければザックリでいいのです。
また、無理にひかない、引きすぎないということも大切です。あくまで機能するラインに引くのが水平線だからです。
最初はどこに引けば有効に機能するのかわからないことも多いと思いますが、毎日引いていれば徐々に慣れてきます。
水平線を引く位置の見つけ方をパターン別に紹介します。
高値と高値に引くパターン
上のチャートの黄色丸の部分のように同じような値で止まっている高値と高値を結んだラインに水平線を引きます。
上図は過去チャートですが、リアルタイムで水平線を引くのであれば黄色丸2つ目から値を下げてきた時点で引いておきましょう。
この水平線は現在の価格から見て上(高値)にある場合にはレジスタンスラインの水平線になります。
そのため、2回よりも3回、3回よりも4回と、より多く同じような値で止まっているラインに水平線が引けたときの方が機能しやすくなります。
安値と安値に引くパターン
上のチャートの黄色丸の部分のように同じような値で止まっている安値と安値を結んだラインに水平線を引きます。
リアルタイムでチャートを見ている時は黄色丸2つ目から上昇した時点で水平線を引いてしまいます。以降も水平線で何度か止まっています。
この水平線は現在の価格から見て下(安値)にある場合にはサポートラインの水平線になります。
そのため、2回よりも3回、3回よりも4回と、より多く同じような値で止まっているラインに水平線が引けたときの方が機能しやすくなります。
上のチャートの続きが下のチャート図です。
3~4回同じような値で止められてブレイクできずに大きく反発しています。
意識される価格に引くパターン
多くのトレーダーが意識している価格というものがあります。例えばトリプルゼロやダブルゼロは意識されやすいですし、ユーロドルやドル円などの通貨ペアによっては50(ゴーマル)も意識されることが多いです。
上のチャートはドル円の1時間足です。112円に引いた水平線がしっかり機能しています。
この後は112円を明確に超えられずに以下のチャートのように大きく下落しています。
強い水平線が引けない時は、このような意識されるラインに水平線を引いておいてもいいと思います。
あとは、指値や逆指値が多く集まっていそうなところも多くのトレーダーが意識していますから注目度の高いラインが引けます。FX会社のニュースなどでポジション情報やオプション情報もチェックしておきましょう。
私の場合は大きな金額が集まっているところには必ず水平線を引いておくかアラートを設定しています。また、大きなダブルノックアウトオプションがあれば上下に水平線を引いています。
大きな指値逆指値があったり、多くのトレーダーが意識している価格では、値が止まりやすく、抜けたら大きく動きやすいということでもありますから、しっかりチェックして水平線を引いておくとトレードに活かすことができます。
高値安値に引いておくパターン
私の場合は当日高値と当日安値には常に水平線を引いておきます。すると、上下の水平線の幅を見れば1日の値幅が一目瞭然だからです。
当日の値幅が分かれば「ボラがあり過ぎだから止まりそう」「まだこの値幅なら更にトレンドが続きそう」などが分かるときがあります。
そして、水平線は値幅が広がったら常に移動させます。いつでも当日高値と当日安値に引いておく感じです。
もうひとつ、前日の高値と安値にも水平線を引いています。前日の高値と安値は意識しているトレーダーが多くいますから機能する場面も多くなります。
色を変えるとわかりやすい
水平線が増えてくると何のラインなのかさっぱりわからなくなってしまうことがあります。そのような時は自分で色を決めておくと便利です。
私の場合は以下のように決めています。
- 当日高値に赤で水平線
- 当日安値に青で水平線
- 前日高値にピンクで水平線
- 前日安値に水色で水平線
- 強い水平線は赤ライン
- 中間の強さの水平線は黄色ライン
- 弱い水平線はライムライン
- ほかの重要な価格に白で水平線
こんな感じで色を決めて色分けしておくと自分でもパッと見て何のラインなのかわかるので便利です。
自動でマルチタイムフレームの水平線ラインを引いてくれるシステムもあります。
ヒゲを無視するのウソとは?
- 水平線はどこに引けばいいですか?
- ヒゲは無視してもいいですか?
- 実体を結ぶんですか?
こんな質問がよくあります。
ヒゲはトレードにおいて結構重要な役割をすることが多いのですが、使うFX会社によって若干提供価格が変わってしまうことが原因で、同じ時間のチャートを見てもヒゲのあるチャートもあればヒゲのないチャートもあったりします。
そして、大きな時間軸ではヒゲだったとしても時間軸を小さくしてみればヒゲではなく実体になっていることが多いものです。
そのため、基本としてはヒゲの先を結んでラインを引きますが、そんなに厳密に考える必要はなく、大雑把に考えた方がラインを引きやすくなります。
同じような値で何度か止まった価格付近に水平線を引いておく感じです。
ただ、ヒゲを全部無視して実体だけ見るという考え方は間違っていますので止めるようにしてください。
水平線を信用しすぎない
- 水平線があるからレジスタンスになって止まるはず
- 水平線までは遠いし割らないだろうから損切りを我慢しよう
- 水平線で反発したから大きなロットを投入しよう
こんなふうに考えてしまう人も多いのですが、自分で引いた水平線を信用しすぎてしまうのは考え物です。
あなたが引いた水平線を多くのトレーダーが意識しているとは限らないからです。
また、大口のトレーダーが意識してくれないと機能しないことも多くなりますし、超大口のトレーダーが仕掛け的にその水平線を利用してくることもあります。
水平線を信用しすぎると大失敗をしてしまう可能性がありますから、あくまでもトレードの参考程度に目安的に利用するのが正解です。
そして、自分で引いた水平線が十分に機能していることが分かったら大胆に攻めていってもいいと思います。
水平線はいつかブレイクする!
上のチャートは最初の方で紹介した高値と高値を結んだ水平線です。時間経過後に下のチャートのように白丸で水平線をブレイクして大きなトレンドが出ています。
このように水平線は絶対に機能するものではないし、永久に機能し続けるものではありません。
止まりやすかったり、反発しやすかったりする確率は上がりますが、いつかは必ずブレイクします。
水平線をブレイクすると、ブレイク狙いのトレーダーの順張りポジション+ブレイクされて損切りしたポジションの相乗効果でブレイク方向に大きく動きやすくなります。
大きなトレンドが出やすいのも水平線をブレイクした時です。
また、水平線をブレイクするとサポートラインとレジスタンスラインの逆転現象になる場合も多くなります。
上のチャートで見ると水色で囲んだゾーンです。最初に引いた水平線がレジスタンスからサポートに変わっているのがよくわかると思います。
機能しなくなった水平線は消してしまう
5分足で水平線トレードをしている方のチャートを見たことがあるのですが、5分足なのに10本以上も水平線が引かれていました。それも12通貨ペアを1つのモニターに表示しているいのでチャートは小さいし線だらけだし私には無理っと思ってしまいました。
4時間足に切り替えてもらったら、多分100本以上の水平線があって、水平線でローソク足が全く見えなくなっている部分もありました。
「機能しなくなった水平線とかは消した方が見やすいのでは?」と言ったんですが、「いつか機能するはずだから消さない」という返事でした。
確かに、いつかは機能するかもしれませんし、自分でトレードできるチャートであれば、その人の勝手ですから問題はありません。
ですが、私的にはチャートはシンプルで見やすい方が絶対に良いと思っています。
そのため、私の場合は何度かしっかりブレイクされてしまった水平線は、すぐに削除するようにしています。
水平線上で行ったり来たりのレンジになっている場合には残しておきます。水平線上でレンジになるということは意識している人が多いと思われるためです。
水平線チェックは1日1回、トレードのスタート前にすればOKです。
大きな時間軸の水平線はそんなに毎日変わりませんから、今の価格付近で機能しない不要な水平線は消してしまい、新たに引けるラインがあれば引いておくだけでスッキリチャートになるはずです。
水平線は使わなければ引いても意味がない
水平線を引いて満足してしまう方がいますが、その水平線をトレードに活かさなければ引く意味がありません。
水平線はレジスタンスラインやサポートラインとしてエントリー判断に活用したり、利確目標ラインや損切りラインとして決済に活用したりできます。
私の場合はエントリーサインが出たときに、利確までの目標pipsに届く手前に強めの水平線があればエントリーを見送ることが多いです。
これは、水平線はブレイクするよりも止まる確率の方が高いためです。
余談ですが、私の場合は500MAや1000MAもチャートに表示させています。
この大きなMAはレジサポとして利用することが多いです。大きなMAなので水平気味になっていることも多く、ある意味自動で引かれる水平線的な意味合いです。
MAの種類や見ているチャートの時間軸によっても変わってきますが、結構機能していてトレードの役に立つことも多いMAですので気になる方は入れてみて参考にしてみてください。
水平線を使ったトレード手法
水平線を使ったトレード手法で代表的なものは2種類です。
<レンジを狙ったレンジの上下限での逆張り>
ボラティリティが低下しレンジになって高値も安値も同じような値で止められたら上下に水平線を引きます。
上の水平線に近づいたら売りエントリー。もしくは上の水平線にタッチして下がってきたら売りエントリーです。
逆に下の水平線に近づいたら買いエントリー。もしくは下の水平線にタッチして上がってきたら買いエントリーです。
レンジさえ見つけてしまえば超簡単です。上のチャート画像で言えば黄色で囲んでいる部分です。
水平線ピッタリで上下動することは稀なので、水平線にどこまで近づいた時にエントリーするかがポイントです。
あとはブレイクしたら損切りしてしまえばいいだけですから、水平線間でレンジが続いている限り何度でも利確チャンスが訪れることになります。
実際、ドル円やユーロドルなどのスプレッドの小さい通貨ペアでボラティリティ低下時に5回とか10回とか数pipsずつ取っているレンジトレーダーは結構います。
ただ、損切りがしっかりできるメンタルがないと必ず失敗してしまいます。水平線をちょっと超えても戻るはず・・・なんて考えると大きな損失が待っていることになるからです。
<レジサポ逆転時の順張り>
私的にはレンジでの逆張りよりも、こちらの順張りの方が値幅も取れる可能性が高くなるのでお勧めです。
上のチャートで言えば白丸で囲った部分です。水平線をブレイクした後にすぐエントリーするのではなく、一度水平線まで値が戻るのを待ちます。
そして、その水平線がサポートに変わったことを確認出来たら、水平線からの反発でエントリーしていくパターンが勝率が高くなります。
理にかなっている手法ですし、損切りはサポート割れでいいので簡単なので使っているトレーダーはかなり多いです。
あとは利確をレンジ値幅のpips程度にセットしている方が多いです。そのため、少し大きめのレンジが長く続いた後は大チャンスの鉄板パターンとして活用されているトレーダーもいます。
FX水平線の引き方!正しいラインの引き方と水平線トレード手法とは?まとめ
既に水平線を引いている方も多かったと思いますが、引く位置によって機能する水平線、機能しない水平線があることがお分かりいただけたと思いいます。
そして、正しい価格に水平線を引いておくだけでレジスタンスやサポートが分かったり、反発の可能性やブレイクの可能性、ボラティリティや値幅までも一目瞭然です。
また利益確定ラインや損切りラインの目安にもなりますから、自分のトレードに活かせる水平線は引いておいて参考にできるようにしておきましょう。