レンジ相場を回避できたなら、トレンドフォロー手法を使っているトレーダーは簡単に安定して大きな利益が出せることになります。
でも、
レンジ相場は簡単には回避できずに大負け・・・
ほとんどの方が経験していると思います。
トレンドで出した利益をレンジで全部吐き出したなんて話は山ほどありますし、レンジ相場で大損して退場なんて人もたくさんいます。
逆にレンジ相場でコツコツ利益を積み重ねていたのに大きなトレンドに巻き込まれて損切りを躊躇したら大損なんて方もいます。
それでも、圧倒的に多いのはレンジ相場でマイナスになってしまう方です。
レンジ相場を回避できたら大儲けなのに・・・と考える人のために、レンジ相場を回避するためにはどうしたらいいのかについて詳しく解説します。
目次
レンジ相場とは?
レンジ相場とはご存じのように一定の値幅で値が振幅している状況の相場です。
トレンド相場2割でレンジ相場8割とか、トレンド相場3割でレンジ相場7割なんて言われることもあるくらい、チャートの大半を占めるのがレンジ相場です。
上値と下値がピッタリで往復しているレンジ相場は稀で、上下に水平線が引けて、その中で上下動している状況をレンジ相場と言っています。
1分足で見れば5pipsレンジもあれば10pipsレンジもありますが、1時間足になれば30pipsレンジだったり50pipsレンジだったり、日足になれば200pipsレンジだったり300pipsレンジだったりと、ローソク足の時間軸が大きくなればその分レンジ幅も大きくなる傾向が強くなります。
「レンジ相場で大負けした・・・」
みたいな表現をしている人がいたら、その人の見ているローソク足でレンジ相場だったことになりますから、その人が1時間足のレンジ相場で負けたとしても、1分足トレーダーはしっかり勝っている可能性があります。
先日、知り合いの1時間足トレーダーが「先週はレンジで難しかった・・・」と言っていたのですが、1分足トレードメインの私はきれいなトレンドでしっかり取れていたので「そんなに難しい相場でしたか?」と聞いてしまいました。
逆に1分足で4時間10pipsのレンジが続いていたとしても、1時間足で見ればローソク足で4本、4時間足で見たらローソク足はたったの1本ですからレンジ相場とは言わないことになります。
このように、レンジ相場と言っても見ている時間のチャートではトレンド相場だったりしてしまうこともあると覚えておきましょう。
レンジ相場だと絶対に負ける?
トレンドフォロー手法を使っていてレンジ相場でトレードしていたら損切りの連続で連敗が続くことになります。
しかし、レンジ相場用の逆張り系の手法を使っていたら利確の連続で連勝です。
そのため、レンジ相場だからと言ってトレーダー全員が苦手としているわけではなくて、使う手法によってレンジ嫌いの人もいればレンジ大好きのトレーダーもいることになります。
そのレンジ大好きなトレーダーは後述するレンジになりやすい通貨ペアやレンジになりやすい時間帯を狙って小さな利益を積み重ねています。
ただ、多くのトレーダーはトレンドフォロー系の手法を使っていますので、レンジ相場で負けてしまう人が多いことになります。
レンジ相場で勝つ手法とは?
上記したようにレンジ相場を嫌っている人の方が圧倒的に多いのですが、レンジ相場を狙って勝ち続けているトレーダーもいます。
相場状況とトレード手法によってはレンジ相場の方が勝ちやすいこともあるのです。
例えば、レンジになりやすいドル円1分足のレンジ狙い手法があります。
ボラティリティのない、レンジっぽいチャート形になってきた時に上下に水平線を引いて水平線の幅が5~10pips未満だったらトレードをスタートします。
利確3pips、損切り3pipsで指値と逆指値をセットして、値が水平線に近づいて逆のローソク足が出たら逆張りでエントリーです。
指値か逆指値にかかるのを待って決済になったら次のチャンスでエントリー、これをレンジブレイクまで繰り返していくだけです。
勝率50%で損益なし(逆指値が少し滑るので若干マイナス)ですから、勝率60%以上を狙っていきます。
たった3pipsの小さな利益でも積み重なれば意外に大きいものです。
私が昔考えたレンジ相場用の手法はローソク足の陽線陰線の関係でエントリーする手法だったり、MAマタギを狙っていく手法がありましたが、どちらもトータルではプラスになっていました。
また、レンジ相場に関わらず、利確3pips、損切り3pipsだけを考えた場合、今私が使っているインジケーターで逆張りにならない強サインでエントリーしているだけでも勝てている日の方が多いです。
それでも、手間とストレスとメンタルなどを考えた場合には、トレンドフォローで利益を出していく方が絶対に簡単ですし安定します。
レンジ相場になりやすい時とは?
レンジ見極め方、見分け方は過去チャートで見れば簡単なのですが、リアルタイムだと「今はレンジ相場なのか」「これからレンジ相場になるのか」の判断が難しくなります。
レンジ相場だとわかるのは、値動きが止まってからある程度の時間経過が必要になるためです。
それではどんな時にレンジになりやすいか見ていきます。
レンジ相場を判定する時間軸
チャートを開いて上下に2本の水平線が引ける状況なら今はレンジだと判断できますが、トレードを開始してからトレンドが終わったと正確に判断するのは難しいものです。
値動きが止まったと思っても押し目になって再度動き出すことが多いためです。
そのため、自分がいつも見ているチャートがどんな感じになった時にレンジと判断するか自分なりの判断基準を作っておくことが大切です。
私の場合は1分足メインなので、メインチャートに1分足で4通貨ペアを表示させていますが、そのチャートは1時間弱が一目で見られるように調整しています。
そして1時間でレンジ判断をしています。
別のモニターでは5分足を表示させていて2時間程度を1画面で表示させてレンジ判断しています。
4時間足や1時間足も見ますが、大きな時間軸のチャートでレンジだったとしても、その時間軸に引いた水平線付近でトレードしていない限り1分足には大きな影響はないためレンジ判断の基準は作っていません。
水平線の引き方は以下で詳しく読めます。
私の基準でいくと1時間でレンジ判断していることになりますが、1時間足をメインにしている人にとって1時間ではローソク足が1本ですし、15分足でも4本、このような少ないローソク足ではレンジと判断するのは不可能です。
そのため、ローソク足60本くらいを目安にレンジ判断するとわかりやすいと思います。レンジ判断が遅すぎてしまえば、すぐにブレイクされてしまう可能性が高くなってくるため、大きい時間軸ならもう少し早くてもいいかもしれません。
15分足トレードなら4時間~半日程度、1時間足なら1日~2日程度です。
どこまでレンジ相場が続くのかは誰にもわからないですし、できるだけ早いうちにレンジ判断してしまった方がトレード戦略が立てやすくなります。
レンジ相場になりやすい時間帯
トレンドが出やすい時間帯、大きな値動きが出やすい時間帯があります。
例えば朝9時の日本オープン前後から仲値前後までのクロス円、欧州スタート時間前後からの欧州通貨ペア、NY勢本格参入からのドルストレート、FIX前後の欧州通貨絡みなどです。
このトレンドが出やすい時間帯以外の時間帯はレンジになりやすい時間帯と言えます。
あとは参加者が激減する深夜1時~早朝8時くらいまでの時間帯もボラティリティが低下することでレンジになりやすくなります。
他には利食いが活発になる時間帯も、トレンドを追いかけるトレーダーと利食いするトレーダーのポジションが交錯することでレンジになりやすくなります。
レンジになりやすい時間帯はトレンドが止まりやすい時間帯ということでもあるので、レンジにならなかったとしてもトレンドフォローしにくい時間帯ということになりますから覚えておきましょう。
レンジ相場になりやすい通貨ペア
レンジになりやすい通貨ペアの代表はドル円でしょう。
ここ2年ほどのドル円は大きなトレンドが発生していますが、長い目で見ればレンジ推移の時間帯が一番多い通貨ペアだと言えます。
特に1分足や5分足で見た場合は、1~2時間レベルのレンジ推移は毎日発生していますから、このレンジの時間帯にトレンドフォローで利益を伸ばそうとしてしまうと利益を得るのが難しいことになります。
ただ、最近のドル円はレンジを抜けるとある程度のトレンドが出る傾向が強いため、レンジ抜けを狙っていくと勝率も上がる傾向になっています。
他にはユーロポンドなども動かなくなったらレンジ相場が長く続く傾向があり、トルコリラなどもレンジ相場は長くなる傾向があります。
レンジ相場が長ければ動き出すと大きく動くときも多いのでチャンスを待てば取りやすい通貨ペアということにもなります。
私のような1分足メインだとユーロドルもレンジの時間帯が長く感じてしまいます。そのため、ユーロドルとポンドドルが同じような値動きの時はポンドドルを選択した方が勝率がアップしています。
レンジ相場になりやすい時
レンジ相場になりやすい時というものが存在します。
代表的なものは大きな値動きが出た後です。以下のチャートをご覧下さい。2021年1月29日のドル円15分足です。
28日深夜からのレンジを上にブレイクして大きめに上昇後、ピンクの枠で囲った6時間ほどがレンジ相場になっています。そのレンジを再度上にブレイクして欧州時間から大きく上昇しています。
こんな感じでレンジから大きく動いてまたレンジ・・・のようなパターンはほかの通貨ペアでも毎日のように出現しますから覚えておきましょう。
他にも、ボラティリティが低下すればどの通貨ペアでもレンジ相場になりやすいことになりますし、大きなMAが水平に近い推移をしている時もレンジ相場になっていることが多くなります。
私的にはパラメータの違う複数のMAが絡んでいる時やドル主導での値動きでクロス円などもレンジ相場になりやすいと考えているので注意してみています。
レンジ相場を回避するためには?
「レンジ相場は回避してトレードしないようにしましょう」
言うのは簡単ですが、レンジだとわかるのは時間経過後ですから、レンジだとわかった時にはすでに損失が出ている可能性があります。
また、微妙な値動きの時にレンジ相場だからと様子見してしまえば、そこからトレンドが発生した時の初動は取れないことになります。
では、どうやったらレンジ相場を回避できるのか考えてみます。
オシレーター系のテクニカルで見ていればレンジが分かるときもありますが、そんな時はオシレーターを見なくてもチャートを見ればわかります。
そしてオシレーター系の動き出しを待っていたら、そのレンジからのブレイクのトレンドは取り逃すことになります。
そのため、私はオシレーター系のテクニカルは一切見ていません。
レンジ相場回避で一番簡単なのは、自分がトレードしている時間軸の一つ上の時間軸のチャートでレンジになっている時はトレードしない・・・です。
自分がメインで見ている時間軸のチャートでまだレンジになっていなかったとしても、一つ上の時間軸のチャートでレンジになっていたら、レンジになってしまう可能性が高くなります。
ポンド円しかトレードしない・・・という人はレンジブレイクまで様子見することになりますが、複数通貨ぺを監視しているトレードスタイルであれば、その見ている通貨ペアの中でレンジになっていない通貨ペアを選択すればいいことになります。
そして、レンジの通貨ペアはそのレンジをブレイクしたら押し目を取っていけばいいのです。レンジブレイクから押し目もなくトレンドが発生してしまったら、そのトレンドには縁がなかったと思ってあきらめるしかありません。
もし、そのレンジブレイクの初動も取りたいと考えるのであれば、レンジでもエントリーしていくしかないことになります。
レンジで小さく損切りしながらレンジブレイクからの大きな値動きを取るという考え方もトレード手法として成り立ちます。
もしくは、レンジの上下限が見えたとしたら、そのレンジを逆にブレイクするまでの少し大きめの損切りを設定してしまうという手もあります。1回の損切りは少し大きくなりますが、連敗を回避できるので、これも考え方の一つです。
レンジブレイクアウト手法が機能する理由
レンジの上下限に引ける水平線には指値や逆指値が集まりやすくなります。大きな時間軸になればなるほど、レンジの時間が長くなればなるほど集まるオーダー量は大きく育っていきます。
その大きく集まったオーダーのある水平線をブレイクすると指値と逆指値が発動するために一気に大きく動くことがあるのです。
また、レンジをブレイクした後の押し目ではトレンドフォロートレーダーが新規ポジションを構築してきますから、さらに大きなトレンドが出ることになります。
このような理由からレンジブレイクアウト手法が機能することになります。
ただ、レンジは広がるだけの可能性もあります。
特に、短期間のレンジだったり、1分足や5分足などの小さな時間軸のレンジだと上下限にオーダーがたまっていないためです。
少ししかオーダーがたまっていないとレンジを少しブレイクしても再度元のレンジ内まで戻ってきてしまいます。オーバーシュートとかダマシと言われるものです。
そのため、レンジをブレイクしてすぐに順張りでポジションを持ってしまうと元のレンジに戻られて損切りになる可能性が高くなります。
ブレイク後の押し目をしっかり待つことが大切です。
その押し目から再度レンジに戻ってしまったらダマシでレンジ幅が広がっただけと考える必要があります。損切りして次のチャンスを待つことが大切です。
レンジ相場回避のインジケーター
レンジ相場を回避するインジケーターは昔から多数考えられていて公開されています。有名なのは「Damiani_volatmeter」でしょうか。
私も昔、なんとかレンジ相場を回避できないかと使ってみたことがあります。2本のラインの上下を見てレンジとトレンドを見るインジケーターなのですが、私のリアルトレードではまったく役に立ちませんでした。
ほかで有名なのはボリンジャーバンドのスクイーズです。これは設定次第では使えると思いますが、チャートが見にくくなってしまうこととブレイクの初動が取れないことから私的には良い結果は出せませんでした。
ほかにも移動平均線の角度でレンジ判断する方もいますが、角度は見た目ではあてになりません。チャートの大きさで角度が変化するからです。でも、機械的に数値で判断させるのであれば意外に使えることになります。
ほかにも検索するとたくさんのインジケーターが出てきますが、完全に使えるインジケーターはないと思われます。人それぞれ自分のトレードで活用できるのであれば好みで使うのは良いと思います。
FXレンジ相場を回避する!レンジ回避の方法とレンジでも勝つ手法とは?まとめ
レンジ相場を攻略して稼ぐという方法もありますが、実際にはレンジ相場だけで安定した利益を出していくのは難しいことです。
やはり、トレンドを取っていく方が王道であり簡単です。
レンジ相場を回避するためにはボラティリティをしっかり見ることです。
自分の1回のトレードの利益目標が取れる可能性が高いボラティリティの時だけトレードすることで、必然的にレンジ相場の回避にもつながってきます。
私の場合はドル円でエントリーして利益目標が8pipsにもかかわらず2時間以上かかって利確になるときがあります。その2時間でポンドドルやユーロドルなら2~3回は利確できていて30pips以上の利益を逃していることもあります。
これはボラティリティの判断ミスからのエントリーする通貨ペアの選択ミスです。
そのため、自分が見ている時間軸で利確目標に到達できないようなボラティリティの時は、その通貨ペアではトレードしないのがレンジ相場回避の一番の方法だと思います。
レンジ相場回避とは若干意味合いは違いますが、ボラティリティがなければレンジになりやすいですし、利確目標に届かない可能性の方が高い時はトレードしないことで勝率も利益率もアップにつながってくるからです。