「FXあきらめない」という記事を更新したら、FX初心者の方々からたくさんの問い合わせをいただいています。
中にはユーチューブ広告のFXサロンに参加したら参加費は膨大だし勝てないしで大損しているという方もいました。
そして、「ドル円だけに絞っても勝てますか?」「ドル円の勝ち方を教えてください」というようなドル円に関する質問が一番多かったです。
ドル円はテレビのニュースでも価格を毎日何度も報道するくらい、日本人に一番馴染みがあって初心者の方でも取り組みやすい通貨ペアなのは間違いないです。
そのため、トレードを始めた方が最初に取り組むのもドル円が多いようです。
私的には4通貨ペアを常時チェックしながら、一番勝ちやすい一つの通貨ペアに絞ってトレードしていく方法をお勧めしていますが、ドル円だけでもやり方次第では十分に利益を出していけると思っています。
そんなドル円についてFX初心者の方向けに書いてみようと思います。また、最後にドル円専門で勝ち続けている専業トレーダーのトレード手法も紹介します。
目次
ドル円の特徴とは?
ドル円はアメリカドルと日本円の組み合わせの通貨ペアです。
そのため、日本人にとってはとてもなじみの深い通貨ペアになりますから、FXを始めたばかりの方にとっては取り組みやすい通貨ペアになっています。
ドル円の特徴は?
1.取引量が多いために安定している。
FXの取引量世界第1位はユーロドルですが、世界第2位はドル円です。取引量が多いということは、ちょっとした大口が入ってもドカンと動くことはありません。そのため、サプライズのない通常時に強烈な上下動が少なく安定的に動くという特徴があります。
2.情報量が多い
アメリカと日本の通貨ペアですから、FX取引に関わってくる情報量の多さはNO.1です。テレビのニュースでもアメリカ系で言えばバイデンさんやFRB、日本で言えば日銀系や日経のニュースが多く流れています。
そして、FX各社が提供しているニュースの中でも、ドル円に関わってくるニュースの情報量は膨大ですし、随時更新されていくので誰でも手に入りやすくなっています。
3.ボラティリティが安定している
ボラティリティとは価格の変動の激しさを表していますが、通常時に特別なニュースがなければ激しく上下動していることは稀です。
ただ、大きなニュースには反応しやすいので時々大きく動いたり、売り買いが拮抗していたり参加者が少ない時間帯ではボラティリティが極端に低くなる傾向があります。
4.テクニカルに対して素直な値動きが多い
大きな節目で止まりやすかったり、トレンドに追随したり、テクニカル指標に対して意外に素直に動いてくれることも特徴の一つです。
5.スプレッドが狭いFX会社が多い
現在、国内のFX会社の多くはドル円のスプレッド0.2pipsを採用しています。中には条件付きで0pipsや0.1pipsのところもあります。
他の通貨ペアに比べてスプレッドが小さいため、利益になるのが早くなりますから、その分取り組みやすいといえます。
6.買い好きの日本人が多い
これは特徴というより傾向ですが、多くの日本人はドル円を買うのが好きで売るのを嫌う傾向があります。これを狙われて大きく下げていくこともありますが、買い好きの日本人に支えられて安値で止まりやすい傾向もあります。
ドル円の損益計算は簡単です。
クロス円と一緒で【通貨数(ロット数)×損益pips÷100】が損益(円)になります。
例えば1万通貨で10pipsを獲得した場合、10,000×10÷100=1,000
で1000円の利益になります。
スプレッドが有利なFX会社を選ぶ!
結局FXでは損失pips数よりも獲得pips数の方が多ければ差し引きpips数分が利益になります。
そのため、スプレッドが小さければ、その分だけ早くプラス域に達することが多くなるために勝ちやすいといえることになります。
もちろん、大きく勝つという意味ではありません。
スプレッドが狭い分、小さくてもプラスになる時間が早く、勝率を高くしていくことが可能になるという意味です。
例えばドル円のスプレッドが0.2pips、ポンド円のスプレッドが1.0pipsだったと仮定します。
買いで同じ10pipsの利益を狙っていたとすれば
ドル円なら今の価格から10.2pips上昇して10pipsの利益、一方ポンド円は11pips上昇して10pipsの利益ということになります。
この0.8pipsの差が大きいのです。
そして、この差はロット数が大きくなればなるほどメンタル負荷にも影響してきます。
もちろん、ボラティリティを平均すればポンド円の方が大きいので0.8pipsの差くらい・・・という考え方もありますが、最近ではドル円の方がボラティリティが大きい時間帯などもありますし、なにより、プラスになるまでの時間が早いということがFX初心者にとっては安心感があるようです。
そして、2023年現在、ドル円のスプレッドは0.2pipsが主流です。10年前は1.0pipsとか1.2pipsが主流でしたから、昔に比べると1pipsも小さくなっていて格段に勝ちやすくなっているといえます。
そのため、ドル円をトレードするのであれば、できるだけスプレッドが狭いFX会社を選んだ方が良いということになります。
ただし、スプレッドは狭いものの、スリッページ(滑り)が大きかったり、約定能力が低いFX会社もあるのでFX会社選びは慎重にする必要があります。
また、トレードボーナス的なものが少しでもあるFX会社を使えば、損益にプラスできることになるので有利になります。
ドル円はスワップポイントも大きい!
ロールオーバーを使った勝ち方の記事でも書きましたが、今のドル円のスワップポイントはメジャーな通貨ペアの中ではポンド円に次いで大きいものになっています。
この大きなスワップポイントも最近FXを始めた方にとっては魅力的なようです。逆にスワップポイント狙いをするためにFXを始めたという方もいるほどです。
これはFX会社がCMや広告などでスワップ勧誘していることも影響していそうです。
しかし、スワップポイント狙いは綿密な計画が必要になるので、初心者が安易に手を出さない方が良いのですが、デイトレードやスイングトレードで買いポジションをロールオーバーする場合などは、スワップポイントの大きいFX会社を使った方が損益も有利になり、若干でもリスクヘッジできることになります。
詳しくは以下の記事で読めます。
ドル円のエントリーはどこでしたらいいのか?
エントリーは、スキャルピングなのかデイトレードなのかスイングトレードなのかでも変わってきますが、1%でも順行する確率が高くなるポイントで決めることが大切です。
特にドル円の場合はテクニカルに素直な傾向が強いので、初心者のうちは難しく考えずにトレンド系のテクニカル指標を使うことをお勧めします。
私の場合は複数のMAをオリジナルで組み合わせて条件を設定しエントリーサイン(矢印)を発生させています。
これは、トレンド系のテクニカル指標が下げ続けている時には価格も下がっていることの方が多いし、テクニカル指標が上げ続けている時は価格も上がっていることの方が多いためです。
もちろん、トレンド転換時には逆になることもありますし、レンジの場合は判断しにくい場合も多くなりますが、トータルで見て1%でも順行確率が高いエントリーポイントを決定することができるだけで収支がプラスになる確率が高くなるためです。
もちろん、後述する利益の確定と損切りとの兼ね合いもありますが、未来の価格を完璧に予測することは誰にもできないのですから、勝ちやすいエントリーポイントを決めるという意味もあります。
そして、エントリーしてすぐにプラス域にいくことができると、メンタル的なストレスも大きく軽減できることになります。
エントリーしてすぐにマイナスになったり、マイナスの時間が長ければ長いほどメンタル負荷も大きくなることで冷静なトレードを継続することが難しくなってしまうためです。
エントリーポイントの例としては、次の利益の確定の章で紹介します。
ドル円の利益の確定はどうするのが一番いいのか?
ドル円に限らず利益の確定をどこでするかというのは、FXで利益を出していく上で一番難しい項目の一つです。
例えば以下のようなパターンを経験している人も多いはずです。
- 50pipsを狙っていたのに40pipsまでいって建値に戻られた
- 20pipsを狙っていたら18pipsまでいって戻られた
- 10pipsで利確したらどんどん伸びていった
よくある悔しいパターンです!
そのため、利益を確定させるルールを決めておくことは必須です。そして、そのルールでの利益確定を繰り返していきます。もちろん、利益を確定させる前に戻られたり、利益を確定させたらどんどん伸びて行ったりすることは日常茶飯事になると思います。
それでも、過去データの検証から一番リスクが低く、利益を最大化できる利益確定のルールを見つけることができれば、そのルールを繰り返していくことが一番良いということになります。
もちろん、慣れてくれば相場状況に応じて利益を伸ばしたり、小さく利確したりできるのが最高なのですが、最初のうちは一定のルールで利益を確定していった方が収支は安定しやすくなります。
2023/05/11 ドル円 欧州時間
※黄色矢印はMAPSPチャートのメインサイン、赤丸は決済ポイント
例えば上記の時間帯に1回のトレードで大きな利益を狙うのであれば、黄色丸内の矢印でエントリー、ポジションを保持し続けて赤丸のポイントで利益を確定します。
※表示させていませんが赤丸内で決済サインが出ます。
2023/05/11 ドル円 欧州時間 上記と同じ時間のチャート
※黄色矢印はMAPSPチャートのメインサイン
例えば上記の時間帯に小さな利益を積み重ねていくのであれば、黄色矢印でエントリー、水色矢印のように順行して決まったルールで利益確定。再度黄色矢印でエントリー、利益確定を繰り返していきます。
私的には、トレードに慣れないうちは1回で大きなpips数を狙っていくのではなく、上記のような利益の積み重ねをお勧めしています。
1回で大きく狙ってしまうとボラティリティがない時は、せっかく利益が乗ったのに利確する前に戻られて悔しいパターンが多くなるからです。
小さい利益を積み重ねていくということは、1回での大きな利益を取り逃してしまうことにもなりますが、長い目で見れば収支が安定するというメリットもあります。
ロットが小さいうちは1回で大きな利益を狙いたくなってしまうものですが、その癖がついてしまうとロットが大きくなった時に収支が不安定になってしまう可能性もあります。
最終的には自分のメンタルと相談して最善の利益の確定ルールを作るのが一番です。
ドル円の損切りはどこでしたらいいのか?
損切りすれば戻られる、損切りしなければ大きなマイナスになっていく・・・だから損切りが苦手という方が多いようです。
未来のチャートは誰にもわからないので、自分では的確に決めた損切りポイントだったとしても、数多くトレードしていれば損切りした途端に戻ってきたりしてしまうことはよくあります。
しかし、損切りをしないということはリスクが無限大になってしまうために、必ずどこかで損切りするというルールを決めておいて損切りしていく必要があります。
例えば、利益を伸ばすトレード、1回で大きな利益を狙っていくトレードであれば、その利益に見合った損切り幅での損切りルールにする必要があります。
例えば、小さな利益を積み重ねていくトレードであれば、その分、損切りも小さくしていかなければなりません。
また、その両方が組み合わさっているルールであれば、損切りも臨機応変に変えていけるルールにしておく必要があります。
「どうせ戻るだろう」という考えで損切りしないで放置してしまうのが一番最悪です。10回中9回は戻ってくるとしても、戻ってこない1回の損失で大きな損失を出してしまう可能性が高いです。
そして、この「どうせ戻るだろう」という考えで損切りしないで強制ロスカットになり、何度も繰り返して大負け、最後にはFX資金が底をついてFXをやめてしまう人も多くなっています。
損切りはどこでするかも大切ですが、決まったルールで絶対に損切りするということの方が重要なのです。
ドル円のメリットを最大限に活かせば安定して勝てる!
ドル円はテクニカルに沿って動きやすくスプレッドが狭いというのが大きな特徴でありメリットです。
そのため、そのメリットを最大限に生かしたトレードを継続できれば、収支も安定してプラスにできていくことになります。
ただ、ドル円は日によってボラティリティに大きな差がある時が多いので、毎回毎回1回のトレードで大きな利益を狙っていくのは難しいと思います。
ある程度の利益を積み重ねていく、小さな利益をどんどん取っていく感じのトレードをメインとして、ボラティリティがある時や強いトレンドの時は大きな利益を狙っていく、こんな感じが一番勝ちやすいはずです。
FX初心者の方は、上記したようなエントリー、利益確定、損切りを参考にしながら、数多くのチャートを見てトレードルールを作ってみましょう。
そして、そのトレードルールを過去チャートで1年くらい検証してみましょう。
ルールを作って検証して優位性が確認できれば勝てるトレードルールの完成です。
実は、勝てるトレードルールを作るのはそんなに難しいことではありません。難しいのは、そのルールを守り続けていくことです。
FXは適当にトレードしていたらいつか必ずマイナス収支になっていきますから、ルールを決めて守るということが大切なのです。
トレードルールの作り方は以下で詳しく解説しています。
ある専業トレーダーのドル円の勝ち方を紹介!
私の提供しているインジケーターをオリジナルでパラメーター設定し、勝ち続けて専業トレーダーになっている方がいます。
この方はドル円専門です。
兼業のうちは10万通貨でのトレードでしたが、徐々にロット数を大きくしていって、今では100万通貨でのトレードになっています。
トレード方法を詳しくは書けないのですが、簡単に説明すると3pips狙いと5pips狙いを繰り返していくトレードです。
通貨ペアはドル円のみ、クイック注文画面の一つを3pips指値と3pips逆指値で設定、もう一つのクイック注文で5pips指値と5pips逆指値で設定します。
設定などは詳しくは書けないのですが、ボラティリティが小さい時は3pips狙い、少しボラティリティががある時は5pips狙いでトレードします。
ボラティリティが大きい時は、逆指値にかかりやすくなってしまうのでトレードしないを選択されるそうです。
100万通貨で3pips狙い
10回のトレードで6勝4敗の勝率6割で6万円の利益
100万通貨で5pips狙い
10回のトレードで6勝4敗の勝率6割で10万円の利益
3pipsや5pips狙いのトレードだと決着がつくまでの時間が早く、指値逆指値で自動決済になるので、朝から時間のある限り、サインが発生したらエントリーしていくそうで、1日で50回以上トレードする日も多いそうです。
50回トレードしたとすれば、上記10回の利益の5倍が1日の利益です。
勝率もほとんど毎日60%レベルにはできるそうで、調子が良いと70%を超える日もあり、そんな日は爆益になります。
これは、スプレッドが狭いドル円だからできるトレード手法です。以前、同様にスプレッドが小さいユーロドルでも検証したそうですが、なぜか0.1pipsのスプレッド差の影響なのか、ユーロドルの特性なのか、収支が安定しなかったと聞いています。
ボラティリティが大きい時は同様の考え方で別の通貨ペアで5pips、8pips、10pipsを狙ってもプラス収支にはなっていくそうですが、エントリー回数を確保できにくいのと急に動かれて大きめの損失が嫌なのでドル円専門としているということでした。
確かに、ボラティリティがないときでも3pips程度であれば取りやすいですし、スプレッドが0.2pipsであれば非常に取りやすくなるといえます。
このトレード手法は、バイナリーオプション的に勝率で買っていくトレード手法ですが、長期間で見た勝率が50%を超えていれば利益が積み重なっていくことになるので、エントリーポイントさえ精査できていれば難しくないと思います。
ただ、このトレードのやり方は、秒で指値決済になってしまうことも多々出てきてしまうので、スキャルピングOKのFX会社でしか使えません。
どことは書けませんが、某大手FX会社だと数回の勝ちで口座凍結されてしまう恐れさえありますので注意が必要です。
詳しくは以下の記事で読めます。
ドル円の勝ち方!ドル円だけに絞って利益を出す方法とは?まとめ
ドル円だけに絞って利益を出していくことは可能です。
ボラティリティが大きい時期、小さい時期はありますが、通貨ペアの中で一番小さいスプレッドが、どんな相場状況になったとしても有利に働くからです。
ボラティリティによって利確幅を増減できるのが最高ですが、利確幅を小さくすれば損切り幅も小さくできるメリットもありますから、紹介した専業トレーダーのように小さな利益の積み重ねでも十分な利益を出していくことが可能になります。
まずはエントリーと決済のルールを決める、検証で優位性を確認する、そのルールを守ってトレードを継続していく、これができればドル円に絞ったトレードでも安定した利益を出していくことが可能です。