相場が思い通りに動かないと思ったことはありませんか?
買いポジションを持っても利益が乗らずに逆行されて損切り。売りポジションを持っても逆行されて損切り。私も毎日経験しています。
でも、思い通りに動いてくれない相場でも利益は出していかないとならないわけですから、安定して勝ち続けていくためにはチャートの値動きに素直に取り組むという考え方が大切になってきます。
思い通りに動いてくれない相場でも勝っていくためにはどうしたらいいのか、様々な角度から考えていきましょう。
目次
相場は思い通りに動かないから頑固だと負ける!
FXで少し勝てるようになってきた時の私の話ですが、こんなふうになってしまったことがあります。
朝からトレードを開始する前に、様々チェックすると
- ダウは大きく上昇してる
- 日経先物も上がっている
- 米長期金利も上向きだ
- 今日はゴトウ日だ
- 時間足で見てもドル円は上昇トレンド
「今日の朝は間違いなく買いからだな!」
朝一発目、8時半ごろにドル円を押し目買いしました。ちょっと上がってから、もみ合いながら徐々に値を下げてきます。
「おいおい、上がるはずだよね?」
ゴトウ日だし上がる要素しかないんだから、いつもよりストップを広げて様子を見よう。こんな感じで損切りをしないで耐えています。
しかし、東京オープンから日経は高く寄り付いたにもかかわらず、ドル円は穏やかに値を下げ続けて40pipsほど引かされています。
「おかしい!」
「日経は上がってるし大丈夫だよな~」
こんな感じでドル円は上がるはずだと信じていた私は、損切りもせずに上がるのをじっと待っていました。
結局、仲値が終わってもドル円は上がらず、大きなサポートも割ってきたために60pipsほどで泣く泣く損切りしました。
すると、不思議なことに私が損切りした値が底になってスルスルと上昇してきて、あっという間に建値に戻り、更にはどんどん上昇していったのでした。
上がると思い込んでいた時には下げ続け、もっと下がるだろうと損切りすれば反転して上昇していく。相場は本当に思い通りには動かないものです。
もっと頑固に上がるはずだと信じて持っていれば儲かったトレードでしたが、「損切りしない」のはもうしないと心に誓っていた私でしたので損切りし、思いっきり悔しかったことを覚えています。
ちなみに10年以上前の話です。
今でも、日経やダウを見て上目線になることはありますが、それだけの根拠で買いに出ることはありません。トレードルールで買いポイントなら買いますが、利益を伸ばしてみようと思うくらいです。
もちろん、買った後に下がってくれば即損切りすることで損失を防ぎ、今は次のチャンスを待てるようになっています。
しかし、いつまでたっても相場は思い通りには動いてくれない
これが本音ですが・・・
ラサール学園出身の秀才トレーダーの結末!
「コラッ!俺が買ったんだから上がれ!」
「米雇用統計が強い結果なんだから上がるだろ!」
「テクニカル的にも上がるのは間違いないだろ!」
「なんで下がるんだ、バカヤロー!」
ヤバい人ではありません。
こんな感じでチャートに文句を言っているのは、私の友人でラサール出身の秀才トレーダーでした。
でした??
そう、この友人は自分の思い通りに動かない相場に嫌気がさして、損切りができずに強制ロスカットを繰り返し、最終的には大損して退場しています。
FXを始めたばかりの頃は、秀才らしくチャートを様々な角度からテクニカル分析して勝ち続けていたんです。
でも、ロットを大きくした途端に豹変しました。
自分の思い通りに動かないとマウスを投げつけ、モニターを壊し、壁に穴をあけて、私が何をアドバイスしても聞く耳持たずでダメでした。
俗にいうメンタル崩壊です。
自分が絶対に正しくて、自分の思い通りに相場が動くはずという自信とおごりがあったんですね。
この友人、FXをやめてから某企業に就職し、どんどん出世していって、今はトップ近くまで上り詰めています。やはり頭がいいんだなぁと思います。
先日話をしたときには、そのうちFXにもリベンジすると言っていましたが、相場は思い通りに動かないということを理解できないうちは、同じように退場になる確率の方が高そうです。
そうならないことを祈っていますが・・・。
FXで思い込みは禁物!
ずいぶん前のチャートですが、2016年11月9日、米大統領選の結果発表日でした。朝からテレビのニュースでは州ごとの開票速報が発表されていきます。
クリントンさんが勝てばリスク選好でドル高へ、トランプさんが勝てばリスク回避で円高へというのが世間での大勢の意見でした。
事前予想ではクリントンさんが有利で前日までドル円は買われていました。当日朝の東京オープンでも、その流れは変わらずにドル円は買われて高値圏へ。しかし、開票が進むにつれて雲行きが怪しくなり、徐々にトランプ氏有利になっていきました。
世間一般の大勢の意見から普通に素直に考えれば、トランプ氏有利になっているのだからドル円を買うのは間違いで、リスク回避で売るのが正解になります。
しかし、値が下がっては買われ、下がっては買われ、クリントンさん有利だと信じて疑わない人たちはドルを買っていきました。
それが逆に値を下げる要因にもなって、ドル円は4円強も強烈に下落しました。
実は私も、トランプ氏有利になっても「最後にはクリントンさんが勝つんでしょ」みたいな思考でテレビで速報を見ていました。トレードはしていませんでしたが、負けていたころの私なら安値で買っていたかもしれません。
開票速報も終盤になってきて、トランプ氏の新大統領が確実視されてくると、なぜかドルが買われ始めてドル円は上昇してきます。
【トランプ氏が大統領=リスク回避】だと思っていた人たちは、トランプ氏の当確でリスク回避を想定して売っていたはずです。しかし、意に反してドル円はどんどん上昇していきました。
これも、相場での思い込みが禁物というパターンだと思います。
結局は売った人が次々に買い戻すことになり、NY時間には行ってこい以上の上昇幅を記録し、安値からは4円以上の上げ幅になりました。
チャートに素直になってトレードしていた方々は大きな利益を手にし、思い込みが頭から消えなかった方々は大きな損失を出した1日になりました。
イギリスのEU離脱での国民投票でも!
こちらもずいぶん前の話ですが、2016年6月24日、EU離脱に関する英国民投票の日でした。
事前予想では大勢の人々が安心感を持っていてEU離脱なんてあるわけがない、こう思いこんでいました。そのため、ポンドは底堅い値動きをしていましたし、投票日前日から当日の発表前までは上値を伸ばす展開でした。
こんなことを書いている私自身も、賢いイギリスがEU離脱は絶対ないと思っていました。それでも、なにがあるかわからないし、つまらない乱高下に巻き込まれるのも嫌だったので、結果が出るまではトレードはしないでチャートを監視していました。
結果は・・・ご存知のようにEU離脱決定です。驚くほどの下げ幅を記録し断末魔の叫びが聞こえるかのようなチャートの値動きでした。
実は、一度ドカンと値を下げて、下げ止まったかに見えた場面では、かなりの量の買いが入ったと聞きました。長い下ヒゲも出現しています。その買いの損切りも巻き込んだために更に大きく下落したのです。
EU離脱はないと思い込んで買っていた人たちは、驚くほど大きな損失を出した1日になりました。
これも、相場は思い通りには動かず、思い込みは禁物だった良い例だと思います。
相場は相場に聞け
「相場は相場に聞け」という相場格言があります。
相場に話しかけても答えてくれるわけではありません。
相場は生き物、天邪鬼と言われるように、勝手気ままに動くのが相場です。あなたが思ったようには動いてはくれないのだから、自分の考えに固執しないで、素直に相場の動きについていきなさいという教えです。
本当にその通りだと思います。
EU離脱の時も米大統領選の時もチャートの値動きに素直になっていれば大きな利益を手に入れることができていました。
普段のトレードでも同じです。上がっている時は素直に買い、下がっている時には素直に売る。違う動きになったら損切りする。この超基本的な部分さえ間違わなければ相場で大きな損失を出すことはありません。
チャートの動きに素直に取り組むことが勝ち組へと近づく秘訣でもあります。
チャートに素直になることが勝利への近道!
・上昇トレンドなのに売っていく人!
・下降トレンドなのに買っていく人!
負けてた時代の私です。もしかしたら今のあなたもでしょうか?
もちろん、上がり過ぎを判断して逆張りで取っていく優位性のある手法を使っているのであればなんの問題もありません。
しかし、なんの根拠もなしに相場に逆らうと手痛いしっぺ返しが待っています。FXでは自分の思い込みでトレードするのが一番ダメなことなのです。
普通に確率を考えてみれば、上がっているチャートなら買っていった方が勝率が高いのは間違いないし、下がっているチャートなら売っていった方が勝てる確率は高いのです。もちろん、1回1回のトレードではなく長い目で見た場合の話です。
それならば、チャートの値動きに素直になってトレードしていった方が確実に勝つ確率は高まることになります。
相場は思い通りに動かないことを認める!
そもそも相場は思い通りには動かないものなのです。
もしかしたら、世の中には「全部思い通りに動いてくれるよ」なんて言う人もいるのかもしれませんが、多分その人はこのブログを見ていないはずです。とっくに超大金持ちでしょうから。
私が毎日トレードしていても、思い通りに動いてくれることなんてそんなに多くありません。思い通りに動かないことの方が圧倒的に多いです。
それでも勝てるのがFXです。
その思い通りにならないものに対して、思い通りの結果を求めてしまうからイラッとしたり、ストレスがたまったり、落ち込んだりしてしまうのです。
それなら、心の底から相場は思い通りに動かないということを認めてしまいましょう。
心の底から認めると何が変わるのか?
「どうせ私の思い通りには動かないんでしょ」
「それなら上でも下でもどっちに行ってもいいよ!」
こんな感覚になってきます。
そして、自分の思い通りの方向へ動いてくれたら利確すればいいし、逆の方向に動いてしまったら損切りすればいいだけです。
そして、思い通りにいったときもいかなかった時も、全部ひっくるめてトータルでのプラス収支を目指せばいいことになります。
こんなことを書いている私も、思い通りに動いてくれれば嬉しいですが、逆に行ったとしても「そうくるんだ!」「へぇ~」こんな気持ちで損切りできるようになりました。もちろん、損切りすれば悔しい気持ちはあります。
私にもできたんですから、あなたもきっとできるはずです。この感覚を持てるようになると、実はFXがつまらなくなってしまうのですが、トータルでの利益は確実に残るようになってきます。
相場は思い通りに動かない!チャートに素直になることが大事!まとめ
相場は思い通りに動かない、これは誰もが認める事実だと思います。それでは、思い通りに動いてくれない相場で安定的に勝ち続けていくにはどうしたらいいのでしょうか?
相場は思い通りに動かないということを認めて、思い通りに動かないことを前提にトレードしていくしかありません。
チャートの値動きに素直に向き合って、上昇していれば買い、下落していれば売る。方向があっていれば利確し、違ったら切る、たったこれだけです。
たったこれだけのことを素直に実践していくだけで、大負け、大損はなくなり、収支は飛躍的に伸びていくはずです。
そして、そこにトレードの根拠を加えていくだけで勝ち組は目の前です。