FXで退場するというのは、FXを自発的にやめる、もしくは強制的にできなくなるといった意味です。自発的に退場するのであればいいのですが、資金がなくなって退場するということは大きく負けているはずですからダメージも大きくなります。
FXで退場する確率は通説では3年以内に90%と言われています。
それでは、どんな人が退場してしまうのか、FXから退場しないためにはどうすればいいのか考えていきたいと思います。
目次
退場する確率は3年以内に90%以上?
FXで退場する確率は通説では3年以内に90%と言われています。10人の参加者の内、9人が3年以内にやめていく計算です。
FXをあきらめきれずに3年でも5年でも負けながら取り組んでいる人もいますから、退場していない人全員が勝っているわけではありません。
私的には安定して勝ち続けながらFXを継続していっている人は1割もいないと思っていますから、退場していく計算もあながち間違ってはいないと思います。
退場していく人たちのほとんどは、簡単に儲かりそうだと思って安易にリアルトレードをはじめてしまいます。そして様々な理由から資金が減っていって最終的にはFXする資金がなくなり退場するしかなくなっていくのです。
中には資金を残したまま、あきらめて退場される方もいますが、なんとか取り返したいと思わせるのがFXなので、そういった方は稀です。
レバレッジ規制で退場者が減った!
国内FX業者の個人口座のレバレッジは、2010年8月に50倍、2011年8月に今の25倍まで段階的に下げられました。それ以前は300倍、400倍のレバレッジが当たり前だったのです。
2009年のレバレッジ400倍時代、ポンド円の保証金は1万通貨で3000円程度でした。100万円の資金があればレバレッジ400倍で300万通貨のトレードができます。
そこで何が起こったかと言えば、ハイレバレッジを使って総資金ギリギリまでロット数を上げてトレードしてしまう人が増えたのです。
今の強制ロスカットは保証金100%ルールが主流ですが、当時は20%ルールや追証などFX会社によってまちまちの規定がありましたので、ハイレバでロット数を大きくトレードしていた人たちは、ちょっとした変動でも資金のほとんどを失ってしまったのです。
強制ロスカット20%ルールでロールオーバーまでに追加入金できなければ強制ロスカットということは、資金の80%以上を1回のトレードで無くしてしまう可能性があったということになり、退場者はどんどん増えていきました。
今のレバレッジ25倍で100%ルールであれば、総資金に対していくらロット数を大きくしたとしても保証金のほとんどは残ることになりますから、いきなり退場に追い込まれるということは少なく退場者数の推移は若干穏やかになっています。
ただ、海外口座に関してはレバレッジ規制外なので、今でも数百倍や1000倍のレバレッジを使える業者も存在します。資金を守るという意味では国内業者を使った方が良いということになります。
海外口座を使うなら、少ない資金を大きく増やすなどの目的をもって計画的に使うことをお勧めします。
FXで退場してしまう理由とは?
FXをあきらめて自発的に退場、やめていく人もいますが、ほとんどの場合は大損して資金がなくなってFXをするのが嫌になって退場していきます。
中には不運にも不本意な急変動に巻き込まれて大損してしまい、泣く泣く退場になる人もいますが全体から見れば稀です。
退場させられてしまう方は、自分ではよくわかっていなくても退場してしまうトレードをしていることが多いものです。大損して退場してしまう人にも様々なパターンがありますから見ていきましょう。
ハイレバレッジで自滅して退場
ポンド円の場合、個人口座のレバレッジ25倍で1万通貨トレードするのに必要な証拠金は7万4千円程度です(2023年7月現在)。
資金を徐々に減らして退場させられるパターンを考えてみます。
総資金は100万円、すぐに大きく儲けたいと思っています。
- ポンド円12万通貨でトレード開始
- 徐々に負けて資金が減り証拠金が90万円しかなくなった。
- しかたがないので10万通貨でトレード再開
- また損失が膨らんで証拠金60万円まで資金が減った。
- 5万通貨でトレード再開
- またまたどんどん負けて30万円しかなくなった。
- 3万通貨でトレード再開
- 18万円しかなくなった。
- 1万通貨でトレード再開
- 7万円しかなくなりトレードできなくなって退場・・・
総資金が100万円あって、最初は12万通貨でトレードしていたにもかかわらず、徐々に資金が減って最後は1万通貨のトレードになっています。
1万通貨のトレードでは損失を全部取り返すのは不可能に近く、もしうまくいったとしても驚くほどの時間がかかりますから根気と忍耐が必要です。
負けるのは簡単で取り返すのが難しいFXの典型的な大損パターンです。
自分のトレードの勝率、連敗率、利益率などで資金管理しないで何も考えずにトレードしてしまえば、上記のようにマイナスが積み重なってきて資金は減り続けて最終的には退場が待っています。
ハイレバレッジを使い大きなロットでトレードするのは全然かまわないと思いますが、そこには計画性が必要になってきます。
損切りできなくて大損して退場
FXから退場させられてしまう一番の原因は損切りできなくて強制ロスカットで大損するパターンではないでしょうか?
よくあるパターンを紹介します。
200万円の資金でポンド円10万通貨をデイトレでトレードしていきます。保証金は70万円ほどで余裕資金は130万円程度あることになります。
損切りは最大でも30pipsに決めていて最大損失は3万円です。万が一のことがあっても強制ロスカットまで13円の余裕がありますから、余程のことがないかぎり大丈夫な資金管理です。
- 買いのチャンスが来てポンド円を10万通貨買い
- すぐに利益が乗らずに建値付近でもみ合いが続きます。
- ちょっとマイナスになってきましたが、まだ10pipsほどです。
- ヤバい、損切りの30pips近くまでマイナスになってしまった。
- これだけもみ合っていたんだから建値には戻るはず。
- あれっ、マイナスが30pipsを超えてしまった。
- さっき損切りしておけばよかった。
- やってしまったことは仕方がない、戻るのに期待しよう。
- マイナスが100pipsを超えた。
- 今損切りすれば10万円のマイナス・・・
- いや、ポンドは上がる要素があるからもう少しだけ我慢しよう。
- マイナス150pipsになってしまった。
- とりあえず200pipsでは絶対に損切りするぞ。
- マイナス200pipsが近づいてきてしまった。
- おかしい、絶対に戻るはずなのに・・・
- ここで損切りしたらマイナス20万だ。
- 無理、戻るまで我慢することにしよう。
こんな感情の動きが続きます。そして数日後に・・・
- おかしい、マイナス1000pipsを超えた。
- 今損切りしたら100万円以上のマイナスになってしまう。
- 13円の下落なんて聞いたことがないから我慢しよう。
- 絶対に建値以上に戻るはず・・・
数日後・・・
強制ロスカットで損失は130万円を超えました。
あの時30pipsの3万円の負けで損切りしておけば・・・後の祭りです。
その後は残った70万円を使ってなんとか取り返そうとしますが、欲が出てしまって再度損切りできずに資金の大半を失って強制退場になってしまいました。
私もこんな強制ロスカットを何度も経験しています。幸いにも資金があったためにトレードを継続できて復活できましたが、追加の余裕資金がなければ退場するしかないことになります。
損切りできなくて、いつかは戻るはずという考えは、いつかは必ず強制ロスカットが待っていますから絶対にしてはダメな考え方です。
急激な変動に巻き込まれて強制ロスカット
かなり前ですが2016年6月の英国民投票でのポンドの急落、買いポジションを保持していて強制ロスカットになってしまった人が驚くほど多かったといいます。
それ以前も以降も急激な変動は稀に起きていますが、為替は時々摩訶不思議な値動きをすることがあります。
変動に理由があれば防げる可能性も高くなりますが、突発的に数円程度動いてしまうことは多々ありますから、逆指値を入れていなければチャートを見ていない時に防ぎようのない損失が出ることもあるわけです。
そのため、その急激な変動があった時に逆指値を入れずにポジションを保持していれば強制ロスカットになってしまう危険性も高まることになります。
また、逆指値を入れていたとしても、防げないような大きな変動も時々起きているのがFXですから、不運が重なって退場に追い込まれてしまうこともあることになります。
私の考えですが、FX口座には最低必要な資金しか入れておかずに、常に出し入れするようにしていればリスク軽減につながります。万が一のことが起こって口座残高がゼロになったとしても、ほかに資金があれば再チャレンジできるからです。
なにがあっても動じない資金管理も大切ですね。
FXをあきらめて退場
FXは簡単に勝てそうに見えて、勝てるルールがないと安定して勝ち続けるのが難しい投資です。
簡単に勝てそうに見えるからFXの参加者はどんどん増えますが、独学ではなかなか勝てるようにならずに自分の意志であきらめて退場していく人も多いものです。
私は以前、どんな人でも勝てるようになるはずと考えていましたが、最近は少し考え方が変わってきています。
FXへの向き不向き、自己管理できるかできないか、メンタル的にルールを守れる性格かどうか、お金に対する恐怖心の大きさ、欲望の大きさ、資金量、使える時間、などなどが複雑に絡み合ってどうしても勝てない人が出てきてしまうのです。
もちろん、FXに真剣に向き合って、上記のようなことをひとつずつクリアしていけば勝てるようになれる可能性はあります。
でも、人間の本能が邪魔をしてくるのがFXですから、FXに不向きのタイプであればかなりの努力が必要なのは間違いありません。
FXで勝つことを本気で無理だと思ったなら、大損する前に自分の意志で退場して違う道に進むのもありだと思います。
退場から復活!
意外に多いのが一度FXから退場し、数年後に復活して再チャレンジする方々です。心機一転、絶対に勝つと心に決めての再チャレンジですが、そう甘くないのもFXです。
一度ついた負け癖が再発し再度退場になる方も多数います。退場回数2回3回なんて方もいて、あきらめずに取り組まれている方もいます。
私のところに来る方の中にも退場になって再チャレンジですとか、2回退場になって3回目の挑戦ですという方もいます。
昨年入会されたSさんは3回自主的に退場しましたが、どうしてもあきらめきれずに4回目のチャレンジでした。
退場の理由は余裕資金が少なかったことで損切りできないからとはっきりわかっていましたので、余裕のある資金管理でルール厳守を徹底してもらいました。
すると、資金的に見てロットを落としているので利益は少ないものの、収支はずっと安定的にプラスを継続できるようになりました。
あとは資金の増加に合わせて徐々にロットを上げていくだけです。
このように、資金があれば再チャレンジできるのもFXのメリットですから、絶対勝ち組になるという強い意志の元、何度でも再チャレンジして諦めない気持ちがあれば勝てるようになれる可能性も高くなります。
再チャレンジの場合は、「なぜ退場に追い込まれてしまったのか」自己分析をしっかりとして、同じ過ちを繰り返さないことが重要です。
FXでは間違った分、ミスした分、失敗した分だけ、やってダメなデータが蓄積されてきます。そのやってダメなことをしないだけでも勝つ確率は格段に上昇することになりますから、自分自身のトレードデータだけはしっかり記録しておくようにしましょう。
FXで退場しないためには!
私が思うには、自分の意志でやめなければ退場にはならないと考えています。
資金が減ったり余裕が無くなってしまったら、リアルトレードを休んでデモトレードをしたり勉強しながらトレード資金を貯めればいいのです。
儲からないとつまらないのがFXですが、勝てる根拠なく延々とリアルトレードを続けていれば負けが増えて損失が膨らむだけです。それなら、大切な資金を危険にさらさずに、勝てる自信がつくまでは練習期間にするのが得策ではないでしょうか?
そして勝てる自信がついたらリアルトレードに移行します。
高いレバレッジを使わずに余裕のある資金管理をしてメンタル負荷のかからないトレードをすること。そして確実に損切りを実行すること。これだけでも退場リスクは大きく軽減されることになります。
もちろん、退場しないのが目的ではなく、安定して勝ち続けていくことが目的なわけですから、優位性のあるトレードルールを持つことも重要です。
FXでは、ちょっとしたきっかけで勝てるようになったり、ちょっとした気づきで収支が改善されたりすることがあります。
どうしたら退場にならずに安定して勝ち続けていくことができるのか、常に自問自答しながら深く考えていくことも大切です。
FXで退場する理由とは?どんな人が退場してしまうのか?まとめ
FXで退場してしまう理由で一番多いのが、大損してしまって資金の大半を失ってしまい、トレードできなくなってしまうというものです。その中でも、損切りができなくて強制ロスカットを繰り返し退場に追い込まれる方の割合が多く感じます。
FXの場合は上がるか下がるかですから、勘が冴えて調子よく勝てる時もあります。損切りしないで我慢して耐えていれば建値に戻ってくることも多いです。
そのため、勝てるようになったと勘違いしてしまい、ロットを大きくしたときに負けが込み始めて最終的には資金の大半を失って退場になってしまうのです。
決まったトレードルールがなければ、エントリーも利確も損切りも全部適当になって運しだいになってしまい、徐々に資金が減っていくのは当たり前の話です。
退場に追い込まれないためには、事前に決めたトレードルールを守る、損切りは必ず実行するという当たり前のことが大事なのです。