コロナウイルスはFX(為替)にどう影響してくるのでしょうか?
コロナウイルス(COVID-19)が猛威を振るい始めてから日経平均株価の下落、ダウの大幅下落、ドル円の下落。今回のコロナウイルス関連でのリスクオフでの値動きに恐怖し、リーマンショックの再来かと不安を抱えたままトレードしている方が多くなっています。
特に最近FXを始められた方は大きな相場変動を体験したこともない方も多くいて、ドル円を買って大きく引かされてしまいマイナスポジションを塩漬け状態にしている方も多いようです。
こういった世界が不安に陥るようなリスクオフでの相場変動は投資をする人なら必ず頭に入れておく必要があり、なにがあっても対処できるようにしておかなければなりません。
私が過去に体験しているリスクオフの値動きも含めて、今回のコロナウイルス関連の値動きにどう対処していったらいいのか、リスクオフでも勝つ方法などを考えていきたいと思います。
目次
コロナウイルスが猛威を振るっています!
コロナウイルスが全国に広まり始めたことで小中学校が全国一斉休校、マスクの品切れ、ティッシュペーパーやトイレットペーパー、米やレトルト食品までがデマの影響でのまとめ買いで品薄などコロナウイルスの影響が大きくなってきています。
私も先日朝にマスク入荷の情報があったのでドラッグストアがオープンする30分前に店に行ったのですが、既に200人を超える長蛇の列であきらめて帰ってきました。
帰りに寄った別のドラッグストアでは、ティッシュペーパーもトイレットペーパーも品切れ・・・。大型電気店に行ったら穴場だったようでティッシュペーパーもトイレットペーパーも十分にあり、除菌シートや手洗いなども少し多めに買って帰宅できました。
でも、全国的に見れば予防したくてもマスクの入手は困難で除菌系の商品も買いにくくなる非常事態が起きています。
そして、日経平均は下落、ダウの大幅下落、ドル円も下落。こういった相場の下落はコロナウイルスがすべての原因とは限りませんが、リスクオフの原因の一つになっていることは確かだと思います。
こんな時に投資してていいのか?
コロナウイルスで大変な状況での下落を利益に変えるのは人としてどうか・・・みたいな意見を言う人もいますが、投資で利益を出すことは罪ではありません。
景気が良く幸せな状況でのリスクオンでは買って利益を出せることが多くなるわけですから、リスクオフで売って利益を出していくのも投資としては一緒です。
リーマンショックの時などは100万円の資金が数千万、数億まで増やせた方もいたと聞きました。10万円の資金が1000万円を超えた話も結構あったほどです。
逆に破産するほどの損失を出してしまった人や、立ち直れないほどの損失を出して退場していった人も驚くほどいました。
大きな利益を出した人、大きな損失を出した人、真逆の結果になっていた人がいたわけです。
これは意外に簡単な理由でした。
素直に相場の流れについていった人たちは大きな利益、安易な値ごろ感での逆張り発想をした人たちの多くが大損していたのです。
確かにコロナウイルスで世界中で大変な状況です。しかし、投資の世界では大なり小なりこういったリスクオフの相場状況は時々発生します。
FXを完全に休んでしまうという考え方もありますが、どんな状況が起こったとしても利益に変えていくという考え方は間違っていないはずです。
リスクが大きくなるとなぜ暴落するのか?
リスクで相場が暴落する原理は難しくありません。
ほとんどの場合が同じようなパターンで動きますから、原理を知っているだけで大きな損失を防ぎ利益を出していくことが可能になります。
大きく値を下げる原因の多くは以下のような感じで、それぞれが絡み合って繰り返されることで更に大きく値を下げていくことになります。
- 新規ポジションの損切りでの売り
- 売りポジションの新規構築
- 安値で買いポジションを作っていて利益が乗っていた人たちのあきらめ決済での売り
- 買いで利益が乗っていた人たちの建値決済、損切りでの売り
- 安易な逆張りでの買った人たちの損切り
コロナウイルスでのリスクオフを仮定の話としてドル円で考えてみましょう。
コロナウイルスが世界的に広がり始めました。
日本にも大きな原因があるのではというウワサが広がって、ヘッジファンドなどは日本売りを仕掛けてきました。日本売り=円売りですからドル円は上値を伸ばします。
2週間ほどの長い間110円前後で狭いレンジ推移になっていたドル円は一気に上昇して、1日で2円以上も値を上げて112円を超えました。
しかし、世界的にリスク回避傾向が強まったことで、円売りを仕掛けていたヘッジファンドの多くは円を買い戻し始めました。
元々リスクオフでは円が買われる傾向が強いことを信じていた人たちはドル円をどんどん売っていきます。
110円台前半まで下げてきたドル円でしたが、ここではファンダメンタルズ的な買いの理由から押し目と見てドル円を買っていく人たちが増えます。
110円を一瞬割ったドル円は買う人たちが多いことで110円台半ばまで値を戻してきます。
押し目を狙っていた人たちが多かったことで値を戻したドル円でしたが、コロナウイルスの広がりから世界的にリスクオフ傾向が強まって110円を本格的に割ってきます。
すると2週間ほどのレンジ推移で買いポジションが大きく貯まっていたこともあり、109円台半ばまで下落してくると損切りの売りが増えて更に下落が加速します。
109円を割ると更に損切りの売りが加速。
この時点では新規の売りは少なかったのかもしれませんが、5分足や15分足などでの戻りではかなりの売りもあったようです。
そのまま大きな戻りもなく108円を割ってしまいました。
去年の後半にドル円は104円台まで値を下げてから反発上昇しています。この時、105円台、106円台、107円台ではかなり大きな買いポジションが構築されたはずです。
今から更に大きく値を下げてくれば、こういった利益が乗っている買いポジションのあきらめ利確(ポジション解消)の売りも重なることで更に値を下げることになります。
また、大きく利が乗っていたポジションを薄利決済できずにそのまま保有する人も多くいますが、その人たちも建値や若干のマイナスでは決済してくるでしょう。
ということは、ここから更に値を下げていくと下げ幅が加速していく可能性も多々あることになります。
下げ止まって反転上昇するのはなぜ?
暴落はいつまでも続くものではありません。
必ずいつか反転してきます。
この反転をうまく捕まえてポジションを構築できれば差益で大きな利益になるのに加えて長期間のポジション保有でスワップでも大きな利益にしていくことが可能です。
今回の下落をコロナウイルス関連でのリスク回避と考えれば、コロナウイルスが収束してくればファンダメンタルズ的な元のトレンドに回帰していくことになります。
今の状況であれば下げ止まってリスクオンになり上昇するということです。
そのため、ある程度暴落したらピラミッディングや分割購入で安値での買いポジションを構築していく手法も有効になります。
ただ、どこまで下げるかは誰にもわからず、どこで反転するのかも正確に予測することは不可能なのですから、リスクを十分に考えて行動していくことが大切です。
このどこまでリスクをとればいいのかという考え方は大切です。
トレンドフォローと比べて大きなリスクをとるわけですから、見返りの利益も大きなものになる可能性がありますから、最大限のリスク管理をしていかなければならないことになります。
リスク管理については以下の記事で詳しく書いています。
大きな変動で大儲けする人、大損する人とは?
暴落時に大きな利益を出す人はトレンドフォロー派の人が多く、大きな損失を出してしまう人は逆張り派の人が多い傾向があります。
なかには下げ止まりをうまく捉えて大きな利益を出される人もいますが少数です。
暴落時にはボラティリティが大きく強い下落トレンドができているわけですから、戻りを売っていくのが正解で、安易な逆張りをしてはダメということになるからです。
しかし、大きな下落時に安値を売っていくにはメンタル的な負荷は相当なものです。いつ大きく反転されてしまうかわからない恐怖心が売りエントリーを躊躇させてしまいます。
メンタル的に強い弱いとはっきりとは区別できないのですが、安値でもエントリーポイントで積極的に売っていける人、安値では躊躇してしまってエントリーポイントでも見送ってしまう人、この差が利益を出せる人、出せない人の差になるのかもしれません。
たくさんの人から話を聞いていると、FX歴の長い方は安値売りに躊躇してしまう傾向が強く、FX初心者の方の方が素直に売れる傾向もあります。大きく下がっているのだからもっと下がるだろうと普通の考え方ができるからです。
あとは、損益が確定するまでは利益でも損失でもないという考えで、利益を最大限に伸ばしていける人もこのような相場状況で大きな利益を出していける人です。
リーマンショックの時に大きな利益を出した人は、ピラミッディングで戻りではポジションを追加してどんどんポジションを大きくしていき、最安値で買い戻せた人たちです。
さすがにここまでできる人は限られると思いますし、ある意味特殊な性格というか能力があった人たちだったと推測できます。
私自身はリーマンショックの翌年からFXを始めたのでリーマンショック時の体験はないのですが、ドル円が75円まで下げた時の大幅下落時には同様の体験をしています。
私の場合には安値売りに恐怖してしまう傾向の方が強かったので一気に大きな利益は出せずに、自分のトレードルールを厳守して小さな利益の積み重ねになっていましたが、強いトレンドでトータルでは大きな利益を出すことができました。
値ごろ感での買いは超危険!
「100円は割らないだろう」みたいな値ごろ感は超危険です。実際、110円をバックに大きなロットで買いポジションを作って損切りや強制ロスカットになって大きな損失を出してしまっている人がたくさんいます。
私の体験談ですが、2008年のリーマンショックで20円以上も下げたドル円が2009年になって若干反発してきたときに、「もう下がらないだろう」「ここからは上がる一方」「ここでポジションを構築しておけば大儲け」みたいな勝手な値ごろ感で99円付近でドル円をどんどん買っていました。
そんなドル円は98円をあっさり割って97円を割って強制ロスカットで大損。95円台では「さすがに95円は割らないで反発してくるだろう」みたいな考えで安易に逆張りの買いポジションを持って強制ロスカット。
こんなことを繰り返してしまい大損した経験があります。
値ごろ感については以下の記事で詳しく書いていますが、自分勝手な予想や思い込みでポジションを作ってしまうのは最悪のトレードです。
理由があって大きく値を下げているのなら、戻りを待って売っていくのが理にかなったトレードであり、一番利益を出しやすいトレードです。
もちろん、トレードしている時間軸に沿っての話です。
安値を売っていくのには反発に対する恐怖心も出ますし抵抗感も出てきますが、根拠のない安易な逆張りをするよりは余程勝ちやすくなります。
トレンドはトレンドが終わるまで続く・・・当たり前のことですが、このことを頭に入れてトレードしていくことが安定して勝ち続けていく秘訣でもあります。
大きな変動時はどうしたらいいのか?
ここ数日で「コロナウイルスで大きく下げていますが売った方が良いですか?」のような質問がたくさん来ています。
それに対する私の返事は
いつも通りのトレードをしていきましょう。ボラティリティが大きい時は利確損切り数値を大きくしてあげることで対応できます。
大きく下げていると、売っておけば大儲けだった・・・みたいな悔しさと欲が出てきてしまうものですが、欲を出してしまえば安値売りや値ごろ感で失敗してしまうことも多くなります。
いつも通りのトレードに少しでも利益を伸ばす考え方をプラスしていけばトータルでの利益も増えてくるはずです。
また、今回のコロナウイルスでの下落のようにリスク回避での大きな値動きは何年かおきに出てくる可能性がありますから、同じようなパターンの時にはどうやって対処していくのが最善なのかを考えてメモしておきましょう。長いFX人生の中で必ず役に立つ場面が出てくると思います。
こんな感じの返事をしているのですが、過去チャートを見て売っておけばとか買っておけば見たいな考え方は百害あって一利なしです。
欲が出てくればトレード自体が狂ってきますし、ルールを守らないで失敗することも多くなってしまいます。
同じようなパターンをルール化してしまって利益を伸ばすとか、部分利確で利益を伸ばすみたいな考え方であれば良いと思います。
専業トレーダーの優位性とは?
コロナウイルスで本当に大変な状況が続いていますが、専業トレーダーだと個室にこもってトレードしているだけなので外出の必要がありません。家族を除けば1日中誰とも会わないことの方が多いので必然的にウイルス感染の確率も減ります。
私は会社のトレードルームに引きこもってトレードしています。いつも昼は外食だったり、夜は時々飲みに行ったり、家族サービスで外食したりしていましたが、今は接触感染も怖いのでそういった外出を控えることで人との接触をかなり減らしています。
専業トレーダーにはメリットも多いのですが、こんな事態になると人混みや会社に行く必要もないことでメリットを大きく感じますね。
コロナウイルスのFX(為替)への影響は?リスクオフでも勝つ方法!まとめ
コロナウイルスがFX(為替)にどう影響してくるのか、リスクオフが強まった時にはどう行動しトレードしていくのが良いのかなどを詳細に説明してきました。
リスクオフでの値動きは時々出てきますし、コロナウイルスのような大きなリスクオフも何年かに一度は発生します。
リスクオフの時のチャートはどんな値動きになるのか、どこまで下落するのか、どこで下げ止まって反発するのかなど、記録し記憶しておくことができれば次回同じようなリスクオフがあった時に経験として生かすことができます。
なにがあっても対応できるFX力を身につけること、そして、コロナウイルスに限らず、リスクオフでのトレードで利益を出すことを悪いことだとは思わずに、取れる時は大きく取っていく考えで良いと思います。
そして、社会的に還元できることがあれば還元していければ最高ですね。