FXで損切りができない人という人は多いです。
でも、ほとんどの人は「損切りできない」のではなく「損切りしたくない」というのが本音ではないでしょうか?
損切りしなければ大きくマイナスになって強制ロスカットのリスクまで大きくなり、長い目で見たトータルでは損失の方が大きくなるのは間違いありません。
損切りをしたくない人も損切りが大切な本当の理由を心底理解できれば、損切りできないということはなくなるはずです。
損切りが大切な2つ目の理由、「機会損失」について考えていきます。
目次
損切りできないのではなく損切りしたくないだけ!
損切りができない、私は損切りできない病だ・・・なんていう人がいます。でも、ポジションが作れるなら絶対損切りできます。
目をつぶって決済ボタンをカチッと押すだけで損切りできますし、指値と逆指値を入れて散歩にでも行ってくれば、帰ってきた時には利確か損切り決済されているはずです。
だから、損切りできないのではなく、損切りしたくないのです。
私自身、約1年間、損切りしたくない病になったり直ったりを繰り返しましたから、気持ちは本当によくわかります。そして、サクサク損切りできるようになるまでは随分と苦しんでいますし、様々なことを試してきました。
損切りに特効薬はありませんが、あなたも必ず損切りできるようになれます。そして、大切な資金を守りながら勝ち組になれるはずです。
損切りができない人の心理と共通点!
損切りすれば損失が確定してして預託証拠金残高が減ってしまいますが、損切りしなければ損失は確定しませんから預託証拠金残高も減らないことになります。もちろん、マイナスになっている分だけ有効証拠金は減っていることになります。
ただ、損切りすれば損失はそこで止まりますが、損切りしないで持ち続けた場合は損失がどこまで大きくなるのか想像しただけで怖くなります。
自分のポジションと逆方向へ相場が進んでいるということは、元々のエントリーの根拠が崩れている場合がほとんどですから、損切りしないという選択肢はないはずなのですが、多くの方々が損切りしないで耐える行動に出てしまいます。
私も自分で経験しているから言えるのですが、勝てない時の心理状態として、損切りは本当にしたくないものなのです。
そして、損切りができない、損切りしたくないと思っている人たちは、以下のようなことを考えている場合が多いようです。
- これ以上負けるのは嫌だ
- 総資金を減らしたくない
- 絶対儲けてやる
- 建値以上には戻るはずだ
- 大きな時間のトレンドはあってるから大丈夫
- 上がり過ぎだから絶対下がるし
- 今は円安だから大丈夫
- 有名な○○さんが上がるって書いてたし
- 私はついてるから大丈夫
- 神様お願い・・・
相場にはあなたの味方ばかりしてくれる神様はいませんし、建値以上に戻るか戻らないかは誰にもわかりません。我慢していれば運良く建値まで戻るかもしれませんが、更なる急変動で強制ロスカットになる可能性もあります。
損切りして大切な資金を守るのか、我慢して戻るか強制ロスカットなのかのギャンブルをするか、決めるのはあなた自身なのですが、リスクを考えれば損切りしてしまうのが一番ではないでしょうか?
10回中9回は建値以上に戻ってくる!
FX歴が数ヶ月から数年になれば、損切りした後に建値に戻る経験は嫌というほどしていると思います。そんな経験が積み重なってくると、今回も建値に戻るんじゃないかなという思いが強くなってきて損切りをしないで我慢してしまう人も多くいます。
トレード手法にもよりますが、損切りした10回中9回は建値に戻ることが多いのもFXです。どうせ戻るだろうと我慢していれば建値以上に戻る。だからその癖がついて、いつも我慢していると最悪のパターンが襲ってきます。
そう、暴騰や暴落で何日、何ヶ月も建値に戻らない、そして最悪は強制ロスカットです。
この暴落や暴騰、そして建値に戻るまでに長い年月がかかるパターンを回避するために大切なのが損切りになります。
何パターンか紹介します!
建値以上に戻ったパターン
買ったポジションが薄利でもみ合いになりマイナス圏へ。損切りをしないで我慢していたら建値に戻った後に大きくプラスになったパターン。
長時間かけて建値に戻ったパターン
買ったポジションに利益が乗り伸ばしていたら急落。また上がるだろうと我慢していたら大きくマイナスに。そのあと長い時間をかけて建値に戻ったパターン。
英国民投票で大暴落し建値に戻らないパターン
かなり前ですが2016年6月24日のポンド円、英国民投票結果発表で160円から133円まで27円の大暴落でした。
この時に150円台の買いを持っていて損切りしなかった方の多くは強制ロスカットの嵐となり大損でしたが、120円台まで下落しても耐えている方はいるようです。
このように何ヶ月たっても建値に戻らないパターンもあります。
追記:6年後の2022年には建値に戻っています。
瞬間的な暴落
2016年10月7日AM8時7分のポンド円の大暴落です。私の見ているチャートでは3分間で13円の大暴落でした。買いポジションを持って損切りしなかった大勢の方々が強制ロスカットになったようです。
1勝9敗でも勝てるが9勝1敗でも負けるのがFX!
FXで負ける人の中で、小さな損切りが積み重なってトータルで負け続けてしまうという人は稀です。ほとんどの人たちは大きな損切りで資金を大きく減らすパターンが多くなっています。
FXでは小さくコツコツ9回負けても1回の大きな勝ちがあればトータルでプラス収支にできます。10pipsを9回損切りしても、100pipsを1回取ればトータルでは10pipsのプラスなわけです。
よく言われる理想のパターン、損小利大です。
逆に小さくコツコツ利益を積み重ねていても、大きな損失が1回でもあればトータルではマイナスになってしまいます。10pipsを9回利確しても、たった1回100pips損切りすればトータルではマイナス10pipsなんですね。
これが最悪のパターン、損大利小です。
FXで勝てない方の多くは、この損大利小のパターンにはまっていることが多いようです。コツコツ利益を積み重ねていって、損切りしなかった1回のトレードで大損。私も嫌になるくらい経験しています。
この1回の大きな損失を出さないために損切りは重要になってくるのです。
100万円の資金を10万円に減らすのは簡単ですが、減った10万円を100万円に戻すには驚くほどの労力と時間がかかります。資金を減らすのは簡単だけど増やすのは大変なのがFXなのです。
これらのことを肝に銘じて絶対に損切りする癖をつけてください。
損切りが大切な2つ目の理由とは?
損切りは1回のトレードで大きな損失を避けるために重要と言ってきましたが、実はもう一つ、損切りが大切な理由があります。
それが機会損失です。
損切りは大きな損失を避けて大切な資金を守るためにするものですが、機会損失を避けるためにするという重要な目的もあるのです。
機会損失とは、実際のトレードによって発生した損失ではなく、トレードしないことによって利益を得る機会を逃すことで生じる損失のことです。
簡単に言えば損切りできずに耐えている時間(期間)、その時間に何度もあるチャンスを取り逃してしまうことを指します。
私も損切りできずに耐えている経験は豊富ですから、「建値に戻れ」「上がれ」みたいな感じで祈っている最中もチャートを凝視していました。
そんな時、「ここで買っていればこんなに儲かっていた」とか、「ここでは売れたよなぁ」ということがよくありました。
サッサと損切りしてしまっていれば、そのチャンスではしっかり取れているはずだったのです。
この機会損失、数時間ならまだ良い方です。これが数日、数週間、数ヶ月になってしまえば、チャンスを逃すことによる損失は膨大になります。
この機会損失している間に含み損が解消されればまだ納得できますが、強制ロスカットなんてことになれば目も当てられません。
機会損失してしまったチャート例を見てみましょう。
上昇を取れない機会損失
陰線で売ったが利が伸びずに反転、損きりラインで損切りしなかったら大きく引かされてしまった。早めに利確、または損切りしていれば、上昇で大きな利益が取れていたかもしれない。
下落が取れない機会損失
買った後に利益は伸びたが欲張ったら反転。損切りしないで大きなマイナスになってしまった。早めに損切りができていたら、下落トレンドで何回も利確できたいた可能性が高いから大失敗。
損切りは、新たなチャンスを活かすためにも確実にできるようになりましょう。
損切りができるようになるために!
損切りを適切にできるようになるためには、メンタル面の強化やプロスペクト理論に負けないことも大切になってきます。
私が損切りできなかった時代には、壁に「損切り命」なんて紙を貼ってたこともありますが、自分自身で絶対に損切りするという決意も大切です。
適切な損切りさえできれば大きな損失は防げるし機会損失もなくなります。ということは1度での大負けがなくなるということであり、トータルで勝つ確率も格段に向上することになります。
逆指値を必ず入れる!
損切りができない、したくないと思ったとしても、ポジションを持ったらすぐ損切りポイントに逆指値を入れてしまいましょう。そして一度設定した逆指値は絶対に動かしてはいけません。
私の経験上、逆指値を動かして良かった時よりも、動かして被った損失の方が圧倒的に多くなっています。損切りずらしは最悪の結果を招くことが多いですから絶対にしないようにしましょう。
逆指値を入れておけば助かったパターンの例をあげてみます。
逆指値を入れずに大きく引かされるパターン
飛びつき買いしてしまって利益が乗らずに反転。損切りしなかったら損失がどんどん大きく膨らんでいってしまった。損きりラインに逆指値を入れておけば大きな損失は防げた。
急な下落で強制ロスカットのパターン
買いを入れてから小動きでもみ合いにはまってしまった後に急落。急降下で損失が大きくなり強制ロスカットされてしまった。これも損きりラインに逆指値を入れておけば小さな損失で済んでいたはず。
メンタル的に怖くない金額でトレードする
損切りができない原因の一つにメンタル面の問題があります。自分の器より大きい通貨数でトレードしてしまうと欲や恐怖心から損切りできなくなってしまう人がものすごく多いのです。
負けたくない、損をしたくないという気持ちが強くなってしまうのです。
それを回避するには、自分に資金量にあった適切な通貨数でトレードするということも大切になってきます。詳しくは以下の記事をお読みください。
FXで損切りができない?損切りが大切な2つ目の理由とは?まとめ
損切りができないなんて言っていたらFXで安定して勝ち続けるのは不可能です。
利益を確定させなければ絶対に勝てないように、適切な損切りもしていかないと安定して勝てないからです。
適切な損切りができるようになれば、1回のトレードでの大きな損失も防げて機会損失からも免れます。
しっかり損切りして次のチャンスを待つことができれば、損切りした損失を取り戻す機会も必ずありますし、調子よく利確の連続になって大きな利益を手に入れられる可能性もあります。
自分のメンタル面も考えて、どうしたらサクサク損切りできるのか、損切りの仕方はどの方法があっているのかなど、時間をかけてじっくり考えていってみてください。