損切りは大切な資金を守るために絶対に必要です!損切りできない、損切りしないなんて言う人もいますが、正直な話、特殊なトレード手法を除いては損切りなしでFXで安定して勝ち続けることは不可能です。
大切な資金を大きなリスクから守るために絶対に必要な損切りには様々な方法がありますが、適切な損切りルールの作り方が分かれば、より安全に大切な資金を守ることにもつながってきます。
そんな損切りルールの中で13パターンの損切りルールをチェックしていきます。
一つだけを使ってもいいし、複数組み合わせてもいいので、自分のトレード手法、トレードルールに合った損切りルールを作ることができればトータル利益は増えていくはずですから、手を抜かずに時間をかけて考えてほしいと思います。
目次
- 1 損切りに目安はあるのか?
- 2 エントリーの根拠が崩れたら損切りするルール!
- 3 数値(pips数)で損切りのルールを決める!
- 4 総資金に対する割合(%)で損切りのルールを決める!
- 5 金額で損切りのルールを決める!
- 6 自分で耐えられる範囲で損切りルールを決める!
- 7 直近の高値、安値の少し先で損切りする!
- 8 テクニカル的に損切りルールを決める!
- 9 各市場の高値安値で決める!
- 10 保有時間やロールオーバーで損切りルールを決める!
- 11 ラインで損切りのルールを決める!
- 12 完全裁量で損切りのルールを決める!
- 13 ローソク足の形状で損切りルールを決める!
- 14 強制ロスカットまで耐える!
- 15 損切りの設定は手動?それとも自動?
- 16 根拠のない損切りをしないことが大事!
- 17 私の場合の損切りルールは!
- 18 FX損切りルールの作り方!13パターンの損切りを徹底チェック!まとめ
損切りに目安はあるのか?
「損切りはどのくらいでしたらいいのですか?」「損切りはどうやってするのが一番効率的ですか」こんな質問も多くなっています。
適切な損切りはトータル利益に大きな影響を与えます。
大きな目線で考えると、手法によって以下のように考えられている場合が多いようです。
- スキャルピング 3pips~5pips
- デイトレード 10pips~30pips
- スイングトレード 50pips~300pips
上記は大きな目安ですが、pips数で考えるのではなくチャート的に損切りするルールも多数存在しますので13パターンに分けてチェックしていきます。
エントリーの根拠が崩れたら損切りするルール!
エントリーするときにはエントリーの根拠があるはずです。その根拠が崩れたら損切りする損切りルールになります。
損切りする根拠はテクニカル分析によるものだったり、ファンダメンタルズ分析によるものだったりしますが、エントリーした根拠が崩れた時に損切りするのは一番理にかなっています。
エントリーした根拠が続いていればマイナスになって引かされていたとしてもポジションをホールドしていればいいし、根拠がある限り利益を伸ばしていくことができます。
私の場合もエントリーの根拠が崩れたら薄利決済、微損切りするルールがあります。自分のトレードルールに合わせて根拠の消滅具合などもチェックしてルール化すれば一番いい損切りルールが作れそうです。
数値(pips数)で損切りのルールを決める!
これは単純にpips数で損切り幅を決めるルールです。使っている人に多いのは10pipsとか20pipsで損切りすると決めてしまうパターンです。
エントリーと同時に決めた数値で逆指値を入れてしまう方も多いようです。
この決めた数値での損切りは最大損失を決めた数値に限定できるのが大きなメリットですが、数値に根拠がない場合には適当な損切りになってしまったり、損切りになってから戻ったりするデメリットもあります。
例えばトレンドフォロー系のトレード手法で決めた数値で損切りをした場合、しっかり続いているトレンドの途中、押し目で損切りしてしまう場合も多くなるからです。
私の場合も最大損切りだけは数値で決めています。これを決めることによって、急激な変動があってもその数値以上に損失は大きくならないという安心感があります。また、その数値に達した場合は短期トレンドが転換しやすいというデータでpips数を決めています。
ただ、pips数での損切りをルール化する場合は、トレードする通貨ペアによっても変えなければならないし、手法によっても数値を変えなければなりません。また、ボラティリティによっても変える必要がでてきてしまいます。
そのため、一番適切な損切りpips数を見つけるという作業が大事になってきますし、その数値に根拠があれば使用しても良いということになります。
総資金に対する割合(%)で損切りのルールを決める!
数多くの書籍でも、ブログでも、一番正論と言われている損切りルールです。
一番多いのは2%ルールでしょうか?
総資金が100万円なら、その2%の2万円を1回の損切りの許容損失額(最大損切り値)にする考え方です。
ほかにも1%ルールや5%ルールもありますが、スキャルピングよりもデイトレード系のトレード手法の方々が使っていることが多いようです。
私的には、こういった損切りの仕方があることは最初から知っていましたが完全に無視していました。それはFXを始めた当初はハイレバレッジで50万の口座残高で30万通貨のトレードをしていたからです。
損切りは1回で5~6万円が多かったような気がします。10%以上ですね。
50万の資金で2%ルールだと1万円の損切りですから、30万通貨だと3pips強では対応できなかったからというのもあります。
FXをする人の多くはたくさん儲けたいはずです。いっぱい儲けたいならリスクを取る必要があり、そのためには総資金に対してポジション数を大きくする必要があります。
そのため、2%では無理な場合が多くなります。
ある意味、2%ルールでやっていたら大きな損失は免れるかもしれませんが、大きな利益も出せなかったように思います。
これは私個人の考え方ですから、リスクを限定して損失を小さくしながら安定してコツコツ利益を出していきたいという考え方の人にとっては、素晴らしい考え方の損切りルールだと思います。
金額で損切りのルールを決める!
これは意外にやっている人が多いようです。1万円で損切りしようとか、3万円まで耐えようみたいな考え方の損切りルールです。
例えば1万通貨でトレードしている人が1万円の損切りなら100pips、5万通貨トレードの人が1万円の損切りなら20pipsといった感じですね。
pips数での損切りルールと同じような考え方ですが、自分の資金からみての最大損切り金額を決めることで、残る資金を容易に計算できるという安心感があります。
そして、金額でのリスクを限定することでトレード計画が立てやすくなるというメリットもあります。
昔の私の場合の悪い例ですが、
「FX口座に324万円あるから24万円は損切りしてもいいや!」みたいに端数を損切り金額にしていた時期もあります。
「昨日は12万円儲かったから12万円までは損切りを我慢してもOK!」みたいに儲かった金額を損切りの限界にしていた時もあります。
もちろん、こんな感じで適当に金額で決めた損切りポイントには全く根拠がありませんからうまくいくことは少なかったと記憶しています。
自分で耐えられる範囲で損切りルールを決める!
これもまた全く根拠のない損切りの方法なのですが、自分の感覚で許容できるギリギリの範囲でどこで損切りするか決める方法です。
例えば、総資金が100万円ある人なら50万円まで耐えよう・・・みたいな感じですね。
あとは利益が出て100万円の資金が120万円まで増えているとしたら、増えた分の20万円までは耐えようという感じで決められている人も多いようです。
でも、こういった損切りルールも自分目線で勝手に決めているだけなので、根拠になる部分は何もなく撃沈してしまう可能性が高くなってしまいます。
やってダメな損切りルールだとわかっていながら、このパターンの損切りルールを使っている人が多いので、当てはまる人は気をつけた方がいいと思います。
直近の高値、安値の少し先で損切りする!
買いの場合であれば直近安値を割った時、売りであれば直近高値を超えた時を損切りポイントにする損切りルールです。
この損切りルールは昔から多くの人たちが実践している損切りルールです。特にデイトレードでトレンドフォローのトレードルールの方や逆張りの方々が使っている場合が多いようです。
損きりラインを超えれば短期トレンド転換の可能性も高まってくるために有効な損切りルールだと言えると思います。
私もずっと活用しています。
テクニカル的に損切りルールを決める!
自分がトレードで使っているテクニカルから損切りするポイントを決められている方も多くいます。
・平均足の色が変わったら
・ATRの角度や数値
・チャネルブレイクアウト
・ボリンジャーバンドのσタッチ
・移動平均線割れ、ゴールデンクロス、デッドクロス
などなど、多種多様な損切りルールが存在しています。
自分がトレードで活用しているテクニカルであれば、エントリーにもかかわっている場合も多くなりますから、根拠のある損切りと言えると思います。
こういったテクニカル系の損切りでは、数多くの損切りデータを精査して最善の損切りポイントを決定する必要があります。
各市場の高値安値で決める!
東京市場、欧州市場、ニューヨーク市場と1日を3分割し、各市場の高値安値を目安にして損切りする方法です。
少し長めにポジションを持つトレードスタイルに多い損切りルールになっていて、FX歴が長い人の方が多く使っている損切りルールです。
各市場の高値や安値を更新していくということは、その方向にトレンドが進んでいる場合が高くなります。
こんな時に逆のポジションを持っていたら損切りしてしまった方がいいのは当たり前ですね。
でも、各市場の高値安値はレジスタンスラインになることも多々あり、1日の高値安値になることも多々あるので、使うトレード手法によっては有効に機能することもあると思います。
保有時間やロールオーバーで損切りルールを決める!
保有時間で損切りを決める方法やNYクローズのロールオーバーで区切る損切りルールです。
一度やっている方から説明を聞いたことがあるのですが、私的にはよくわからないというのが本音です。
○○時間を超えて損失が出ている場合には損切りする。○○時までに利益が乗らなければ損切りしてしまうなどでしたが、時間で区切って損切りするのならもっと良い損切り方法はたくさんあると思います。
今のFX会社では時間指定で決済できる機能が付いているところも多いので、使っている手法によっては最善の方法になる場合もあるのかもしれません。
ラインで損切りのルールを決める!
サポートラインやトレンドラインを割ったら損切り、レジスタンスラインを超えたら損切り、前日の高値安値を超えたら損切りなど、チャートにラインを引いて損切りする方法です。
ダブルゼロやゴーマルや大きな節目に水平線を引いて損切りする方もいます。
このラインを引いての損切りルールは根拠がある損切りになるのでトレード手法によっては有効に機能すると思います。
ただ、そのラインまでの距離が問題です。引いたラインまでの距離が遠ければ遠いほど損失が大きくなってしまうのでリスクリワードを考えて決定する必要がありそうです。
完全裁量で損切りのルールを決める!
・この辺までいったら損切りしよう
・ここを割ったら損切りしよう
・もう少し持ってみるか
などなど、完全裁量で損切りする方法です。
ある意味、完全裁量だと損切りルールが決まっていなくて毎回違うパターンで損切りしてしまうことも多くなりそうです。
すると、適当に損切りしていることと一緒なので、よほどの相場観がないと最善の損切りポイントで損切りするのは難しそうです。
ローソク足の形状で損切りルールを決める!
ローソク足の形状やチャートパターンで損切りする方も多いようです。
ローソク足の形状で言えばヒゲの先だったり毛抜きラインだったり複数の組み合わせで自分なりの損切りルールを決められているようです。
チャートパターンで言えば三尊のネックラインだったりボックス抜けだったり、ペナントだったりウェッジだったりから判断して損切りする方が多くなっています。
統計的に考えればローソク足やチャートパターンでの損切りは有効になることが多いですが、ダマシも多く失敗も多くなりやすいのでルール化することと慣れも必要だと思います。
強制ロスカットまで耐える!
これは論外ですね。損切りルールには該当しません。
でも、逆指値を入れたり手動損切りをしないで強制ロスカットまで耐えるという方は意外に多いようです。
ただ、<証拠金+損切り幅>だけしかFX口座に資金を入れておかずに強制ロスカットまで耐えるのであればOKです。
これは損切りできない人、損切りしたくない人に有効な損切りルールになります。
実は私も損切りができない時期にやっていたことがあります。
損切りしたくなくても、逆行すればすぐに強制ロスカットになってしまうので、大きな損失を防げることになります。また、損切りに慣れるという意味合いでも有効かもしれません。
損切りの設定は手動?それとも自動?
損切りポイントがしっかり決まっているのなら逆指値での自動損切りが有効です。特に損切りがうまい人、しっかりできる人の多くは、逆指値を入れて自動で損切りする傾向があります。
損切りが苦手、できない人の多くは逆指値を入れずに手動で損切りしようとする人が多いようです。また、逆指値を入れる人でも、逆指値が迫ってくれば損切りずらしをしてしまい失敗する傾向も強くなっています。
私の場合は相場の急変動での最悪パターンを避けるために、結構大きく離れた位置に逆指値を入れておきますが、通常は自分の損切りルールに合致したなら手動で損切りしています。
なぜ逆指値で損切りをしないのかと言えば、必ずローソク足の確定で損切りするというルールを自分で決めているからです。
過去チャートの検証はローソク足が確定している状況で行いますから、そのトレードルールの優位性を確実に発揮、再現するためにはローソク足の確定は欠かせない要素になるためです。
また、逆指値だと瞬間的なスプレッドの上昇だったり、突発的なヒゲで損切りされてしまう可能性があるのも逆指値で損切りしない理由です。
そのため、損切りする値が完全に決まっている人は逆指値などで自動ですれば楽ですし、損切りポイントが決まっていない、もしくは変動する人は手動で損切りすればいいと思います。
それでも、万が一の相場急変動に備えて、ある程度深いところには毎トレード逆指値を入れておくことをお勧めしています。
根拠のない損切りをしないことが大事!
損切りルールを決める場合、自分の手法、トレードルールに合わせて根拠のある損切りルールを決めることが重要です。損切りに根拠があれば損失を確定させたとしても自分自身で納得できるからです。
適当な損切りを繰り返していると、「持っていれば建値以上に戻った」とか「我慢していれば利益になっていた」なんて経験、そして後悔が多くなってきて、次第に損切りできない体質になっていくかもしれません。
根拠のある損切りが機械的にできるようになっていけばストレスのたまらないトレードが実現できるようになるはずです。
私の場合の損切りルールは!
私の場合はFXを始めてからずっと、エントリーポイントから見た直近高値超えのローソク足の確定、直近安値割れのローソク足の確定で損切りしてきました。
かれこれ10年以上は同じ損切りルールを厳守してきています。
昨年から使い始めたPDFBトレード手法では、より効率的に損切りをするために若干変更を加えました。
これは、エントリーポイントからみた直近高値安値割れまでの距離が遠い場合に、損切りpipsが大きくなってしまうのを防ぐ意味合いもあります。
実際には直近高値安値割れのローソク足の確定、逆方向のエントリーサイン発生、逆方向の○○発生+α、この3パターンの中で一番最初に到達したポイントで損切りしています。
平均損切りは6pipsほどで小さく損切りし過ぎてしまうと勝率自体は下がる傾向になってきますが、損切りが小さくなればリスクリワードがよくなることで必然的に残る利益も大きくなってきます。
また、小さく損切りするということはリスク回避にもつながりますからお勧めです。
FX損切りルールの作り方!13パターンの損切りを徹底チェック!まとめ
自分のトレード手法に合った損切りのルールを作るには、上記の13パターンから選んでブラッシュアップするか、複数を組み合わせてみるという方法もあります。もしかしたらオリジナルの違った損切り方法もあるかもしれません。
損切りルールによっては自分のメンタル的に合う合わないもありますし、トレード手法によっては機能しない損切り方法もありますから、様々な損切りを試してみて一番優位性のある損切りルールを選ぶという作業も必要になります。
損切りはFXにおいて最重要ですから、時間をかけてルールを作っていきましょう。