コツコツドカンはFXで勝てない人の多くが体験する負け方です。もちろん、私も1年近くコツコツドカンが直らずに大負けした経験があります。原因ははっきりわかっていて、欲と恐怖心が強い、そして、明確な取引ルールが決まっていないことです。
コツコツドカンは明確なルールを持つことで簡単に回避できるのですが、初心者の方でもコツコツドカンにならないように回避法考えてみたいと思います。
目次
コツコツドカンとは?
コツコツドカンとは、小さな利益を積み重ねてきたものを1回の損切りでドカンと損してしまうことを指します。
このコツコツドカンには3種類あります
<1つ目のコツコツドカン>
5pips、10pipsと小さな利益を積み重ねて順調にトータル利益が増えてきた時に、たったの1回の数百pipsの大きな損切りで、今まで積み重ねてきた利益以上に大負けしてしまうコツコツドカン。
<2つ目のコツコツドカン>
エントリー後にプラスになると、含み益を我慢できずにチキン利食いしてしまう。ポジションが逆行すれば損切りできずに強制ロスカット。チキン利食いで積み重ねてきた利益がすべてなくなってしまう最悪のコツコツドカン。
<3つ目のコツコツドカン>
3pips、5pips、10pipsと利益を積み重ねていくが、損切りが20pips、30pipsと大きく、小さく取って大きく切るの繰り返しで利益が残らない、またはトータルでマイナスの方が大きいコツコツドカン。
コツコツドカンに共通するのは、損切りができない、または遅くなりすぎるという部分です。FXでは損小利大が勝つ秘訣と言われていますが、利小損大で全くの逆になっています。
私の体験談!最悪で最大のコツコツドカンとは!

私は2009年1月からFXをスタートしました。たくさんの書籍を読んで多くのFX商材も見て、「勝ったり負けたりしながらトータルで勝つことなんて簡単だ!」と思って、確固たる手法も持たずに安易にスタートしました。
当時のポンド円は毎日3円~5円以上も値幅が出るボラティリティが大きい日が続いていました。
最初から30万通貨でリアルトレードをスタートしましたから、10pips取れば3万円、30pips取れば9万円と最初のうちは着実に儲かりました。
「FXなんて簡単だ!」
初心者の陥りがちな勘違いです。
最初のうちは、世間一般に言われている直近高値や安値超えで損切りをしていましたが、ある時、ふと、あることに気付いてしまいました。
「損切りしないで耐えていたら、ほとんどが建値以上に戻っているじゃん!」
悪魔のささやきだったと思います。
それからの私は、5pips、10pips、20pipsと利を取りながら、含み損になれば建値に戻るまで1円でも2円でも塩漬けにして耐えるようになってしまっていました。
ある週、月曜から木曜まで絶好調で150万ほど儲かっていました。そして金曜日の朝に作ったポジションが引かされます。「どうせ戻るんだから大丈夫」こんな気持ちで楽に構えていましたが、その時はどんどんマイナスが進んでいってしまい含み損が5円に!
最初の証拠金は50万程度で、150万円のプラスと合わせて、証拠金は200万程度ありましたが、少しヤバいと考えて口座に100万円追加入金しました。
それでも一向に戻る気配は見えずに深夜になって寝てしまいました。
土曜朝、目覚めて口座を確認すると300万ほどあった証拠金が9万円弱しかありません。なんと、寝ている間に更に値を下げて強制ロスカットになっていたのです。
当時はレバレッジ400倍程度でポンド円1万通貨の証拠金が3000円程度だったので、30万通貨分の証拠金が残っていただけだったのです。
正直、一晩で300万円弱のマイナスで目の前が真っ暗になった感じでした。
1回の強制ロスカットで口座資金のほとんどを失った私は、「もう絶対に同じ間違いはしない」「やはり損切りはしなきゃダメだ」と心に誓い、翌月曜にFX口座に100万円を入金して再スタートしました。
これで私のコツコツドカンが直ったかと言えば、実はすぐに再発してしまいます。
この辺は長くなるので別の機会に書きたいと思います。
コツコツドカンで大負けする人は意外に多い!

私のコツコツドカンの恥ずかしい経験を書きましたが、FXに参加される方の多くは私同様にコツコツドカンを体験してしまうようです。
書籍などを読めば損小利大が良い、損大利小は最悪と理解はしているはずですが、なぜかコツコツドカンをやってしまう。
なぜなのでしょうか?
トレンドに逆らった勝率の高い逆張りでコツコツドカン
トレンドが上昇だったとしても、一方通行に進む相場は少なく、必ず上下動しながら上昇していくものです。
ビヨ~ンと伸びたら一旦少し下がって押し目を作ります。そのビヨ~ンと伸びた時に売れば、少しは取れることが多いものです。リバ取りとも言われるスキャルテクニックですね。
意外と初心者の人はこれが好きな傾向があります。ビヨ~ンと伸びたら売って少し取る、これを繰り返しているとコツコツと利益は積み重なってきます。
しかし、売った瞬間に急上昇されてしまい大きく損切りになってしまう。または損切りを考えているうちにどんどん上昇してしまって切れなくなって強制ロスカットでドカンと大損。
良く聞くパターンです。
勝率が高いから油断した時に大損がやってくる感じですね。
結局はコツコツドカンになってトータルでは負けます。
値頃感の逆張りでのコツコツドカン
値ごろ感での逆張りをやっている人も多いようです。これは上がりすぎだから売っていこう。ここまで下がれば止まるだろうから買っていこう。
あくまでも、個人的な感覚での思い込みトレードです。
それでも、上がりすぎで売る、下がりすぎで買うという考え方は、実は間違っていない部分もあるために意外に勝率は高くなってしまいます。
そのため、値ごろ感での逆張りで勝ちが続くと「俺って天才?」みたいな自信さえついてきてしまうものです。
そんな油断した時に、上がり過ぎからどんどん上がる、下がり過ぎからどんどん下がる大きなトレンドが襲ってきます。
必然的に戻りを期待して我慢してしまうことになり、気づいた時にはドカンと大損しています。
これも良く聞くパターンです。
ナンピンをしてしまうコツコツドカン
戦略的ナンピンは平均取得価格を良くするために確実に勝率が上がります。迂闊に勝率が高くなってしまうためにナンピンにはまってしまう人も多いようです。
それでも、損切りラインを決めて守っていれば何の問題もないのですが、その損切りを守らなければドカンと大きな損切りが待っています。
ナンピンしながら勝率を上げてコツコツ貯めてきた利益が、一度の損切りでドカンと大きく吹き飛んでしまうのがナンピンでありがちなコツコツドカンです。
チキン利食いから油断して大きな損切り
利益を伸ばせず、利が乗れば3pipsでも5pipsでも小さくチキン利食いしてしまう人も多いようです。そして、少しの損には耐えてしまうために必然的に勝率は高くなります。
小さくコツコツ利益を貯めていくんですね。
そして、大きな逆のトレンドに巻き込まれてしまって大きな損切り。この1回で今までコツコツ貯めてきた利益を全部吐き出してしまいます。
典型的なコツコツドカンです。
プロスペクト理論の罠にハマっている!
FXをしている人なら知っていて当然のプロスペクト理論。心理状態がプロスペクト理論の罠にハマってしまえば自然にコツコツドカンになっていきます。
詳しくは「プロスペクト理論を克服するには?」をお読みください。
なぜ初心者がコツコツドカンになるのか?

FX初心者の場合、トレードする手法が明確に決まっていない場合が多いので、エントリーも決済も適当になってしまいます。そして、損をしたくないという気持ちが強いので損切が遅れてしまう、もしくは損切りできない。
だから、いままでコツコツ積み上げてきた利益を一度の損切りで飛ばしてしまうことになる傾向が強くなっています。
これは、ちょっとした油断で招いてしまうミスでもあります。普段はしっかり損切りしているのに、ここまでは我慢しようと決めたラインで損切りずらしをしてしまって、最終的には損切りできなくなってドカンと大損・・・良く聞く話ですね。
あと初心者で多いのは、
5回も利確してトータルでプラス20pipsになった。6回目のポジションでの含み損が20pips、今損切りしてしまうと、今まで積み重ねてきたものが無駄になってしまう・・・
こんな考え方はFXにおいて危険な考え方です。
今まで頑張ったものがなくなってしまうと考えてしまえば、必ず損切りできなくなってしまって、最終的には更に最悪な結果が待っている場合が多くなります。
過去を引きずらないで、今のトレードをどう終えるかにだけ集中するべきです。
コツコツドカンを防ぐためには?

それでは、コツコツドカンを防ぐためにはどうすればいいのでしょうか?
一言で言ってしまえば、「優位性のある手法を決めてルールを守る」これだけでコツコツドカンは防げます。
しかし、実はそんなに簡単ではないのもコツコツドカンなのです。
損切りを徹底する
エントリーと同時に、ここで損切りするというポイントを決めて、そこに到達したら必ず損切りする。損切りさえ徹底してしまえばドカンは防げます。
損切りばかり増えて損切り貧乏になってしまう??
それは、手法、ルールが間違っている可能性が高いです。
小さな利益をコツコツ積み重ねていって、大きな損失でトータルで大負けするのがコツコツドカンなのですから、損切りさえ徹底して大きな損切りさえしなければ確実にコツコツドカンではなくなります。
勝率にこだわらない
負けたくない、全部のトレードで勝ちたい・・・もちろん私もそうです。
しかし、この気持ちが強すぎると、少し利益が出ればチキン利食いになり、含み損になれば戻ることを期待して我慢してしまうという悪循環に陥ってしまいます。
勝率にこだわらずに、トータルで勝つという意識さえ持てれば、決まったところで損切りできるようになり、コツコツドカンは防げるようになります。
コツコツドカンの逆を考えてみる
コツコツ利益を貯めてドカンと損切りするのではなく、全く逆に考えて、コツコツ損切りしながらドカンと利益を得るのです。
1勝9敗でも勝てる・・・なんて書籍もあります。この書籍の内容が正しいかは別の機会にするとして、10pipsを9回損切りしても1回100pips取れば1勝9敗でプラス10pipsです。
考えるのと実行するのは別物で実際には難しいことなのですが、考え方としては大きな損切りをしないことが大事になります。
ドカンと負けるのを防ぐだけでも収支は改善できる
小さな利益を積み重ねてきたものをドカンと1回の損切りでなくしてしまうからトータルで負けるのです。
そのドカンと大きな損切りをなくしてしまえば必然的にトータル利益は残ることになります。
コツコツドカンではなく、コツコツコツですね!
自分が許容できる最大損切りを決めてしまい逆指値を入れて絶対に動かさない・・・こうするだけでもドカンが無くなって収支は改善されてくるはずです。
コツコツドカンでも絶対に負けるとは限らない!
コツコツドカンでも絶対に負けるとは限りません。
1回に12pipsの利益を取り、損切りは100pips。コツコツドカンですが、これで勝率90%を維持できれば利益は残ります。
1回に6pipsの利益を取り、損切りが100pips。典型的なコツコツドカンですが、勝率が95%あれば利益は残ります。
私は随分前にNY時間だけ通用する「コツコツドカン必勝法」を考えました。あるテクニカルを使って損切りラインを決めます。損切りラインまで1円だったとしても2円だったとしても、その損切りにかかるまではポジションを我慢するというものでした。
1ヶ月分以上も詳細なデータを取りましたが、トータルではプラス収支になりました。もっとブラッシュアップすれば、いつでも通用する必勝法になりえると考えていますが、私は朝型人間でNY時間はトレードできないので今はお蔵入りです。
なにかの機会があればブログで公開するかもしれません。
コツコツドカンで負けるのはなぜか?コツコツドカンの対処法は? まとめ

1勝9敗でも勝てるのがFXですが、9勝1敗でも負けるのがFXです。
いくらコツコツ利益を積み重ねてきたとしても、大きな損失1回でドカンと大損してしまいトータルで勝てないのがコツコツドカンです。
その大きな損失さえ防ぐことができれば、積み重ねてきた利益が残ることになるのでトータルでのプラス収支が実現できてきます。
コツコツドカンで勝てないと思っている方は、大きな損切りをどうやって無くしていくかをじっくり考えてみてください。