FXをしている人なら「相場環境認識」という言葉を聞いたことがあると思います。また、「相場環境認識」が大事だと感じている人も多いと思います。でも、「相場環境認識」とは何なのか、理解していない人も多いようです。
私の考え方ですが、相場環境認識とは何なのか?そして、FXの勝ちにどう繋げていけばいいのかについて書いてみたいと思います。
目次
FXにおける相場環境認識とは?
FXにおける相場環境認識とは、一般的に言えば、あなたがトレードに使っているチャートよりも大きい時間軸のチャートが、今どんな状況にあるのかを分析することを指します。
例えば、
あなたが5分足メインでトレードしているのなら、1時間足のトレンドは上昇トレンドなのか下降トレンドなのか、それともレンジ推移なのか?
あなたが1時間足メインでトレードしているのなら、4時間足のトレンドは上昇トレンドなのか下降トレンドなのか、それともレンジ推移なのか?
あなたがトレードしているチャートよりも大きい時間軸のチャートの状況が、今どうなっているのかを認識することで、あなたのトレードの方向性を決めるということが、一般に言われている相場環境認識です。
私が考えるには、ほかの要素でも大切な相場環境認識がありますので後述します。
相場環境認識において長期足が大事な理由とは?

↑↑ 綺麗な下降トレンドが出ています ↑↑

↑↑ 綺麗な上昇トレンドになっています ↑↑
実は上記2つのチャートは、時間軸が違うだけで同じ時間帯のチャートなのです。
大きいローソク足のチャートで見れば上昇トレンドなんですが、部分的に小さいローソク足チャートで見れば綺麗な下降トレンドなんですね。ちょうど黄色丸で囲った部分の後半になります。
これはちょっと極端な例になっていますが、長期足では上昇トレンド中で、短期足で押し目を作るために下降してきています。そして下降が止まれば長期足方向に切り返して上昇していく可能性が高いことになります。
エントリーの方向、利確を伸ばすのか決済するのか、どこで損切りするのか、どこまで我慢するのかなど、メインに見ているチャートよりも大きい時間軸のチャートを見ることで、判断の幅が広がることにつながります。
実は、私的には長期足はそんなに気にしていないかも!
私のメイントレード手法では1分足がメインで、エントリーポイントも決済ポイントも1分足で完結するので長期足は常時チェックしていません。5分足は常時チェックしていますが5分足のトレンドが逆だからと言ってエントリーしないという選択肢もありません。
ただ、5分足と1分足のトレンドが同方向なら、自信を持ってエントリーしたり、利確を伸ばしたりできるくらいが長期足を見る理由です。
これは、1分足をメインにトレードする場合、5分足のトレンドに引っ張られる可能性もありますが、1分足からトレンドが発生して5分足もトレンドが変わってくる可能性もあるためです。
チャートで簡単にトレンドを判断するには?
トレンド判断には様々な方法があると思いますが、私が見ているのは100SMAです。この100SMAの傾き、現在の値の位置を見て総合的にトレンド判断しています(チャート画像内白線)。
例えば以下は2016年08月25日(木)19時のポンド円のチャートです。
↓↓ 5分足で見ると横ばいから若干下げてきた ↓↓

↓↓ 15分足で見ればまだ上昇トレンドか? ↓↓

↓↓ 1時間足で見ても上昇トレンド継続 ↓↓

↓↓ 4時間足では下降トレンドから横ばいになりそう ↓↓

↓↓ 日足ではまだまだ下降トレンドが強い ↓↓

総合的に判断するとしたら、15分足では上昇トレンドから上値が重くなってきているが、1時間足では上昇トレンドになっている。4時間足は下降トレンドから横ばいになりそう。日足で見れば下降トレンドが続いているが、もしかしたら短期トレンド転換の可能性もある。こんな感じになります。
長期足を見る場合はレジスタンス、サポートも見ること!
例えば5分足を見てトレードしている場合を考えると、モニターいっぱいにチャートを表示させていたとしてもクロス円で言えば1円程度の値幅を見ていると思います。
そして、以下のように強い上昇トレンドに見えるチャート形であれば、順張りなら買いでエントリーしていて、どこまで追いかけるか、どこまで利益を伸ばすかを考えているはずです。

↓↓ そして、あっという間に下落されてしまい建値まで戻ってしまいました ↓↓

実は長期足で見れば大きなレンジ推移になっていて、同じ値で何回も跳ね返されている強いレジスタンスがあったんですね(画像の黄色ライン)。このレジスタンスラインが事前にわかっていれば、手前まで来たときに十分な利益で利確もできたはずです。

これも極端な例ですが、5分足メインでトレードしているなら、15分足や1時間足も見てレジスタンスラインやサポートラインにも注目するというのが相場環境認識になります。
もちろん、もっと大きな目線でのサポートライン、レジスタンスラインをチェックして、大きなレンジになっていないのか、レンジブレイクしていないかなどを見ることもトレード手法によっては重要になってきます。
見えているチャート以外で考える相場環境認識とは?

相場環境認識には長期足を見る以外に広い意味もあると考えています。例えば時間帯での相場判断だったり、今現在の国ごとの強弱だったり、国の考え方だったりです。
時間帯で見る相場環境認識とは?
私の場合、東京と欧州がトレードのメイン時間なのですが、朝にダウと日経先物と米金利と原油チャートもチェックします。
ダウと日経先物がプラスで引けていたり、マイナスで終わっていたとしても引けにかけて上昇している場合、東京オープンに向けてドルが上昇する傾向にあります。これを考えれば、朝は必然的に買い目線となり、買いのチャンスを待つことになります。
次に欧州勢参入時の15時、16時付近のポンド円の場合ですが、欧州勢は東京の逆をいく場合が多くあります。これを考えれば、東京で大きな理由もなく値を上げてきている場合は高値買いに注意。逆に東京で下げてきている場合は安値売りに注意と考えることができます。
他にもある相場環境認識とは?
例えば、2016年6月24日の英国民投票以降のポンド円。EU離脱が決まって1日で27円の大暴落後ですが、どう考えてもポンドは弱いはずです。これを考えれば、しばらくの間は戻りを売られる可能性が高いと判断できました。
国民性を考えて見れば、
日本人は買いが好きで、なかなか損切りせずに耐える傾向が強い。これを考えれば東京時間で安い時は買われる傾向が強い。大きな節目などでストップが貯まってくれば割った時には大きく動く可能性が高いと考えることができます。
欧州トレーダーはポンドを買いたい傾向が強く決済も早い。これを考えれば欧州勢参入後はポンドが買われやすいが、買ったポジションは決済するのも早いので、大きな理由がなければ長時間トレンドは続きにくいと考えることもできます。
ファンダメンタルズも相場環境認識のひとつ?

例えば
米国が利上げをしたがっている
⇒ ドルが買われやすい
日本は円を買わせたくない
90円は死守するかも・・・
⇒ 90円付近では介入があるかも
北朝鮮がミサイル発射準備をしている
⇒ リスクオフで円とドルが買われるかも
極端な例ですが、こういった状況を認識していることも相場環境認識の一環と言えると思います。FX会社のニュースやロイターなどを見る習慣をつけていれば、直接トレードには影響を与えないかもしれませんがリスク回避には役立つと思います。
FXの相場環境認識って何?知れば確実に勝率はアップする? まとめ

FXにおける相場環境認識とは、勝つ確率を上げるために、大きな目線で今の相場の状況を確認、判断する作業ということになります。
もちろん、今まで見てきた相場環境認識はとても大切ですし、知っていることでトレードに役立つことも多いにあります。しかし、相場は生き物と言われるように、いつ、何が原因で大きく逆に変動するかわかりません。
自分の相場環境認識で上昇トレンドと判断したとしても、「絶対に上がっていくはず」という過信は禁物になります。
それは、トレンドは小さな足から派生していくからです。
「上昇トレンドなんだから損切りしないでどこまでも我慢する」
こういった考え方はFXにおいて最悪です。もちろん、最初からどこまで我慢するかを決めている場合は問題ありませんが。
日足が強い上昇トレンドだったとしても、必ずいつかは終わってレンジになるか下降トレンドに変わります。だからトレンドに逆らわないことがとても大切になりますし、もし間違ったと判断できるならば、早めに認識を変えていく必要も出てきます。
FXでは大切な相場環境認識ですが、自分が絶対正しいと過信せずに素直にトレードすることが一番大事なことなのです。