私はFXで一番難しいのは利確だと思っています。エントリーはルールに合致したら買いでも売りでもポジションを作るだけ。損切りも損切りポイントがきたら損切りするだけです。
利確も決まったトレードルールでの利確ポイントがきたら利確するだけなのですが、利確した途端に順方向に大きく伸びていったり、利確ポイントまでギリギリ届かなかったりと悔しいパターンが多くなることが多いです。
そのため、どのタイミングでの利益確定が一番いいのか判断することは至難の業です。
サクッと利確してしまえばどんどん伸びるし、利益を伸ばそうと我慢すれば建値に戻る・・・満足できる利確ができることはそう多くありません。
それでは、どんな利確パターンがあるのか、そして、どの利確ポイントが一番利益が出せるのか、一番いいタイミングを考えていきたいと思います。
後半では、利益を伸ばす検証方法も紹介します!
目次
利益確定ポイントは千差万別
FXに参加している人が利確している方法や利確ポイントは、使っている手法によっても違うし、スイングトレードやスキャルピングやデイトレードでは大きく変わってきますから、多分数えきれないほどの利確方法があると思います。
そんな中で、私がパッと思いつく利確方法を書いてみたいと思います。
pips数(値幅)で利確ポイントを決める!
毎回20pips固定とか、50pips固定とか、完全に数値で決めてしまう利確方法です。毎回違う利確幅にするよりも固定の方が損益計算をしやすく検証もしやすいので優位性も確認しやすくなるメリットがあります。
逆にデメリットとしては、利確目標に届かずに反転したり、利確した後もどんどん利益方向に進んでいったりして後悔することが多くあるということです。
ちなみに私の利確はこれの応用です。
「pips数で決めちゃダメだろ」みたいな意見もあると思いますが、トレード手法が機能しているのでなんの問題もありません。
基本パターンでの利確は時間帯と通貨ペアで変わる指値にしておいて、利益が伸びるパターンがあれば裁量で利益を伸ばすことができれば一番良い利確ができる可能性が高くなります。
損切り幅から逆算して利確ポイントを決める!
損切り幅が固定の場合は損切りが20pipsだから利確は30pipsみたいにpips数で決められるパターンもあります。
損切り幅が変動する場合は、<損切り幅×○○>に勝率を加味して、トレードごとに決められる場合もあるようです。
要は損切り幅を考慮して損小利大になるようにリスクリワード比によって利確ポイントを数値で決める方法です。
テクニカル的に利確ポイントを決める!
移動平均線のクロスで利確したり、ボンジャーバンドなら±1σラインや中心線、±2σラインで利確する方法です。他にもMACDのクロスだったり、RSIの指数の水準で決めたり、フィボナッチ比率で決めたりと多種多様な利確方法があります。
テクニカル的に利益確定ポイントを決める場合には、1種類ではなく数種類の利確ポイントを準備しておき、その中から裁量で選択する方法もあります。
限界まで待って利確する!
限界とはルール的に買いポジションを持っていたとして、売りのエントリーポイントまで我慢するという意味です。
例えば買い方向へポジションを持っていて利益が乗ってきた場合、売りのエントリーポイントが来るまでホールドします。
トレンドフォロー系のトレード手法でよく使われていて、大きなトレンドの波に乗れれば利益を最大化できることがメリットです。スイングトレードで数百pips取れたり、デイトレードでも一撃で大きく取れる可能性があるのが魅力です。
ただし、逆のエントリーポイントまで待つのでレンジ推移の場合は利益を出せず、損失を繰り返す場合もあり勝率は低くなる傾向にあります。
エントリーの根拠で利確ポイントを決める!
これは私も一部使う方法ですが、エントリーの根拠がなくなったら利確してしまう方法です。利益が乗ってきたらどこまでも伸ばしていき、エントリーの根拠がなくなったら利確します。
損切りでも使える方法になります。
ローソク足のパターンで利確ポイントを決める!
ダブルトップやダブルボトムが出現したらネックラインまでと同pips数とか、買いの場合はかぶせ陰線が出現したら利確とか、長いヒゲが出るまでとか、ハラミ線や陰線陽線の組み合わせで利確を決める方法もあります。
狙うpips数が明確に決まる場合もありますが、多くの場合はチャートに集中している必要があるので時間のあるトレーダー向きです。
チャネルやトレンドライン、節目で利確ポイントを決める!
チャネルラインを引いて上下限に到達したら利確とか、トレンドラインを割ったら利確とか、大きな節目到達まで我慢するとか、チャート上にラインを引いて利確ポイントを決める方法です。
利益の確定だけでなく損切りになる場合も含めて決済ポイントが明確に決まっているのがメリットです。
勘で完全裁量で利確ポイントを決める!
利益が乗ってきたら、なんとなくとか、この辺までかなとか、勘で利確ポイントを決めている人も多いようです。
完全裁量だと毎回違う利確ポイントになってしまうため、収支が安定してこないのでお勧めはできません。
時間で利確ポイントを決める!
各時間帯の癖やローソク足1本の時間で利確する人もいるようです。
よくあるパターンとしては、大きな時間軸でのトレードでローソク足の始値でエントリーして終値で決済する方法です。
買いであれば陽線が確定した時点で利確してしまいます。エントリーポイントさえ間違わなければ意外に有効な利確方法です。
5分足で使っている方も多いようです。
あとは時間帯での利確ですが、仲値や各市場のオープン前にポジションを保有していて利益が乗っている場合には仲値寸前、各市場オープン寸前に決済します。
これは理にかなった利確方法です。
私の場合も東京仲値は常に意識していて、9時台に買いポジションを持っている場合には利益の大小にかかわらず仲値前に決済するようにしています。
トレール注文で利確する!
ある程度利益が乗った時に、値幅を指定して自動的に逆指値が変動していく決済方法になります。
指定した値幅以上のマイナス変動がないかぎり、どんどん利益を伸ばすことができるので使っている人は多いようです。
ちなみに私も以前使っていたことがありますが、最終的に指定した値幅分を必ず損してしまうのがメンタル的に耐えられずに全く使わなくなりました。
目標以上の利益が乗っている時やトレンドが強い時などは使えると思います。
半分利確して残り半分は伸ばす!
ある程度の利益が出た時にポジション総数の半分だけ利確してしまい、残りの半分を建値や決めた値にストップを入れて保有を継続する方法です。
これも使っている人は多いようです。
この方法はトレンドを追いかける時には有効なのですが、保有していた半分のポジションが建値や自分の決めた値まで戻ってしまい決済になることも多くなります。
私も使っていた時期があるのですが、自分のデータを数多く検証してみると、一括で決済していた方が利益が多いという結果が出たために、今は一切使っていません。
プラスになったら利確する!
いやいや、これはダメです。
要はチキン利食いのことですね。利食い千人力なんて格言もありますが、なんの根拠もない利確を繰り返していては永遠に勝ち組にはなれません。
利益を伸ばせる人は凄いと思う!
私は本当に利益を伸ばすのが下手というか、伸ばすことができない性格です。
一度乗った利益が減るのが嫌なんですね。そのため、今使っている手法は利益を伸ばさなくても勝てるようになっています。もちろん、伸ばせればその分大きく利益が出せることになります。
これはやはり個人的なメンタル的なものだと思います。
私と同じトレード手法を使っている会員の中には、私が12pipsで利確したエントリーと同じところでエントリーしても20pipsとか30pipsをしっかり取っている方も結構います。
素直にすごいと思います。
また、スイングトレードをしている人の話を聞けば、50pips利益が乗って20pipsまで減ったけど最終的には1円取れたとか、一時期は2円引かされたけど1円儲かったとか・・・ちょっと私のメンタルでは考えられない世界です。
私の場合でも、通貨数を落として指値と逆指値を入れてほったらかしにしておけば耐えられそうですが、通貨数を上げて今の決済方法の方が性格的にあっていますし、リスクも低く利益も最大化できているのであまり利益を伸ばそうとはしていません。
様々な条件がそろって自信をもって利益を伸ばせるパターンだと判断できた時だけ利益を伸ばすようにしています。
利益の確定にもメンタル的なものや性格も大きく関わってくるということだと思います。
利益が何倍にもなる利確タイミングとは?
最初に、万人に共通して利益が何倍にもなるタイミングは見つけられません。
それは、スイングトレードだったりデイトレードだったりスキャルピングだったりと手法も違うし、トレードルールによっての損切りのタイミングも違うためです。
ただ、あなたが使っているトレード手法、トレードルールだけに合った利益を何倍にも増やせるタイミングというものは存在します。
その見つけ方をお教えします。
ただし、利確ポイントを数値で決める方法になりますから、手法によってはできるできないがあります。
まずは自分のトレード履歴の中で、利益を確定させた直近の200トレードを抽出します。その200トレードをチャートでチェックして、もし、そこで利確しないで持っていたとしたら、最大で何pips取れていたのかをデータとして記録します。
そして、200トレード分のデータが完成したら最大利益の平均を出します。
次に、最大利益の平均まで持っていたとしたら、そのトレードでは平均値まで取れていたのか、それとも平均値まで利益が伸びずに建値まで戻っていたのかをチェックし記録します。
建値に戻っていたトレードの利益をゼロとし、平均値まで伸びたトレードは平均値として、トータルでいくらの利益が出ていたのか200トレードを合算します。
そして、今算出した総利益と、元々の総利益を比べてみます。平均値まで利益を伸ばしていた場合の方がトータル利益が大きかった場合、その200トレードでは利益を伸ばしていた方が良かったという結論が出ます。
ここからが本番です。
今チェックした200トレードで、利確の最小値が10pips、最大値が100pipsで平均50pipsと仮定した場合、次に60pipsの場合はどうなるかをチェックしていきます。
次は70pips、80pips、90pipsと全部チェックしていって、利益が最大化するpipsを見つけていく作業をします。もちろん60pipsと70pipsの間だと想定できた場合は65pipsでもチェックしてみて最大値を見つけていきます。
ここで見つかった最大値のpips数が、あなたの手法での過去の最善の利確数値になります。ただし、過去データでの検証結果ですから、次はリアルでの検証に移ります。
今まで通りの利確方法で利確を繰り返しながら、上記で算出した最大値まで持っていた場合はどうなったのかをチェックして毎トレード記録していきます。
リアルトレードでも200トレードほど検証してみて、過去検証と同様の結果が出るようなら実戦で使っていってもいいと思います。もちろん、相場状況によって良い結果、悪い結果に偏ることもあると思いますから、継続した検証作業も大切になります。
通常のトレード中に利益を伸ばすためには?
トレードルールで決まった利確ポイントで利益を確定させずに、さらに大きな利益を狙うにはどうしたらいいのでしょうか?
なんの考えもなしに利確ポイントで利確しないで保持したら、そのまま利益が伸びる可能性はありますが、建値方向に戻ってきて利益が減ってしまう可能性もあります。
そのため、利益を伸ばす判断をする場合には根拠のある指標が必要になります。
利益を伸ばす判断をする根拠となる指標は使っている利確ルールによっても変わってきますが、テクニカル的に利確ポイントを決めている場合の例を挙げてみます。
例えば、20MAを使って利確ポイントを決めている場合、少し上の25MAに変えて利確ポイントを決めてみます。通常であれば少し大きな利確ポイントになるはずです。
もっと伸ばそうと考えるのであれば50MAなどに変えて判断します。
例えば、ボリンジャーバンドの2σを利確ポイントと決めている利確ルールの場合、通常の期間が20であれば30に変えてみます。もしくは偏差を2から2.5などに変更してみます。
このようにパラメーターを若干大きくするだけで利確目標を大きくすることができることになります。
ただ、適当にパラメーターを変更してしまえば、トレード手法本来の優位性を損なってしまう可能性が出てきてしまうので気をつけなければなりません。
そのため、すべての利確ポイントを変更してしまうのではなく、基準のテクニカルと併用してチャートに表示させて、利益を伸ばすパターンを使うか使わないかの判断をする必要が出てきます。
また、その利益を伸ばす判断をした場合の成功率はどのくらいあるのか、過去データでの検証とリアルタイム検証で必ずチェックするようにしましょう。
FXの利確ポイント!利益が何倍にもなる利確タイミングとは? まとめ
利益確定に100%の答えはありませんし、全部のトレードで満足のできる利確も不可能だと思います。それでも、できるだけ利益を伸ばす方向で考えることができればトータル利益は大きくなることになります。
また、トレード手法、性格(メンタル)にあった利益確定のポイントもあるはずですし、その利益確定のタイミングを良い方向へ合わせることができるなら最高です。
色々な利確方法を試してみて、一番いい利確ポイントを見つけることができればトータル収支は飛躍的に向上するはずですから妥協せずに取り組んでいってください。