FXで負ける理由、勝てない理由はたくさんあるのですが、その中の一つ、「全部のトレードで勝ちたいから」という感情について考えてみます。
私自身もできることなら全部のトレードで勝ちたいと思っていますが、なぜ、その思いが強くなってしまうと負けてしまう、トータルで勝てなくなってしまうのでしょうか?
そして、どうしたら全部のトレードで勝ちたいと思わなくなるのでしょうか?
目次
生き物のように動く相場は予測できない!
一方的に上昇していく相場やどんどん下落していく相場もあれば、上に行ったり下に行ったり上下動する相場もあります。上下横に予測不能の動きをするチャートの先を誰も完全に予測することは不可能です。
その完全に予測不可能なものを頑張って予想して、全部のトレードで当てようと思うのがそもそもの間違いになり負ける理由になります。
上がるか下がるかを完全に当てようと思って様々なテクニカルを入れたり、ファンダメンタルズを思考したり、ニュースやブログを読んで研究したとしても100%の予測は不可能なのです。
FXではチャートの値動きの完全な予測は不可能なのですから、優位性、エントリーした方向が当たる確率を1%でも高くしていくことが大切になります。
勝率100%は不可能なのか?
全部のトレードで勝とうと思うのが負ける理由と書いていますが、国がなくなるようなリスクを除けば、勝率100%で勝てるトレード手法も多数存在しています。要は全部のトレードで勝てるという意味です。
私もパッと思い浮かべるだけでも2つのトレード手法を知っていますし、実は一つの手法は以前使っていました。
しかし、勝率を100%にするためには資金効率が重要で極端に下げる必要も出てきますから、ある程度大きな余裕資金がないと満足いく利益は出せないことになります。
もし、費用対効果が高い勝率100%の手法があるとすれば、FX業者は倒産の嵐になってしまうと思いますから、特殊な手法を使ったとして口座凍結の可能性も高くなってしまうことになります。
また、もしあったとしても世間一般には出回ることはないでしょう。
全部のトレードで勝ちたいと思うとどうなるか?
全部のトレードで勝ちたくて、そのトレードで負けたくない思いが強くなってしまうと、少し利益が乗れば、それが3pipsでも5pipsでも利確したくなってしまいます。
要は薄利決済、チキン利食いしてしまうのです。
1pipsでも2pipsでも利確してしまえば勝ちは勝ちですが、そんな薄利決済してばかりいたらトータルで勝てるはずがありません。
逆に引かされて損失が出てきたとしても、負けたくない思いが強いと損切りしたくなくなってしまいます。
損切りしなければならないポイントで損切りしないということは、大きなマイナス、強制ロスカットの可能性まで出てくることになりますから、トータルで勝てるはずがないことになります。
これはもう、完全にプロスペクト理論の罠にはまっています。
プロスペクト理論の記事でも書きましたが、この勝ちたい、負けたくないという思いが強くなればなるほどFXで安定的に勝ち続けることは難しくなり、トータルでは確実に負けてしまうことになります。
だから全部のトレードで勝ちたいという気持ちは絶対に持たないようにトレードしていくことが大切になってきます。
私も全部のトレードで勝とうと思って大失敗の連続!
私はFXを始めた当初、本当に負けたくない気持ちが強くて、1pipsのマイナスでも許せない時期がありました。それでどうなったかと言えば、ポジションを作って少しでももみ合ってしまえば1pipsでも2pipsでも利確してしまう。
ちょっと引かされれば、1pipsでも損切りするのが嫌で、絶対に建値以上に戻るまで待ってしまいました。
誰が考えても最悪のパターンですよね?
利確は1pipsとか2pipsで、損切りはしないで建値に戻るまでずっと待つわけですから、ポジションが逆行して大きく引かされてしまえば強制ロスカットもあり得るわけです。
でも、大きな時間軸でレンジ推移の時期だと、引かされて大きくマイナスになっても建値に戻ることも多く、こんな無謀なトレードを繰り返していても結構な利益が積み重なってきてしまいます。
すると調子に乗って繰り返してしまう・・・勝っているのに未来の破滅待ちです。
あとは、自分が作ったポジションの価格がレジスタンスになったりサポートになったりしてしまうことが多く、建値に戻る寸前で反転なんて経験も多いです。
みなさんも同じような経験はありませんか?
これ、本当に不思議でしたが、自分の勝てる手法が完成してみると原因がすぐにわかりました。ポジションを持った値付近がレジスタンスになったりサポートになったりするということは、エントリー位置が完全に間違っているということ。
そして、トレンドフォローで勝っているトレーダーたちからすれば、素人の初心者がエントリーする位置は利食いポイントだったりすることも多くあり、そのライン寸前で反転してしまうことも多かったのです。
だから、買いポジションを持った瞬間に反転して値が下がるとか、売りポジションを持った瞬間に値が上がっていくなんて経験が多い人は、エントリーポイントが完全に間違っている可能性が高いことになります。
また、そのトレードルール自体に問題があったり、優位性のないトレード手法でトレードをしてしまっている可能性も高くなります。
誤差を許容する気持ちも大事!
誤差を許容すると言われても意味が分からないかもしれませんが言葉の通りです。
私は、この誤差を許容することができるようになって、専業トレーダーとして一皮むけた気がしました。
どういう意味かと言えば、利確でも損切りでも建値決済でも、多少の誤差は気にしないということです。
実はこの誤差を許容するという考え方は、名前は忘れてしまいましたが読んだ本の中に書かれていた、たった1行の文章から影響を受けたのです。
「引かされたポジションが建値に戻る可能性もあるが、ここで決済しても10pipsのマイナスで済む。10pipsなんて誤差の範囲だから決済してしまおう」
私は、この文章を読んで「えっ、10pipsが誤差の範囲」と衝撃を受けました。
1pipsでも2pipsでも負けるのが嫌だった私からすれば、10pipsが誤差なんてありえない話でしたし、この本の著者を「馬鹿じゃない」とも思ってしまいました。
でも、しばらくたってからですが、この文章を思い出して誤差という考え方をすれば数pipsなんて気にしなくてもいいのかもと考えることができました。
この方はデイトレーダーでしたから、1分足の私なら3pipsくらいなら誤差として許容できるかもと思ったのです。
- 3pipsでも負けたくない ⇒ 3pipsなんて誤差だから気にしない
- 3pipsで利確したい ⇒ 3pipsなんて誤差だから取っても仕方ない
- 建値まで待つ ⇒ 数pipsは誤差だから建値近くなったら決済しちゃおう
この考え方ができるようになって、数pipsの損切りなんて平気になったし、数pipsの利益でチキン利食いもしなくなりました。
トータルで勝つことを常に意識する!
FXで負ける理由の一つが全部のトレードで勝とうとするからなら、全部のトレードで勝とうと思わずに、トータルで勝つということを強く意識すればいいのです。
勝って勝って勝って勝って・・・ではなく、勝って負けて勝って負けてと勝ち負けを繰り返しながら、1日トータル、1週間トータル、1ヶ月トータルでのプラス収支を目指します。
トータルで勝つという意識ができて、1回1回のトレードに執着しないようになれれば、損切りは当たり前の行為になってきます。
当たり前に利確して当たり前に損切りする。6勝4敗でトータルプラス、5勝5敗でもトータルプラス、4勝6敗だたっとしても十分にトータルでプラス、これができるようになれば安定して勝てるようになってきます。
というか、この考え方ができないと勝ち組になるのは難しいのかもしれません。
損切りは喜んでする!
私は注文ボタンをクリックするのと同時に損切りする位置を決めています。だから、エントリーした後は利益が乗っていくのか、決めた損切りポイントにくるのか、ただ見ているだけです。
もちろん、利益が乗っていけば嬉しいし、損切りポイントに近づいて来れば「上がれ」「下がれ」という気持ちは出てきます。それでも、損切りポイントに到達すれば感情的にならずに潔く損切りします。
逆に、ここでエントリーすれば損切りがたったの5pipsで済むからエントリーしようと考えるパターンもあります。
損切りを喜んでするといえば語弊がありますし、できれば損切りしたくないのが本音ですが、損切りした分以上に利確があるのがわかっているために損切りを躊躇することはありません。
同じトレードを続けていればトータルで勝てるということがわかっているからです。
FXで負ける理由!全部のトレードで勝ちたいと思うから! まとめ
負けたくない、全部のトレードで勝ちたいと思うのが人間の心理です。しかし、この考えを持っている限り安定して勝ち続けていくのは不可能です。
負ける理由を消してしまえば必然的に勝てるようになる確率は上昇するはずですから、全部のトレードで勝とうとは思わずに、トータルで勝つという意識を強く持ってトレードしていくことによって勝ち組に近づいていけるはずです。
負けたくない、全部のトレードで勝ちたいという気持ちの強い方は、1回1回のトレードで一喜一憂せずにトータルで勝つということを本気で考えていきましょう。