「MAXさんの勝率はどのくらいですか?」とよく聞かれます。
「私の勝率は長期間を平均すれば6割(60%)前後になっています・・・」
と答えると「たいしたことないですね」と言われたことがあります。
最近は誇大広告が蔓延している影響もあって、勝率8割や9割を求める人が増えているようです。
しかし、長期間を平均して8割や9割の勝率は誰でも実現できるものではありません。実現できるとすれば特殊な手法の可能性が高いです。
そして、いくら勝率が高くて8割や9割だったとしても、肝心の利益、儲けが出なければFXをする意味がありません。
FXで利益を出していくうえで勝率は大切なものですが、勝率にこだわり過ぎてしまうと手間ばかりかかってさっぱり儲からなかったり、勝率が9割もあるのにトータルではマイナスになってしまう可能性さえあるのです。
勝率の考え方をしっかり覚えて、一時的ではなく安定して利益を出すトレードができるようになっていきましょう!
目次
FXの勝率とは?
FXで言うところの勝率は以下の計算式で算出できます。
勝率(%) = 勝ちトレード ÷(勝ちトレード+負けトレード)×100
※引き分けは除外します。
例えば100回トレードをしたとして
勝ちトレードが60回
負けトレードが40回
引き分けはなし
上記の場合は 60÷(60+40)×100=60
勝率は60%、6割になります。
勝率は長期間の平均でなければ意味がない
勝率は1日、1週間、1ヶ月、1年、様々な状況で使われることがあります。
今日は勝率100%だった・・・1回しかトレードしてないけど
これではまったく意味がありません。
今週は10回トレードして勝率90%
これもほとんど意味がありません。
今月は20回トレードして勝率60%
これも自分で検証してデータを取る分には良いと思いますが、ほとんど意味のないデータです。
FXの勝率は長期間分のデータから算出しないと意味がないのです。
- スイングトレードなら3年分
- デイトレードなら1年分
- スキャルピングなら1000トレード以上
この程度のデータの集計であれば信頼できる勝率と言っていいと思います。信頼できる勝率とは、未来も同程度の勝率が期待できる勝率という意味です。
元々のデータ母数が少なければ、今日は勝率100%、昨日は10%だった・・・みたいな偏りのあるデータになってしまうので意味がないのです。
短期間の集計では、今日は勝率80%だったから明日も勝率80%、というわけにはいかないということです。
これが3000トレードの平均で勝率6割、60%であれば、明日以降も勝率60%を期待してもいいことになります。
FXでは勝率が高い手法が儲かるとは限らない!
リスクリワードという言葉を聞いたことがあると思います。1回の取引における損失と利益のことで、通常は「損失:利益」で表されます。
単純に1回のトレードで考えて、損切りが20pips、利確が40pipsがルールであればリスクリワードは「20:40」=「1:2」になります。
このリスクリワードを過去のデータの平均比率で表したのがリスクリワードレシオで、「勝ちトレードの平均利益÷負けトレードの平均損失」で算出します。
例えば、勝ちトレードの平均利益が20pips、負けトレードの平均損失が10pipsであれば「20÷10=2」になります。
リスクリワードレシオが2であればかなり優秀と言えます。
FXで利益を出していくためには、勝率だけでなくリスクリワードレシオも大切な項目です。いくら勝率が高かったとしてもリスクリワードレシオが低ければトータルではマイナス、資金は減ってしまうためです。
スプレッドなどを考慮しなければ、勝率50%でリスクリワードレシオ1.0でチャラ、イーブンになります。
勝率80%であればリスクリワードレシオ0.25が損益分岐ポイントになるということです。
このように、いくら勝率が高かったとしてもリスクリワードレシオで損益分岐点を平均的に超えていないとトータルで利益は残らないことになります。
勝率を上げるには?
単純に勝率を上げるだけなら、今現在の損切り幅よりも損切り幅を大きく設定してしまえば必ず勝率はアップします。
損切りしなければ勝率は100%も可能になります。
損切りしない戦略では、決済までに数日、数週間、数年、もしかしたら数十年かかる可能性もありますが、ポジションを作るたびに損切りしないで建値以上になるまで持ち続けていれば勝率100%が実現できます。
しかし、100pips、1000pipsと引かされる可能性もあるためによほどの資金力がなければ現実的には不可能な戦略と言えます。
また、単純に損切り幅を広げると勝率はアップしますがリスクリワードレシオは必ず下がってしまいますから、トータル利益は減ってしまうことの方が多くなります。
せっかく勝率が上がったとしてもトータル利益が減ってしまっては元も子もないわけなので有効的な勝率の上げ方をしていかなければならないことになります。
有効的に勝率を上げていく方法を考えてみます。
例えば20pips程度のレンジチャートを考えてみます。
1分足のトレンドフォロー系の手法で、10pipsの利確目標、10pipsで損切り。単純にこんなルールだったとしたら、利確まで届かずに損切りが増えるために必ず勝率は下がります。
これを30pipsの利確目標、30pipsで損切り。こんなルールに変更すると、利確にも届きませんが損切りにもならないのでポジション保持が続くことになります。そのため、1回のトレード時間が長くなることになるので勝率はアップすることになります。
このように利確幅と損切り幅を同時に大きくすると勝率自体は上がることになるのですが、リスクリワードレシオが問題になります。
データからリスクリワードレシオが損益分岐点以上を保っていられるようであれば、利確幅と損切り幅を大きくしても利益を残せることになるので、この勝率アップ戦略は成功と言えます。
でも、一番良い勝率アップの方法は、現在使っている手法、トレードルールをブラッシュアップしていくか、裁量の技術を磨いていくことです。
今現在の勝率平均を1%アップさせるだけでもリスクリワードレシオが一緒であればトータル利益は大きくなることになります。
- 無駄なエントリーはしない
- レンジでは様子見に徹する
- トレード時間を増やす
- 得意パターンを見つける
- 通貨ペアの癖を考慮する
などなど、勝率をアップさせていくために考えられることはたくさんありますから、1%でも勝率をアップさせていく努力を惜しまないようにしましょう。
勝率は気にしない?
FXではトータルでいくら利益が出せるのかが一番大事なのですから、勝率が3割、30%しかなかったとしても、月に400pipsのプラスになるのであれば万々歳ではないでしょうか?
実際、私のMAPSPでは、狭いレンジを考慮しないで機械的にトレードすると、約6000トレードの平均勝率は55%ほどになっています。
利益は平均して毎月500pips以上残っていますから優秀です。
若干の裁量で狭いレンジで様子見したり、ボラがまったくない時にトレードしないだけでも勝率は上がりますから勝率アップも難しくありません。
ただ、勝率を気にしないと言っても、あまりにも低すぎるのには問題があります。
勝率1割、2割とかでも勝っているトレーダーはいますし、勝てる手法、トレードルールも存在します。
でも、勝率1割で勝てる手法があったとして、誰でも使えるかというと、資金的な問題とメンタル的な問題がでてきます。
勝率1割では20連敗も十分にあり得ます。20連敗に耐えられる資金力、資金管理ができなければ手法が成り立ちません。
また、20連敗に耐えられるメンタルがないとトレードが続けられないことになってしまいます。
そのため、いくらトータルで勝てると言っても、あまりにも低い勝率ではほとんどの人が途中で挫折してしまいます。
やはり、勝率4割以上はほしいところです。勝率4割であればリスクリワードレシオの損益分岐点は1.5ですから十分に可能な範囲です。
勝率5割であればリスクリワードレシオの損益分岐点は1なのですから難しくないことになります。
勝率は高ければ高いほどいいのは間違いありませんが、勝率ばかりを追い求めてしまうとリスクリワードレシオが疎かになる可能性があります。
ほどほどの勝率、ほどほどのリスクリワードレシオにしておいて、トレード回数でトータル利益を大きくしていくことがローリスクで利益を出していきやすいとも言えます。
FX勝率6割が理想!勝率が高い手法が儲かるとは限らない!まとめ
FXでは利益を出すこと、儲けることが目的なのですから、勝率にこだわるのではなく、適度な勝率で最大限に利益が残るように考えていくことが大切になります。
私個人的には、勝率もリスクリワードレシオも高望みしないで、リスクリワードレシオを1.5前後に保ちながら勝率6割を目指すのが理想的だと考えています。
勝率6割であれば現実的に実現可能な目標ですし、メンタル的な負荷も大きくならないのでトレードも継続しやすいためです。
勝率が高い手法が儲かるとは限らないのですから、勝率を追い求めるのではなく、少しでもトータル利益を大きくしていくことを考えましょう!