FXではトータルで勝つ考え方が大切なのは多くの方が分かっていると思います。そして、トータルで勝つ考え方がしっかりできていないと安定して勝ち続けることができないのもFXです。
しかし、このトータルで勝つというトータルする期間は、1週間なのか1ヶ月なのか1年なのか、それともトレード数なのか、目標として決まっていない人も多くいます。
- FXで勝ちたい
- トータルで儲かればいい
- 勝っていればいい
こんな感じでトータルを集計する基準が決まっていなければ曖昧な考え方になってしまい、頭では分かっているけど実現できないということにもつながります。
トータルで勝つ考え方がなぜ大切なのか、どうやってトータルで勝っていくのかについて詳しく考えてみます。
目次
なぜトータルで勝つ考え方が大切なのか?
勝率100%の手法はない(特殊なものを除き)のですから、どこかで必ず損切りしてマイナスになる時があります。
まずはこれを理解しましょう。
勝率が60%なら、10回のうち4回は損切りです。4回の損切りのトータルよりも6回の利確のトータルの方が大きければ、トータルで利益は残ることになります。
当たり前だと思うかもしれませんが、このことを心の底から理解できていないとFXで勝ち続けていくのは不可能です。
例えば勝率60%の手法で100回のトレードをしたとします。
勝率60%で100回ですから、100回のトレード後には60勝40敗になっているはずです(あくまで理論上)。
大きく見て60勝40敗のトータルで200pipsも利益が残っていれば、デイトレードなどの短期間トレードなら優秀な手法と言えると思います。
しかし、この勝ち負けがいつも均等に出現するとは限りません。3勝2敗を20回繰り返してくれれば最高と言えますが、相場状況によっては10連勝や10連敗も稀に出現してくるかもしれません。
6連敗して、「これはだめだ!」と思ってトレードをやめたら9連勝して勝率60%になる可能性もあるのです。
6連敗でトレードをやめてしまった人は、トータルで勝つという考え方ができていなかったことになります。
トータルで勝つという考え方ができていれば、「100回トレードすれば60勝して利益は残るはずだから6連敗しても関係ない」と淡々とトレードを繰り返すことができたはずです。
そして、トータルで大きな利益を残すことができることになります。
これはトレード回数のトータルで考えていますが、実際にはトレードの回数よりも1週間や1ヶ月のトータル収支で考えていった方が現実的ですし取り組みやすくなります。
このように、FXで勝ち続けて資金を増やしていくにはトータルで勝つと言う考え方が絶対に必要なのです。
トータルで勝つという考え方は使用している手法でも変わる!
10年間のトータルで勝てればいいや・・・なんて人は多分いないと思います。
今年大負けしても来年大勝ちすればいいなんて考えられる人はFXをしていないと思いますし、ここを読んでもいないはずです。
気持ちだけを考えれば、私も含めてほとんどの人は毎日勝ちたいはずですし、全部のトレードでも勝ちたいと考えているはずです。
しかし、勝率やリスクリワードは、ある程度のトレード回数がないとムラが出てしまい短期間では平均に収束しないのです。
勝率70%の手法でも稀に10連敗してしまうのはそのためです。
ということは、使う手法の時間軸によってもトータルで勝つという考え方は変わってくることになります。
例えば日足を使ったスイングトレードを考えてみます。
手法にもよるかもしれませんがトレード回数は1週間で2回程度、1ヶ月間で8回程度が平均的でしょうか?
1年間だと100回弱くらいのトレード回数です。
100回程度のトレード回数では母数が足りずに平均に収束できない場合も多いので、1年間のトータルで勝つという考え方には無理があるかもしれません。
そのため、3年間のトータルで勝つという考え方に変える必要がありそうです。300回程度のトレード回数があればある程度は平均化してくるはずだからです。
しかし、相場状況が悪ければトータルで負ける時も出てくるはずなので、3年間頑張ってトレードしてトータルでマイナスになることもあると考えると、日足のスイングトレードで週2回のトレードと言うのは一般人向きではないことが分かります。
次に5分足や15分足のでデイトレードを考えてみます。
1日に2回ほどトレードしたと仮定すると1週間で10回、1ヶ月で40回程度のトレード回数です。
やはり、40回ではトータルで考えるにはトレード回数が少なすぎるので、半年間で240回程度のトレード回数は必要になりそうです。
デイトレードで1日1~2回のトレード回数の方が、今月は負けてしまった・・・なんて話をしているのを聞いたことがあるのですが、デイトレードで1ヶ月単位では相場状況によって手法の優位性が発揮できない場合もあるので、勝てない月があっても当たり前なのかもしれません。
次に1分足でのトレードを考えてみます。
私の手法はデイトレード寄りの1分足手法になりますが、月に4~600回程度のトレードが可能です。平均月500回とすればトータルで勝つための母数としては十分と言えます。
このようにトータルでの収支を考えた場合には、ある程度のトレード回数がないと収支が安定しないことがわかります。
1分足、5分足の短期トレードがお勧めの理由
今ここを訪れている半数以上の方が兼業トレーダーだと思います。
仕事を頑張ってきて帰って数時間しかトレード時間がとれないなら、スイングトレードでトレード回数を重ねるのには無理がありますから、トータル収支が安定するまでには時間がかかってしまうことになります。
トータルでの収支が安定するまでに時間がかかるということは、ドローダウン、トータルでマイナスの状態の期間が結構長く続いてしまう可能性もあるということになります。
そのため、ある程度のトレード回数が確保できる1分足、5分足でのトレードを私はお勧めしています。
手法にもよりますが、1分足や5分足のトレードで複数通貨ペアを監視すれば、帰宅後の数時間でもエントリーチャンスは十分なほど出現します。
エントリーチャンスが多いと言うことは収支が安定するのも早くなりますし、ポジポジ病気味の方も満足できると思います。
特に1分足手法ならエントリーチャンスが多いことがメリットとなり、手法の優位性を発揮できるまでにかかる時間が短いことになります。
簡単にどんなことかと言えば、勝率6割、リスクリワードレシオが2の場合を考えてみます。
勝率6割とは平均すれば10回トレードして6勝4敗です。
リスクリワードレシオが2とは、損失の平均と利益の平均が1:2ということです。
勝率6割でリスクリワードレシオが2ということは、1分足トレードの例で考えると勝ちトレードの平均が10pips、負けトレードの平均が5pipsと仮定した場合
10×6=60pipsの獲得
5×4=20pipsの損失
10回トレードすると差し引きで40pipsの利益が残るということになります。
1日に10回程度のトレード回数は十分に確保できるとすれば、1ヶ月20日間として月に800pipsの利益が出せる計算です。
これを日足のスイングトレードに置き換えてみます。
同じ勝率6割でリスクリワードレシオが2ですが、スイングトレードですから勝ちトレードの平均が200pips、負けトレードの平均が100pipsと仮定します。
200×6=1200pipsの獲得
100×4=400pipsの損失
10回トレードすると差し引きで800pipsの利益が残るということになります。
1週間に1回のエントリーチャンスと仮定すれば約2ヶ月半で10回トレードできる計算です。
このように同じ800pipsの利益を出すのに1分足なら1ヶ月、スイングトレードなら2ヶ月半かかることになります。
また、1分足では1ヶ月間で200回のトレードをしているのに対して、スイングトレードでは2ヶ月半で10回しかトレードしていないことになるので、どちらの方が収支が安定するのか、ブレにくくなるのかは明らかです。
トータルで考える期間は徐々に小さくする!
トータルで勝っていくことを考える場合、いきなり毎日勝ち続けていこうと考えるのには無理があります。
相場状況は毎日変わりますし、ボラティリティも変わりますから、勝つのが難しい日も出てきてしまうためです。
そのため、まずは1ヶ月間のトータルでプラスを目指しましょう。
1ヶ月間のトータルでプラス収支が実現できたら、次に1週間でプラス収支が毎週安定するように頑張っていきます。
1週間の収支が毎週安定してきたら毎日プラス収支を目指します。
毎日勝ち続けるのはなかなか難しいものですが、負けてしまう日があったとしても毎週トータルで勝つのは現実的で十分に可能です。
逆に毎週のトータルで安定して勝てるようにならないと1ヶ月間のトータル収支も安定してこないことになります。
1回1回のトレードの勝ち負けに一喜一憂しない、1日単位で見て負ける日があったとしても一喜一憂しないことが大切です。
そして、トレード手法やトレードする時間軸にもよりますが、まずは1ヶ月でトータルプラスを目指し、そこから徐々にトータルで勝ちを目指す期間を短くしていくことをお勧めします。
トータルで勝つための大切な考え方とは?
トータルで勝つということは、マイナスが先行したとしても継続して同じトレードができるメンタル、トレードを継続できる余裕のある資金管理が大切になります。
損切りが連続してしまい熱くなってトレードルールを守ったトレードができなくなれば手法の優位性が発揮されずにトータルで勝てません。
損切りが連続してしまいトレード資金が減ってきて同じロットでトレードできなくなってしまえばトータルで勝てないことになるかもしれません。
トータルで勝っていくためには、手法はもちろんですがメンタルと資金管理も重要なことだと考えておきましょう。
トレードは必ず記録することが大切!
自分のトレードを記録していますか?
FX会社のプラットフォームで総資金が分かるから記録なんてしていないという人もかなりの数いるようですが、自分のトレードは記録しておくことが大切です。
確かにプラットフォームを見れば現在の総資金は一目瞭然ですし、月単位とか週単位での収支を表示させることも簡単です。
しかし、その資金はどうやって増えたものなのか減ったものなのか、どういったトレードで増減したものなのかがさっぱりわかりません。
ということは勝率もリスクリワードもわかりませんし、良いトレードだったのか、ダメなトレードだったのかもわからないので、後日検証することもできないことになります。
やはり、自分のトレードはすべてエクセルなどに記録しておき、1ヶ月に1回でもいいのでトレードを検証し、記録を集計してみることをお勧めします。
- 1ヶ月間で何回トレードしたのか
- 1日平均何トレードしたのか
- トータル損益(pips)
- トータル損益(円)
- 何勝何敗何分け
- 月での勝率
- リスクリワード
1ヶ月間のデータで上記の集計をしてみてください。
そして、毎月同じ集計をして比べてみることでわかってくることがたくさんあります。突然勝率が下がったり、トータル利益が減ったりすれば、その原因をトレード記録から探っていくことも可能です。
FXトータルで勝つ考え方が大切!月トータルで勝てると収支が安定 まとめ
FXではトータルで勝つという考え方がいかに大切なことなのか分かっていただけたと思います。
トータルで勝つという考え方ができないと、1回1回のトレード単位や1日単位の収支で一喜一憂してしまい、メンタルや資金管理にも影響を与えかねません。
1ヶ月間のトータルで勝てばいい、1ヶ月間のトータルで200pipsの利益が残ればいい、こんな考え方ができるようになれば、多少のドローダウンがあったとしてもメンタルに負荷もかからずに淡々とトレードを継続していけることになります。
トータルで勝っていく意識をもってトレードに取り組んでいきましょう。