FXでは資金管理が重要と言われています。
2%ルール、レバレッジ管理、ポジションサイズ、リスクコントロール、損失限度額、バルサラの破産確率・・・などなど、資金管理の中でも重要な考え方がたくさんあります。
しかし、実はそんなに難しく考える必要はないんです。
FX資金が数百万くらいまでの一般トレーダーであれば、破産しない資金管理、トータルで負けにくい資金管理、トータルで利益を増やしやすい資金管理だけ覚えればOKです。
FXで勝ち続けている人が、どんな考え方で、どんな資金管理をしているのか詳細に説明していきます。
目次
FXで勝ち続けるために大切な3つのこと
FXでは資金管理、メンタル、手法の3つが揃って初めて安定して勝ち続けられるようになります。
多くの方は手法が一番だと思っていて、数多くのFX商材を買ってしまい聖杯探しに迷い込んでいますが、実は一番重要なのはメンタル、次に重要なのが資金管理、三番目がトレード手法だと私は考えています。
数多くの方々と接していると
- 勝てる手法を持っていてもメンタルがダメで勝てない
- 勝てる手法を持っていても資金管理が適当で勝てない
- メンタルも手法も揃っているけど資金管理ができなくて勝てない。
- 資金管理なんて考えたこともない
こんな方々が多いようです。
資金管理がしっかりできていると、トータルでの大負けは回避できますし、ちょい勝ちが大きな勝ちに変わる可能性もあります。
優位性のあるトレード手法を使うことは大切ですし、そのトレード手法を十分に活かせるメンタルも重要ですが、資金管理も重要なことだと再意識しましょう。
メンタルに関しては以下で詳しく説明しています。
なぜ、資金管理が最重要なのか?
FX資金10万円の人が1ヶ月で30万円の利益を狙っています。既にこれ自体が無謀なことなのですが、FXでは可能に思えてきてしまうから不思議です。
ハイレバレッジで10万通貨でトレード。30万円の利益ということは10万通貨であれば300pips(クロス円の場合)取ればいいだけです。
1ヶ月で300pipsということは1日たったの15pips。
1日15pipsなら簡単に取れそうだと思いませんか??
実はこれがFXの落とし穴でもあります。
1日15pips平均でいいなら十分に可能な獲得目標ですが、10万円の資金で10万通貨のトレードをしていくという考え方が無謀なのです。
例えば、ハイレバレッジ1000倍なんて海外口座を使用すれば、ポンド円の10万通貨の証拠金は2000円未満なので、資金のほとんどを有効証拠金として使うことができます。
余裕は強制ロスカットまで100pips弱ある計算です。
「100pipsもあるなら余裕じゃん!」
という方も多くいそうなのですが、実際にトレードをしてみれば、10pips引かされただけでマイナス1万円。資金の1/10がマイナスになってしまいます。
トレード手法によっては20pips損切りなんて場合もありますからマイナス2万円。1回の損切りで総資金の20%を失ってしまうことになります。
4連続で損切りしてしまうと証拠金の割合から考えて5トレード目はできないことになります。
こういった無謀な資金管理(資金管理とは言えないですが)がメンタルに大きな負荷を与えてしまうことで思い通りのトレードができずに負けてしまいます。
結果、資金のほとんどを失ってしまうことになります。
自分がFXで使える総資金はどのくらいあるのかは誰でもすぐにわかると思いますが、その資金をどう使って利益を出していくのかを計画的に考えている人は少ないです。
あなたの平均勝率、平均利益率から最適なロット数を割り出して機械的にトレードしていくことで目標を達成できるトレードができることになります。
損失2%ルールは意味がない?
1回のトレードの損失額を総資金の2%以内にするというのが2%ルールです。
多くの書籍でも書かれていますし、ネットでもよく言われていることなので知っている人も多いと思います。
しかし、これは一般のトレーダーにしてみると知識として簡単に理解していればいいくらいの情報です。
神話的に2%と言われている感じもありますし、そもそも、損切りを数値で決めるのもチャートの流れに沿いません。また、資金量やトレード手法によって2%ルールが当てはまらない人も多いはずです。
また、証拠金を無視すれば50連敗しない限り資金をすべて失うことがないと言われても、そもそも50連敗するような手法、資金管理ではFXで勝ち続けることは不可能だからです。
そのため、自分に合った損失限度ルールを決めることが大切になります。
自分の勝率はどのくらいで最大連敗数はどのくらいなのか?それによって失う最大の損失はいくら程度なのかを計算し、そこから最適な1回の損失額を割り出すのが正解になるということです。
ただ、資金が大きくなってきて、適正なレバレッジでトレードをしている場合には2%ルールが十分に活きてくることになりますから覚えておきましょう。
バルサラの破産確率は意味がない?
バルサラの破産確率は有名ですから聞いたことがある人も多いと思います。
1回のトレードの損失割合に対しての損益率と勝率で計算した破産確率表のことです。簡単に書くと1回のトレードで○○円損すると仮定して、勝率が○○%の場合には利益率が○○以上でないと破産してしまいますよということです。
私はバルサラの破産確率も知識として知っていれば十分で、実践トレードでは活用しなくていいと考えています。
FXを何年も継続していて自分のトレードをすべて記録して集計している人ならば、調子の悪い時の心の拠り所的には良いかもしれません。
しかし、FXを始めて1年とかのトレーダーだと、平均を出せるまでのトレード数自体が少ないために、ある程度でも正確な数字が出せないからです。
また、自分のトレードを記録している人も少ないので、バルサラの破産確率自体をトレードに役立てられる人は少数だと思います。
また、バルサラの破産確率には保証金の考え方を含まずに説明されている場合が多くなっていますから、サイトなどに掲載されている表を鵜呑みにしてしまうとおかしなことになってしまう場合もあります。
長期間検証されたトレード手法を買ったりする場合には、その手法の勝率や利益率が公開されていれば、余裕を持った資金管理ができることにもつながりますから有効に活用できる場合もあります。
普通に国内の証券会社でトレードしていれば強制ロスカットであっても保証金100%ルールのところがほとんどなのですから破産することなんてありえません。
破産確率を考えるよりもいかに勝率を上げていくかを考えた方が生産的です。
リスクリワードレシオをチェックするのは重要!
リスクリワードレシオ(損益比率)とは、利確したトレードの平均利益額と損切りしたトレードの平均損失額の比率です。
以下の計算式で簡単に出せます。
リスクリワードレシオ = 利確トレードの平均利益÷損切りトレードの平均損失
リスクリワードレシオでは利確平均と損切り平均が同じであれば1となります。指値10pips、逆指値10pipsの手法を使っているならリスクリワードレシオは1ということになります。
ただ、個人のデータから計算するのなら数十回程度のトレードで平均は出せません。最低でも200トレード以上、できれば1000トレードとかの母数は必要です。
たった数回や数十回程度のトレード平均では誤差が多くなるので意味がないからです。
そして、リスクリワードレシオだけでは意味がありません。いくらリスクリワードレシオが大きくても勝率が低くては勝てないためです。そのため、勝率との兼ね合いを考えることが重要になってきます。
あなたの今までのトータルで見て利益平均はどのくらいなのか、損失平均はどのくらいなのか計算してみてください。
そして、超簡単に言ってしまえば、リスクリワードレシオが1ならば勝率は50%を超えていないとトレードすればするだけ損失が増えてきてしまうと覚えておきましょう。
資金管理を無視した資金管理とは
例えば、勝率50%でリスクリワードレシオが1.0以上1.5以下の安全な資金管理をしていると資金はゆっくり徐々に増えていくことになります。
資金が豊富な場合にはこれでいいと思いますが、資金が少ない場合にはストレスがたまることになりFXをやっている意味もなくなります。
例えば資金が5万円で1000通貨の安全な資金管理で毎日トレードしたと考えてみましょう。
1日の損益をトータルして20pipsの利益が残ったとすると純利益は200円です。調子が良くて頑張って50pipsの利益が出せたとしても500円です。
事前準備をしてチャートに集中してリアルトレードを繰り返し、メンタル的にも負荷がかかり、ストレスもたまる時間を過ごして1日の利益が200円、多くて500円。
どれだけの人が満足できるでしょうか?
そう、安全な資金管理でトレードしていると、資金が豊富な人たちは十分な見返りがあるのに対し、資金が少ない人たちには見返りも少なくなってしまうことがあるのです。
私は1日14時間くらいチャートの前にいますが、もし、頑張っても500円しか利益が出せないとしたら、FXなんてとっくにやめていたはずです。
人は自分が満足できる金額が動かないとやる気も出ないし、ストレスが溜まってしまうものなのです。
そのため、数百万以上の資金がある人であれば、毎日数万程度の利益は安全な資金管理をしていても見込めますから良いと思いますが、数万から数十万しか資金が確保できない人は、少し踏み込んだ資金管理、安全よりも少しリスクを取った資金管理をしていかないと満足できる利益が出せないことになります。
しかし、どこまでリスクをとるかによって、大きく資金を減らしてしまうことにもなりかねないのがFXですから十分に計画を立てることが大事になります。
私は大きなリスクを取ったトレードには反対派ですが、5万円を100万円に増やすようなハイリスクトレードだったとしても、宝くじに比べれば成功確率はかなり高いと思います。
以前公開した記事ですが、資金管理で小さな資金を大きく増やした体験談を公開していますので参考にしてみてください。
複利で増やすことを考える!
複利は机上の空論なんて言われることもありますが、ある程度まではかなり有効な考え方です。
1億円を1兆円に・・・みたいな考え方には無理がありますが、10万円を100万円にくらいで考えた場合には、単利に比べ複利の方が圧倒的に資金の増加が早くなります。
資金の増加が早いということは、もちろんリスクも増大しますし、メンタル負荷もかかることになりますが、計画的な複利、無理しない複利であれば絶対にやったほうがいい戦略ともいえると思います。
複利運用のやり方は以下の記事で詳細に読めます。
大切な資金を守るための資金管理
FXでは安定して勝ち続けていくことが大切ですが、大切な資金を急激に大きく減らさないことも重要です。
突発的に何が起こってもおかしくないのがFXなのですから、何があっても大きなダメージを受けないための資金管理です。
最初に通常のトレードの最大損切りとは別に、万が一のための最大損失を決めてください。万が一のためなので前述した2%ルールよりも大きくて構いません。多くの方が使っている5%ルールでもいいと思います。
万が一のための最大損失を5%とするのであれば、資金が100万円の人は5万円です。10万通貨でトレードしているのであれば50pipsですから、エントリーと同時に50pipsの逆指値を入れてしまいましょう。
次にFX口座残高を見直しましょう。口座残高とは有効証拠金のことです。FX会社の人には怒られてしまうかもしれませんが、FX口座にはトレードに使う必要最小限の資金があれば十分です。
必要最小限の資金とは、1回のトレードに使う証拠金+損切り○回分の合計です。勝率によって可能性のある最大連敗数は変わってくると思いますから計算して加えます。
これは、滅多にないことですし経験したことがない方も多いと思いますが、突発的に驚くような相場変動が起こってしまうと、逆指値では止まらず、強制ロスカットでも止まらず、口座資金のすべてを失ってしまう可能性があるからです。
私も強制ロスカットで止まらなかった経験はありませんが、昔は逆指値を飛び越えられて大きな損失を出したことは何度もあります。20pips逆指値なのに80pipsの損切りになった時は本当にビックリして落ち込んだものでした。
これは大昔の話ですから今はどうなのかはわかりませんが、万が一を考えた資金管理をしておくに越したことはありません。
次に、損切りのルールを厳格に決めて絶対に守るということです。FXで大きな損失を出してしまう代表的なものが、損切りをしないで放置して強制ロスカットになってしまうパターンです。
これだけは自分の力で防ぐことができます。ルールに従った損切りをすればいいだけですから、誰にでもできることです。
10回中9回は建値に戻るのがFXですが、残りの1回で大きな損失を出してしまう可能性があるのもFXです。リスクはできるだけ排除しなければならないと考えておきましょう。
最大損失を決めて逆指値を入れて口座残高を適正に保ち、ルール通りの損切りさえできていればFXで破産なんてことは滅多に起こりえません。
資金が徐々に減っていくのであればトレード手法が悪いか、メンタルで思い通りのトレードができていないかになります。
自分のトレードは必ず記録すること
今日は勝てて良かった・・・
今日は負けてしまった・・・
これだけでは資金管理なんて絶対にできません。
自分のトレードはすべて記録しておき、最低でも1週間に1回程度は見直して検証してみるべきです。ルール通りのトレードはできているのか、失敗の原因は何だったかなどがわからないと資金管理もできないためです。
そして、検証作業では1週間の平均勝率、平均利益、平均損失なども集計してみてください。
自分は今どの程度の平均勝率なのかさえ知らない人が意外に多いです。また、利益平均も損失平均も計算したこともない人が多いです。
また、毎週や毎月の集計で勝率が極端に上下したり、平均利益や平均損失が大きくブレたりすることにも問題があります。
数値が大きく変わった時は、原因がどこにあるのかを十分に検証してください。
そして、平均が安定してきたら、勝率を1%でも上昇させることを考えたり、利益平均を1pipsでもアップさせることを考えて実現さえることによって、月トータルでの純利益も大幅にアップさせることが可能になってきます。
自分のトレード記録を書いていなかった人は今日からすぐに記録するようにしましょう!
以下の記事でトレード記録用エクセルテンプレートを無料配布中です。
資金管理の笑い話
関東に実在する人物なのですが、私の会員の方で驚くほどの資金をもってトレードを楽しんでいる方がいます。
その方は私の公開した手法をすべて購入していて、時々メールや電話でやり取りしている方なのですが、実は私が提供したトレード手法は一切使っていません(笑)。
ただ、私とのつながり、サポートのために購入されてる感じです。
その方のトレード手法は
- 大きな目線で上昇トレンドの通貨ペアを探す
- 少し下がったら100万通貨(10ロット)買う
- 数万円の利益が出たら適当に利確する
- 逆行してマイナスになったら損切りしないでプラスになるまで放置
- 大きく下がってしまったらナンピンもする
- 利確できた場合と放置になった場合は次のエントリーチャンスを探す
たったこれだけです。
売りエントリーしてしまって塩漬けになってしまえばマイナススワップが積み重なってくることになるので、買いエントリーで少しでもプラススワップがつく通貨ペアを選んでのエントリーは正解です。
最初から塩漬け(長期間保有)覚悟でエントリーしているからです。
でも、聞いた話では最大で10ポジションくらい放置したこともあったり、1つの通貨ペアでナンピンして数ポジションも逆行されていたり、プラスにならずに数ヶ月放置したり・・・普通では考えられないトレードをしています。
しかし、資金が豊富にあれば十分な利益が出せることになります。
そして、ストレスとか、メンタル負荷とかもまったくないそうです(笑)
本業で大きな成功をしていて、FXが趣味(利益の出る遊び的な考え)だからこそのトレード方法だと思います。
資金を銀行に預けておくか通貨に換えて利益が出るまで待っているかの違いで、FXでも国がなくなるような異常事態がない限り、いつかは建値以上になると思いますし、わずかながらのスワップの積み重ねで追いつくこともあります。
ちょっぴり羨ましい資金管理のお話でした・・・。
私の資金管理とは?
私を知らない人のために私のFX的なことを少し書いてみると
- ポジポジ病ではないがエントリーはたくさんしたい
- メンタル的に利益を大きく伸ばせない性格
- 損切りは早くしてしまいたい
- チャンスはいつまででも待てる
- 目標を達成すると利益を減らしたくないので守りになる
- 負けたままでは終われないのでいつまででも頑張る
- 朝は6時にチャートを開く
- 夜は20時にチャートを閉じる
- 年とともに4通貨ペア監視が限界
こんな私ですが、何年も月平均の勝率は50%~60%で推移しています。トータルで見てこれ以上の月もほとんどないし、これ以下の月もほとんどないないといった感じです。
そのため、リスクリワードは7:10くらいを最低目標にしていて、機械的なトレードを繰り返しています。
利益を伸ばすトレードがメンタル負荷増大を招いてしまうためにリスクリワードレシオを1.4~1.5くらいの低い目標にしているからです。
そのため、pips的な大儲けはないものの安全な資金管理が自分ではできていると思っています。
雑誌やネットを見ているとリスクリワードレシオは3くらいが最善、最低でも2はほしいなんてことが書いてあります。
確かに理想は3あれば最高ですし、2でも十分すぎるほどです。損小利大のトレードができていることになるからです。
しかし、リスクリワードレシオ3のトレードでは勝率が低くなってしまうはずですから、メンタル的に耐えられるかどうかの問題もあります。
勝率10%で勝てるなんて本もありましたが、勝率10%では10連敗とか20連敗とかが普通にあるため、いくらトータルで利益が出ると言われても現実的ではありません。
逆に勝率100%と言われてもマーチンゲールや両建て的なトレードになってしまうために何かアイディアを盛り込まないと現実的ではありません。
やはり、ある程度の勝率が確保できて、ある程度のリスクリワードで、安全に安定的にトレードしていくことがメンタル負荷も少なくて良いと思っています。
これはあくまでも私の場合ですが、皆さんも自分に合った資金管理を考えると、より楽しく、より大きな利益を出していけることになるはずです。
FX資金管理の重要性を再確認!大きく儲けたいなら時には勝負も必要!まとめ
ここまで読まれてわかったと思いますが、誰でも同じ資金管理で成功するとは限らないのがFXです。
人によって資金量やトレード手法が違うためです。
安全志向なのかリスク志向なのか、また、負けないトレードがしたいのか、一気に大きく資金を増やしたいのかによっても資金管理の考え方は変わります。
そのため、一人一人に合った資金管理を考えることが大切です。
あなたの総資金、使っているトレード手法での長期間で見た平均勝率、平均損失、平均利益などを考えて、あなただけの資金管理を作り上げていってください。