FX専業トレーダーの夢を実現した阿部さん(HN)の話です。
FXで勝てなくて勝てなくて苦労して悩んでいた阿部さんは、誰でも知っている某大手企業でサラリーマンSEをしていました。なにをやっても勝てずに私の手法公開に応募してきたのは2016年の4月です。
当時50代前半でFX歴は4年ほど、自分でプログラムが作れる方でEAを数多く作って取り組まれていましたが、トータルでは驚くほど大きくマイナスということでした。
そんな阿部さんが専業トレーダーとして独立したのは2017年1月。阿部さんに許可をいただきましたので、大負けで苦しかった時代から専業トレーダーになるまでの経緯を公開します。一部、個人情報に関わる部分は若干変更していて、手法に関わる部分は伏字にしています。
FX専業トレーダーについては合わせてこちらの記事もお読みください。
目次
FX専業トレーダーになったのを知らなかった!
2017年2月のある日、突然、まったく知らない会社名で大量の焼酎が私の会社に宅急便で届きました。それも、値段が高くて普段は飲まないような高級品ばかり。
宛名は私の会社宛てでしたので間違いではないと思いましたが、誰から送られてきたのか全く分からずに困っていました。
焼酎が届いた翌日、阿部さんから一通のメールが・・・内容を要約すればこんな感じです。
—–ここから—–
MAXさん
昨年セミプロトレーダーコースでお世話になった阿部です。今年の1月から長年の夢だった専業トレーダーとして独立しました。FXで勝てるようになったのも、専業トレーダーになれたのもMAXさんと安定手法のおかげです。
中略
お礼と言っては失礼かもしれませんが、MAXさんの大好きな焼酎をお送りさせていただきました。お口に合うかわかりませんがぜひ御賞味ください。
呑み過ぎには気をつけてくださいね。
阿部
—–ここまで—–
阿部さんには会員期間卒業時に「絶対専業トレーダーになります。夢を実現したら連絡します!」とメールをいただいていましたが、卒業と同時に兼業で仕事をしながらFX用の株式会社を作って専業トレーダーになっていたとは知りませんでした。
そこから月1~2回メールをいただくようになって、更には同年代で同じ酒好きということもあり、私が上京した時にはお互いの時間が合えば居酒屋で談笑する仲になっています。
阿部さんがFXで大負けしていた理由とは?
阿部さんは本職がSEで長くプログラムに携わっていた関係で、FXを始めた当初は様々な商材やマニュアルを購入してはEAを自作してトレードしていたそうです。
ただ、10種類以上も自作したEAは一時期は調子よく勝てても、1ヶ月2ヶ月と運用していけば全部マイナスになり損失を広げていきました。
貯金もかなり減って奥さんに猛反対されてFXをやめた時期もあったそうですが、どうしてもあきらめきれずにチャートを見る日々が続き、EAで勝つのは難しいと判断して高額塾に入って裁量トレードを学びました。
しかし、裁量を学んだら、今度はメンタル負荷が大きくてポジポジ病を発病。決まったルールを守ることができずに、更にマイナスが大きくなっていったのでした。
EAでも勝てない、裁量でも勝てない、なんとか勝てる方法はないものかとネットで検索していた時に私のブログを見つけて連絡してきました。そして、これで勝てなかったらFXをやめるという決意をしてMAX会員になられました。
阿部さんの取り組みと進捗推移
セミプロトレーダーコースでは、最初にマニュアル一式を全部お渡しして、あとは週1回追加PDFなどをお送りしながら個別でサポートをする形をとっています。
私は、会員になった方にマニュアルの理解と検証、デモで練習、リアルトレードの順に3ヶ月かけて進んでいくことをお勧めしているのですが、手法自体がシンプルということもあり、約半数の方が1週間以内にリアルトレードを開始してしまいます。
手法を完全に理解して自信をつけるには1週間では短すぎます。
後から聞いた話ですが、阿部さんもマニュアル配布から数日後にはリアルトレードを開始されていたそうです。そして、ルールを守れずにポジポジ病でマイナスを増やしてしまいました。
これでダメならFXをやめるという決意までして取り組むはずだったのに、結局はルールを守れずにマイナスを増やし続ける自分自身に自己嫌悪し、お悩み相談みたいなメールをいただいたことを今でも覚えています。
私は、リアルトレードを休んで、検証作業を数多くこなしてトータルで勝てるという自信をつける提案をしました。
あとは、阿部さんがSEでプログラムを作れるのも知っていたので、完全にEA化は無理でも、エントリーポイントが近くなったらサインが出るプログラムを作って、そのサインが出るまでは絶対にトレードしないと決めたら・・・とアドバイスしました。
そのメールのやり取りの後、2ヶ月ほどは一切連絡がなくなりました。
結局、阿部さんはMAX会員として6ヶ月間取り組まれたのですが、サポートを使ったのは最初のやり取りと悩み相談以外は数えるほどしかありませんでした。ほとんど質問メールもなく、電話で会話したのも2回だけでしたから、会員期間中は勝てているのかどうかもわからなかったのが本当のところです。
専業になった後に、なぜサポートを使わなかったのか理由を聞いたら、
- 聞きたいことはマニュアルを読み返せば全部書いてあった
- 毎週の追加PDFで理解できた
と言われていましたが、実は、人付き合いが苦手で本当は聞くのが恥ずかしかったというのが本音のようでした。でも、マニュアルをプログラム化することに全力で取り組んでいたので、最初の失敗以降はリアルトレードしなかったということです。
元々大負けしていた関係で資金が少なかったという理由もあったようですが、勝てる手法を自動化できたらウハウハみたいな考えもあったようです。
実は、会員になられる方の中にはプログラマーが本当に多いんです。不思議なんですが会員の5%程度の方はSEだったり、自分でシステムが作れたりしています。これは私が知る限りなので実際にはもっと多いのかもしれません。
自分でプログラムが作れる力があると、自動化できる部分は自動化し、目で判断する部分を減らそうという考えになるようです。これは私も大賛成です。
ずっとチャートを凝視しているよりも「もうすぐエントリーチャンスがくるかも」のサインが出てお知らせしてくれたら疲れも減りますし、サインを待てるようになればポジポジ病になる確率も減ります。
手法ルールを完全にEA化できたら最高なのですが、私の知る限りでは、まだ誰もそこまでは実現できていないようですが、一部分をプログラム化し判断されている方は結構います。私自身はプログラムとかはさっぱりわからないので、そういった特殊能力のある方が羨ましかったりもしています。
FXで安定して勝てるようになったきっかけ
阿部さんがFXで安定して勝てるようになった理由はたった一つ。安定手法の8割をプログラム化できたからだと話しています。
阿部さんが作ったプログラムをざっくり書くと
安定手法はトレンドフォローメインの手法なので、逆張りEパターンは完全に省き、以下の部分は簡単にプログラム化できたそうです。
- 過去2時間でレンジ推移になっているかどうか判定
- ○○が完成しているかどうか
- SABCパターン形になっているかどうか
ただ、基本1の○○○○○○が○○しているかどうかだけ、どうしてもプログラム化できずに2ヶ月ほど費やしたそうですが、結局この部分は完成できず。基本2の基本と応用パターンを含めたものだけは完全自動化に成功されています。
手法のメインの基本1を自動化できないので、上記の判定前の部分までOKが出たらサインが出るようにして、最終判断は目視で○○○○○○の○○を見てエントリーするだけになったらトータルでの収支が安定してきたということでした。
あと、私は利確損切りを数値で決めることは推奨していなくて、チャートを見て判断するのが基本としているのですが、ボラティリティに合わせて数値を設定し、エントリーと同時に指値逆指値を入れて決済まで放置するようにしたらストレスが激減。
メンタル的にも楽にトレードできるようになったということでした。
ここまで簡略化できて、エントリーするかしないかの最終判断だけ自分の目視でするようにしたことで、余計なトレードを全くすることがなくなったのが、安定して勝てるようになった一番の理由のようです。
FXで負ける原因の多くは、「余計なことをしてしまうこと」なので、やってダメなことをしなくなっただけで収支が改善されたことになります。
FX専業トレーダーになれた理由
いくら普段のトレードで安定して勝てるようになったとしても、誰でも専業トレーダーになれるかといったら難しいかもしれません。例えば会社員の方だと、今まで毎月安定してもらっていた給料がなくなる不安が大きいためです。
それでも阿部さんは、3ヶ月間連続で月間プラス収支を達成できたことで自信が持てたこと、夢を実現するには年齢的にも今しかないと考えたことで奥さんに真剣に相談したそうです。
でも、奥さんは退職に猛反対されました。当たり前といえば当たり前ですね。いくら子供が社会人になったと言っても、安定収入がなくなってしまう不安は奥さんの方が大きいものです。
そこで、FX専業トレーダーになることを許可してもらう代わりに、以下の約束を奥さんとしたそうです。
- 退職金を全部奥さんに渡すこと
- 毎月決まった金額を給料として家に入れること
- 休みを決めて家族の時間を持つこと
- 失敗したら再就職すること
FX資金には退職金をと考えていたそうですが、奥さんに全額渡す約束をしたことで、大学卒業後から趣味で収集していた大量の古銭やコインと高級腕時計のコレクションを泣く泣く売り、純金積み立てと若干の貯金で300万円強をFX専業の資金にされました。
定期預金と保険からも資金は出せたそうですが、それらは心の余裕資金として使わないと決めたということでした。
FX専業トレーダーになった阿部さんの今現在の状況
阿部さんは埼玉県の某市で奥さんと子供の5人暮らしでしたが、二人のお子さんはすでに結婚されて独立。今は奥さんと独身の息子さんの3人暮らしで、奥さんは専業主婦、息子さんは社会人になっています。
自宅から一駅離れたところにワンルームのトレードルームを借りていて、そこに会社住所を置いてトレードされています。運動不足解消のために、わざと一駅離れたところに部屋を借りたのには感心させられました。
肝心の収支状況ですが・・・
こんなことを言ったら失礼ですが、阿部さんはローンの終わった持ち家で意外に質素な生活をされていたことで毎月の生活資金も少なく済んでいて、最初は10万通貨でスタートし月間30万円が利益目標でした。
最初のうちはFXの利益から経費を払って、税金分をプールして、奥さんに毎月給料を渡すと、自分の小遣いはほとんどない生活だったそうです。それでもFX専業トレーダーになれたことが嬉しくてFXに没頭する日々が続きました。
自分の最低目標達成に自信を持てたことで、そこから徐々に通貨数を上げていって、今は30万通貨まで上げられています。
最初2枚だったモニターも増やして今は8枚。ポンド円のみだったトレードも、今は4通貨ペアを常時監視して、できるだけ確率の高い通貨ペアを選んでトレードされています。
先日、機会があってトレードルームにお邪魔させていただいたのですが、私よりもトレーダーらしいトレードルームになっていました。
毎日トレードしていると、狭いレンジが長時間続いたり、エントリーチャンスが少ない日などは不安になることもあるそうですが、欲張らず、機械的にトレードを心がけて、トータル利益だけを考えて、毎日規則正しい専業トレーダー生活を満喫されているということでした。
FXで勝てなくて苦労したSEが専業トレーダーになった話! まとめ
FX専業トレーダーになりたいという夢を持っている人は多いです。でも、その夢を実現できるのは一握りの方たちだけ・・・。多くの人は夢は夢のままで実現できずにいます。
FX専業トレーダーになるためにはクリアしなければならないポイントがあるためです。
一番の難関ポイントは、毎月安定した収支を実現できるかどうかです。勝てなければ専業トレーダーになることは不可能なのですから当たり前に一番重要なことですね。
次に、今現在の自分の置かれている状況です。家族がいたら自分勝手に独立するのは不可能ですから、家族の理解が必要です。これも難関かもしれません。
あとは、十分な余裕資金が準備できるかどうかです。心に余裕が持てる資金力がなければ、絶対に勝たなければというメンタル負荷が大きくなりすぎるために、安定したトレードができなくなってしまう可能性があります。
FXで安定して勝てるようになったら、数ヶ月、1年という準備期間をもって、しっかり計画して専業トレーダーになることをお勧めします。
絶対にあきらめずに取り組んでいけば、阿部さんのようにFX専業トレーダーになる夢はきっと実現できるはずです。