FXで破産者急増!これはかなり昔の話で、今はほとんど破産することなんてありません。また、先物や株に比べればFXの方が安全だと私は考えています。もちろん、しっかりとした資金管理を前提としての話です。
それでは、なぜ、FXで破産とか危険とか言われてしまうのか?そして、FXで破産してしまう可能性、原因などを考えていきたいと思います。
破産の危険性を知ることで破産を避けることにもつながりますから、FX初心者の方は特に覚えておいた方が良いと思います。
目次
FXで破産はしないはず、普通なら!
破産という言葉を調べてみると「財産をすべて失うこと」とあります。一般的に破産といえば自己破産手続きのことも指しますが、FXで言うところの破産とは資産が全部なくなって困ることを指して良さそうです。
「あ~破産だ・・・」
「あ~お金が全部なくなった・・・」
同じような意味合いだと思われ、大損した時などに使われています。
でも、FXでの破産は余程のことがない限り、あり得なくなってきています。まずは、国内の個人口座のレバレッジが25倍に規制されていること。そして、強制ロスカット制度があるためです。
強制ロスカットは必要証拠金維持率が100%を下回った際に発動されます(FX業者によって%は違います)。
例えばドル円が100円と仮定してレバレッジ25倍での1万通貨の保証金が4万円、20万通貨のトレードをする場合を考えてみましょう。
口座に入っている総資金が100万円。ドル円で20万通貨のトレードをする際に必要な証拠金が80万円。この場合、100万円の資金が80万円まで減った瞬間に強制ロスカットが発動し自動で損切りされてしまいます。
20万円の損失で強制ロスカットが発動ですから、資金的には約80万円(若干滑る可能性が高いので約としています)残る計算です。
簡単に言えば強制ロスカットで保証金分の資金が残るということになります。
だから、どんなに危険なトレードをして損失が大きくなったとしても、トレードに要した保証金が残るのでいきなり破産はあり得ないことになります(特殊な場合除く:後述)。
ハイレバレッジで破産のウソ!
属にハイレバと言われている高いレバレッジですが、このハイレバを使うと破産するから危険だと言われることがあります。
国内の個人口座だとレバレッジは25倍までと決まっていますが、海外口座だとレバレッジ数百倍~千倍なんて口座もあります。
しかし、ハイレバで破産というのもウソです。
余程大きな変動でない限り強制ロスカットが発動して証拠金は残りますから、FX口座に入れておいた資金はゼロにはなりません。
だから、高いレバレッジだと破産するというのはウソで、1000倍とかのハイレバレッジでトレードしていたら、口座残高が限りなくゼロに近くなるまで損失が大きくなる可能性があるということです。
詳しくはレバレッジの記事で読めます。
FXで破産してしまう原因!
最初は余裕資金で始めたFX、儲けて幸せになるはずだったのに、思惑とは違って資金がどんどん減ってきて退場に追い込まれていきます。ここで退場してFXをやめてしまえば破産とはなりません。
退場するのが嫌で、FXをやめられず、使ってはいけないお金を使ったり、借金したお金をFXの資金にしたりすることで更にマイナスは大きくなってしまい、終いには破産という最悪な結果になってしまうことが多いようです。
余裕資金を負けてしまった場合、またお金を貯めて再チャレンジすることもできますが、余裕資金以外のお金をFXで使って負けてしまうことで、「にっちもさっちもいかなくなり破産した」というようなことが起こりえます。
それでは破産に追い込まれてしまう理由を考えてみます。
余裕資金以外の使ってはいけないお金を使って破産!
FXは投資ですから、余裕資金の一部でおこなうのが普通の考え方です。これが余裕資金ではない生活費の一部だったり、使ってはいけない貯蓄だったり、借金だったりでトレードしてしまう方がいます。
なんとか儲けたいという欲がそうさせてしまうんですね。
使ってはいけないお金ということは、絶対に減らせないお金ということであり、トレードに大きなプレッシャーがかかってくることになります。平常心でトレードできない場合も多くなり、損切りできなくなってしまったり、薄利決済してしまう頻度も多くなりがちです。
結果、損大利小の最悪トレードを繰り返して破産に追い込まれてしまう可能性が高まります。
また、奥さんに内緒とか旦那さんに内緒でFXをしているという方もいらっしゃると思いますが、儲かっていればなんの問題もないのですが、もし損失があったり、大きく負けていたりすると精神的な負担が大きくなります。
隠し事をしているという「後ろめたさ」も出てきてトレードに影響してくるかもしれません。
余裕資金以外のお金でトレードするとメンタル負荷が大きくなってしまうことで、勝てるはずのトレードでも勝てないことがでてきてしまうのです。
そのため、借金をしてFXをするのは計画性がない限り絶対にやってはいけません。借金してFXをして儲かって全額返済したなんて話は聞いたことがありません。
たまに借金してFXをしているブログがあるのですが、ほとんどは借金を膨らませて退場し、ブログも更新が滞り閉鎖している場合がほとんどです。
FXをする場合には必ず余裕資金で取り組みましょう。余裕資金がなければ貯まるまで検証や勉強すればいいのです。
強制ロスカットを防ぐために資金を追加して破産!
損切りができずにマイナスが膨らんで塩漬けになり、有効証拠金が徐々に減ってきて強制ロスカットが近づいてくると、資金を追加入金してポジションを助けようとする人がいます。
実は昔の私も何度も経験しているのですが、強制ロスカットが近くなって資金を追加すると、なぜか不思議なのですが更に損失が膨らむ場合の方が多い感じがします。
そして、また強制ロスカットが近づいてきて追加入金、更にマイナスが膨らんで・・・
これを繰り返しているうちに損失金額はどんどん大きくなってきて限界が来てしまい、最終的には証拠金を残して強制ロスカットになってしまいます。
最初は100万円のマイナスだったのに、追加追加で入金しているうちに数千万円まで損失が大きくなって破産したなんて話も聞いたことがあります。
取り返そうとして無茶なトレードを繰り返し破産!
これも結構多いパターンなのですが、損失を取り返そうと熱くなってしまい、冷静なトレードができずに更に損失が膨らんでいきます。
上記のように資金を追加したり使ってはいけないお金を使ったりしながら、何とか取り返そうとトレードを繰り返しますが、最終的には微々たる保証金しか残らず破産に追い込まれていきます。
FXで損失を回復させるためには、余程しっかりした計画性を持って取り組まないと難しいということを理解しておきましょう。
急激な値動きで口座資金以上の損失で破産!
これは自分が悪いわけではなく、突発的な値動きに巻き込まれて大きな損失を背負ってしまうパターンです。
ずいぶん前ですがユーロ買い介入撤廃から暴騰したスイスフランが有名です。
暴騰前にユーロスイスの買いポジションを持っていた人たちは、一瞬で2000pips以上もスイスフランが暴騰したことで口座資金以上のマイナスを抱えました。
瞬間的な急変動で強制ロスカットでも止まらず、口座資金がゼロになっても止まらず、数百万、数千万の借金を抱えた人も多かったと聞きます。
私もリアルタイムでユーロスイスチャートを見ていましたが、チャートもフリーズしてしまい、動き出した時には2000pips以上動いていましたから、ほとんどの人は手も足も出なかったと思います。
このような強制ロスカットも効かずに口座資金以上の損失を被ってしまうのは不可抗力ですが、万が一を考えていれば危険を察知でき、ポジションを持たずに静観できていたかもしれません。
また、英国民投票でのポンドの大暴落でも2000pips以上値を下げていますが、この時はチャートがフリーズするほどではなかったことで、途中で損切りできるチャンスも十分にありましたし、強制ロスカットも効いています。
そのため、英国民投票の大暴落で破産している場合は、自分が悪かった、判断ミスということになります。
FXでも自己破産は認められる?
大きな借金をして資金を作りFXをするなんてことは絶対にしてはいけないことですが、やむを得ない事情で借金になってしまう場合も考えられます。
上記したような大暴落、大暴騰に巻き込まれた場合などです。
強制ロスカットでもストップがつかずにFX口座残高以上に大きく負けて借金を背負ってしまう・・・確率的にゼロではありません。
実際にスイスフランの暴騰の際にはかなり多くの方々が借金を背負ったと聞きます。
よく言われていることで、ギャンブルで作った借金だと自己破産は認められないというものがありますが、実際にはほとんどの場合で認められているようです。
また、FXで大きな借金ができてしまった場合でも自己破産は認められない可能性が高いと言われていますが、実際には裁量免責になる場合が多く自己破産を認められる場合の方が高くなっているようです。
そのため、万が一の事態があれば自己破産という手もありますが、そんな事態が起きないような資金管理、リスク管理が重要です。
詳しくはリスク管理の記事で公開していますが、マイナー通貨ペアでのトレードや、情勢不安時の買いの長期保持などを避けることで大きなリスクは軽減できます。
損切りさえしていれば破産しない!
地政学的リスクや相場の急変でチャートがフリーズするような事態の時に反対方向へのポジションを持っていたら回避するのは不可能です。手動での損切りも逆指値も強制ロスカットも効かなくなってしまうためです。
しかし、それ以外の場合は損切りさえしていけば、破産などという最悪の事態は確実に防げることになります。
例えば、記憶に新しい英国民投票でのEU離脱決定、この時に買いポジションを持っていたとしたら?
私の見ていたチャートでは高値から28円、2800pipsも下落していますが、チャート自体はしっかり動いていたので手動でも損切りするチャンスはありました。
また、スプレッドは大きく開いていて値動きも激しかったですが、この程度の値動きであれば強制ロスカットも効いていたと思います。
だから、逆方向のポジションを持っていたとしても、自分での手動損切り、逆指値、強制ロスカットのどれかで損切りが実行でき口座残高がゼロになることはなく、保証金のほとんどは残っていた計算になります。
FXでの破産を考えた場合、徐々に資金が減っていって破産に追い込まれてしまうパターンよりも、損切りできずに一気に大きな損失を出して破産に追い込まれてしまうパターンの方が断然多いのです。
だから、損切りをしっかりしていれば破産のほとんどは防げることになります。
FXで破産する確率は低い?破産してしまう原因と防ぎ方とは?まとめ
FXでは損切りを確実に実行し、優位性のあるトレードルールを使ってトレードしていれば、破産するような事態に遭遇する可能性は限りなく低いと言えます。
また、マイナー通貨ペアでトレードしない、地政学リスクがある通貨ペアを避ける、大きなイベント前にポジションを持ちこさない、ニュースをしっかりチェックするなどのリスク管理をしっかりしていれば、破産確率はほとんどないと言っていいと思います。
しっかりとした戦略を持ってのトレードが前提になりますが、宝くじに当たる確率よりも低い破産を恐れるより、堅実なトレードを積み重ねていって安定した利益を出していきましょう。