ダブルトップはFXのチャートパターンの一つです。FXをやっている方なら知らない人はいないくらい普通にFX用語として使われていますが、チャート形の本質を知ることでトレードに役立てることができます。
FXで勝っていくためには優位性のある手法を使いトレードルールを守ることは最重要ですが、今の価格からどう動くのか予測していくこともトレードにおいては大切なことで、ダブルトップなどのチャートパターンを知ることでそれが可能になるのです。
また、心理的な面からチャートパターンができる理由を知っておくことで優位にトレードしていけることも多くなります。
ダブルトップがなぜできるのかを思考することで、ダブルトップを一つのチャートパターンとして手法に組み込んだり、一つの勝ちパターンとして活用していきましょう。
目次
FXでのダブルトップとは?
上のチャート形がダブルトップです。
基本は1番目の山と2番目の山がほぼ同値か、1番目の山より2番目の山が少し低い場合をダブルトップと呼びます。
1番目の山より2番目の山が高い場合でもネックラインを割ればダブルトップ完成という場合もありますが信頼度は下がります。いくらネックラインを割っているとしても高値を更新しているからです。
チャートパターンのダブルトップが完全な形で出現することはそんなに多くありません。似たような形をどう判断していくかで活用法も変わってきます。
リアルチャートでどんな形で出現しているか見てみます。
①が1回目の高値、②が2回目の高値、黄色ラインがネックライン
1回目と2回目の高値がほぼ同値でのチャート形
2回目の高値が1回目の高値を更新していないチャート形
2回目の高値が1回目の高値を更新しているチャート形
ダブルトップを酒田五法で言えば三山の変形バージョンですが意味は一緒です。
酒田五法についてはこちらで詳細に読めます。
押し目はなぜできるのか?
押し目がなぜできるか知っていますか?
押し目ができる理由の一つを簡単に言ってしまえば、ポジションを作って保有していた人たちが利益が乗って利確するからです。
私も買う、あなたも買う、別の人も買う・・・買う人ばかりいれば押し目はできずに価格はどんどん上昇していくことになります。
それでも、大きく利益が乗った人の中には必ずビビって利確してしまう人がいます。もちろん、ある価格まで到達したら利確するという計画的な人もいます。
そういった利益確定の売りが買いの注文量よりも大きくなれば必然的に高値から値は下がることになります。
値が下がると買いたい人たちから見れば、買値が安くなったお得感から買い注文を入れるために下げた値が押し目となり、そこから価格は上昇することになります。
買う人、売る人、利確する人、損切りする人、すべての注文量の合計で価格が上がるか下がるか決まってくることになり、チャートは動きます。
上チャートの値動きをザックリ考えてみます。
①付近で多くの方々が買いポジションを持ちました。
②で利益が乗った人たちの一部が利益確定の売り
③で少し下がったことで更に買いが入ります。
④で少しもみ合ったことで上がらないと判断した人たちが利益確定の売り
⑤で少し下げたところで押し目と判断した人たちが買い
⑥では十分に利益が乗った人たちが利益確定の売り
⑦で下がらないと判断した人たちが押し目買い
こんな感じで押し目押し目で買われて徐々に値を上げて上昇トレンドが出来上がります。上記では押し目買いしか書いていませんが、都度売りポジションの損切りも出てくることが上昇する理由になる場合も多々あります。
こんな感じで値動きの理由を考えてみると、エントリーポイントを精査する場合や利益確定を考える上で役立つことが多々出てくることになります。
ダブルトップができる理由を心理的な面で考えてみる!
押し目ができる理由がわかったところで、ダブルトップが完成して機能する理由を考えてみたいと思います。なぜダブルトップができるのかがわかれば、今はどの時点にいて、どう動けばいいのかに役立つことになります。
ダブルトップは2回同じような高値で止まることで完成します。
安い値で買った人たちのポジション保有と新たな買いで値は上昇します。十分に利益の出た人たちの利益確定の売り注文で高値から若干値が下がりネックラインを形成。押し目買いの人たちが買い再上昇します。
安値で買って高値で売り損ねてしまった人たちは、1回目の高値付近まで再上昇したことで一斉に利益を確定させてきますから値が下がります。
ネックラインまで下がると、買いで待っていた人たちの買いが入り、ネックラインで買ってしまった人たちの損益確定の売りとで交錯します。
利益確定の売りとダブルトップ狙いの売りの人たちが勝てばネックラインを完全に割り込んでダブルトップが完成し値は下がっていきます。
他にもたくさんの要因が絡んでいるのは間違いないのですが、ダブルトップの多くはこんな感じの売り買い交錯で完成している場合が多くなります。
上のチャートは小さなダブルトップから高値を更新できずに大きく値を下げた場面です。ダブルトップから値を下げた理由を考えてみます。
- ①前後のもみ合いから急に大きく値を上げて②の高値をつけました。
- この高値から大きく買っていく人たちはいなくて急に上げたことで利益確定の売りも出ます。
- 小さく下げて再上昇し③で②を大きく超えられなかったことで更に利益確定の売りが出て下落。
- 黄色ラインのネックラインを割りこみます。
- ④では若干の買いも出てきて小さく上昇。
- ネックラインがレジスタンスになり値が上がりません。
- 上昇をあきらめた買いポジションを持っていた人たちが利益を確定。
- 更に値を下げてきます。
- ①付近で勝っていた人たちがピンクのラインを割ったことでマイナスになり⑤からは損切りの売りを出します。
- 損切りの売りと新たな売りが重なって大きく値を下げました。
この場面では小さなダブルトップで高値を新できなかったことで大きく下げました。こんな感じで水平線を引いてみることで、その時の売り買いの状況が予測できることになり、買いが強いのか売りが強いのかによって、上昇するのか下落するのかを考えることも可能になってきます。
ダブルトップのネックラインとは?
ダブルトップは山の頂点が2つという考え方ですが、その2つの山の間にある谷に引いた水平線のラインのことをネックラインと言います。
ただ、このネックラインには2つの考え方があります。一つは水平という考え方、もう一つは2つの山の頂点を結んだラインと並行という考え方です。
ネックラインを割ったらダブルトップが完成するという考え方が一般的ですから、ネックラインが変わればダブルトップが完成するタイミングも変わるということです。
以下のチャート図をご覧ください。
上図は①と②の2つの山がほぼ同値で高値を結ぶと水平線を引けます(黄色ライン)から、ネックライン(水色ライン)は2つの山の間の谷に水平に引くことができます。
上図は①と②の2つの山がずれていて高値を結んだライン(黄色ライン)は右下がりに斜めにしか引けません。この2つの山を結んだラインと平行になるように2つの山の間の谷にラインを引いたのがネックライン(水色ライン)です。
上図は2番目のチャートと同じものですが、高値の2つの山を結んだライン(黄色ライン)と平行にネックラインを引かずに、2つの山の間の谷に水平にライン(水色ライン)を引いてあります。これをネックラインと呼ぶこともあります。
ネックラインの引き方は完全にどっちが正解ということは決まっていなくてどちらも正解です。
私のFX経験からの私的な見解では、ネックラインは水平で見て良いと思います。2つの山が右上がりのダブルトップを考えると、平行にラインを引いた場合にはエントリーポイントが早くなってダマシにあう確率が高まるためです。
ダブルトップのダマシを思考する!
FXをやっていると「ダマシ」という言葉が使われることがよくあります。
FXでいうダマシとは、様々なテクニカル分析やトレード手法で出た売買サインとは逆方向にチャートが動いていく事を指します。
- 買いサインが出て買ったのにダマシで下がってきた
- 上がるはずのチャートパターンだったのにダマシで下がられた
- 下がるチャート形なのにダマシで上がっていった
- 売りサインが出たのにダマシで反転上昇されてしまった
こういったことをダマシと呼びます。
でも、実はある人から見てダマシだったとしても、別のある人から見ればそれが正解で利益を出しているなんてことはよくあります。
ダマシを狙った手法まであるほどです。
ダブルトップで言えば、ネックラインを割ったから売ったのに、すぐに反発上昇してしまったから損切りになった。
ダブルトップが完成したと思って売った人から見れば、これがダマシになります。
しかし、ネックラインを広く取ってネックラインをレンジ下限と予想し、ネックライン到達で押し目買いを狙っていた人たちから見れば、反発上昇してくれたことで大きな利益を手に入れることができました。レンジ下限の押し目買い狙いが当たったことになります。
これが同じ値動きを見てもダマシだという人と正解だという人がいる例です。
ダブルトップのチャートパターンでダマシを回避する一番有効な手法は、ダブルトップのチャート形が完全に完成するまで待つことです。ダブルトップのチャート形の完成とはネックラインを完全に割り込み2つの山が完成することです。
ネックラインを割り込んでローソク足が確定してからエントリーを考えます。
もっと完全を狙うならローソク足もう1本待ってもいいでしょう。
エントリータイミングが遅くなることで利益が大きく取れなかったり、ネックライン割れからのダマシも発生しますが、チャートパターンを使った手法ではこれが一番有効になります。
ダブルトップ手法で利益を出す方法!
ダブルトップは上昇トレンド終了のサインと言われていて、上昇していた価格が高値圏でダブルトップが完成した時の方が機能する確率は高くなります。
そのため、ダブルトップを手法として使う場合には、高値圏で2つの高値が形成されてネックラインを完全に割り込んでダブルトップが完成してから売りポジションを作るのがセオリーです。上図だと赤矢印の陰線確定で売りになります。
ダブルトップが完成すると価格はもう上がらないだろうという心理的反応も強くなるからです。
しかし、これだとネックライン割れから反発するダマシがあったり、ダブルトップが完成していることで大きな利益を望めないことも多くなります。
そして、何度かチャレンジしてやっと大きな利益になることが多いので、メンタル的な忍耐力も必要になってしまいます。
そのため、早めの仕掛けでエントリーしていくことがダブルトップを使った一つの手法として有効になります。
最初の高値が完成したら高値の先端に有効な水平線が引けないかチェックします。有効な水平線とは過去に何度か止まっている値だったり、ダブルゼロなどの節目だったり、オプションなどで注目されている価格のことです。
有効な水平線が引けたとしたら、再度その水平線にタッチ、もしくは水平線付近までの上昇を確認し陰線が出たら逆張りの売りで仕掛けていきます。
セオリーを無視してダブルトップのチャートパターン完成前に仕掛けていきますからダマシも圧倒的に多くなることになります。ダマシの時には必ず高値に引いた水平線超えで損切りしなければなりません。
ダマシでの小さな損切りも多くなりますが、誰よりも早いエントリータイミングでの仕掛けなので、うまくいった時には大きな利益が取れることになり、そこまでの損失をすべてカバーして利益が残ります。
特に5分足、15分足、1時間足などの大きな時間軸でのエントリーが有効になります。
また、5分足と1時間足、15分足と2時間足などのように、押し目になるタイミングでできるダブルトップであれば更に有効になります。
また、大きな時間軸で引ける水平線とダブルトップの高値の位置が重なれば更に信用度は上がることになります。
同じラインで2回止まればダブルトップ、3回止まればトリプルトップ、止まれば止まるほどぞのラインは有効に機能しているということになります。
そのため、杓子定規にチャートパターンを考えるのではなく、考えられる様々な応用パターンも考えながらチャートを見ていくことで、あなたオリジナルの勝ちパターンも増えていくと思います。
ダブルトップでエントリー時の利確目標は?
ダブルトップ完成時の利益目標は、高値からネックラインまでの値幅と同距離と言われています。ネックラインから高値までの値幅が50pipsであれば利確目標も50pips、20pipsであれば20pipsということです。
そのため、ネックラインまでの戻りが小さいダブルトップでの利確目標は小さく、ネックラインまでの戻りが大きいダブルトップでの利確目標は大きくなることになります。
ただ、利益確定に関しては暫定目標をネックラインまでの値幅として、他の要因も考えて大きく狙っていくようにした方がトータルでの収支は伸びる傾向にあります。
いつもきれいに完璧なチャートパターンと同形のチャートが出来上がるはずはないからです。
ダブルトップは時間足で見るのが最適?
チャートは1分足から月足まで様々な時間軸がありますが、チャートパターンは大きな時間軸のチャートの方が信頼度が上がると言われています。
小さな時間軸、特に1分足などはちょっとした大口注文でも値が動いてしまうために信頼度が下がってしまうためです。
また、時間軸が大きくなればなるほど機能した時に得られる利益は大きくなることも大きな時間足で見る方が優位性が上がるということになります。
そのため、1時間足、4時間足、日足などでダブルトップを活用し大きな利益を上げている方々もいますし、そういったチャートパターンを活用した手法もあります。
私的にはデイトレードで5分足、15分足で活用する場合が多いです。特に2時間足で見た下降トレンドでの5分足で戻りのダブルトップの時などは他の要素も加味して積極的に狙う場合もあります。要は順張りの逆張りです。
メインの1分足トレードでは、5分足で見てダブルトップになりそうなチャート形の時には買いエントリーを避けるなどで活用する場合も多いです。
複数の時間軸でチャートを見ていくことで、ダブルトップはエントリー時の活用にエントリーを避けるための活用と様々使っていくことができることになります。
ダブルボトムはダブルトップの上下反対のチャート形
ダブルボトムというチャートパターンは、ダブルトップと上下が逆になったチャート形です。
下げていたチャートが安値で下げ止まり若干反発後に再度下落。1度目の安値と同じ付近で下げ止まって反発しネックラインを超えて大きく上昇するパターンです。
安値は同じ値で止まる場合と2回目の安値の方が若干高い場合の方が信頼度が上がります。考え方はダブルトップとまったく一緒ですが、売りの方が勢いのある場合が多い分、ダブルトップよりは若干信頼度が下がる傾向が強くなります。
ダブルボトムはドル円や豪ドル円などの安値で買われやすい通貨ペア、安値で買われやすい時間帯の方が機能する場合が多くなります。
ダブルトップ!FXのチャートパターンで勝つ!【FX初心者向け】まとめ
FXでダブルトップがなぜできるのかを心理的な面も含めて考えてみると値動きの予測ができるようになってきます。
ここまで上昇したら上げ止まるかも、ここを割ったら大きく下がる可能性が高い、このラインまでは素直に動くだろう・・・こういった予測ができるようになってくるとFXはもっと楽しい投資になってきます。
完全な形でのダブルトップの出現頻度は高くありませんから、似ているチャート形だったり、応用できるチャート形でも同じように考えてみてください。
そして何度も何度もチャートで練習するとFXで勝つための基礎力も上がりますから、時間を惜しまずに値動きを思考することを考えていきましょう。